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南アフリカ キャプテン シヤ・コリシ
世界ランキング1位の2019年W杯王者が、意地を見せた。
南アフリカに遠征している欧州ドリームチーム「ブリティッシュ&アイリッシュ(B&I)ライオンズ」が、1997年以来24年ぶりの勝ち越しをかけ、全3戦の第2テストマッチに臨んだ。
先週の第1テストマッチはB&Iライオンズが22-17で先勝。後半にモールトライ、密集戦でのターンオーバーなどから優勢となり勝ちきった。
勝ち越しに王手をかけたB&Iライオンズに対し、後がなくなった南アフリカ。
勝利への執念は、第2テストマッチ前に常識外の場外戦を引き起こす。
新型コロナウイルスに感染したジャック・ニーナバーHC(ヘッドコーチ)に代わり、第1テストの指揮を執ったラシー・エラスマスDOR(ディレクター・オブ・ラグビー)が、なんと第1テストにおけるレフリングの誤りを指摘する1時間超の検証動画を公開したのだ。
HC代行がみずから出演し、実際の試合映像をまじえてニック・ベリ- レフリー(オーストラリア)らマッチオフィシャルのレビューをする動画は物議を醸した。
エラスマスDORの奇策により場外がざわついたまま、7月31日(土)、ケープタウン・スタジアムで、NZ出身のベン・オキーフ レフリーの笛により、第2テストマッチはキックオフされた。
「私たちはハーフタイムまでは満足のいく出来でした」(B&Iライオンズ ウォーレン・ガットランドHC)
元ウェールズ代表指揮官がそう語ったように、先週から先発3人を変えてきたB&Iライオンズは、SOダン・ビガーのPGで得点を重ねる手堅い試合運び。前半は好勝負を繰り広げた。
一方で、序盤から乱闘騒ぎがあるなど試合は荒れ模様。
前半22分には南アフリカ出身のWTBドゥーハン・ファンデルメルヴァ(B&Iライオンズ)が、トイメンのWTBチェスリン・コルビ(南アフリカ)の足を蹴ってしまい10分間の一時退場(シンビン)。そのコルビも直後に空中にいる相手にコンタクトしてしまいシンビンとなった。
両軍の闘志、高い集中力はビッグプレーも生んだ。
先週から先発3人を変更した南アフリカは、新型コロナウイルス感染を乗り越えて出場を果たしているFLシヤ・コリシ主将が魅せた。
お互いに2PGを決めて6-6だった前半35分、猛攻をしかけるB&Iライオンズが、アドバンテージ状態でインゴールへキック。
あわやトライだったが、FLコリシ主将が腕を回して執念のトライ・セービング。直前の反則でSOダン・ビガーに3点を追加されたものの、ビッグプレーで士気を高めた。
B&Iライオンズの3点リード(9-6)で迎えた後半は、好勝負から一転、南アフリカが流れを掴んだ。
「私たちは後半のモメンタム(勢い)がなく、効果的な攻撃の機会もありませんでした」(B&IライオンズガットランドHC)
劣勢の大きな要因は、安定性を失ったセットプレー。
後半の南アフリカは同2分のスクラムでペナルティを奪取するなど、スクラム戦の優勢を明確に。
B&Iライオンズはラインアウトでは鮮やかなスティールもあったが、モールの守備で反則を重ねてしまう。反則から自陣へ下がるパターンを繰り返すB&Iライオンズは、後半のボール保持率が前半の61%から36%に急落。1試合を通したペナルティは15回(南アフリカは10回)を数えた。
勢いに乗った南アフリカは、ハーフ団の足技も光った。
ゴールは決まらずリードは2点差(11-9)に留まったが、6人のFWをリザーブに置く威力絶大の「ボム(爆弾)スコッド」から5人が投入されていた後半20分、今度は金髪のファイターが魅せる。
FW戦に勝機を見出した南アフリカは、力強くラインアウトモールで前進すると、SHフランソワ・デクラークが、インゴールへ針の穴を通すようなグラバーキック。
走り込んだCTBルカンヨ・アムが、間一髪でグランディング成功。ゴールも成功して9点リードを確保すると、ここからボム・スコッドがさらに威力を発揮する。
ラグビー ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ2021 南アフリカ遠征 テストマッチ第2戦
【ハイライト】南アフリカ vs. B&Iライオンズ
クボタ所属のマルコム・マークスがジャッカルで窮地を救えば、後半30、35分に相手スクラムを破壊。
ここからSOポラードが2PGを決め、さらに終了間際にPGを追加。最終スコアは南アフリカの18点リード(27-9)となり、完勝ムードで第2テストマッチはフルタイムとなった。
セットプレーの劣勢が致命的だったB&Iライオンズは、後半なんと無得点。最終第3テストマッチへ課題を残した。
「彼ら(南アフリカ)の後半のスクラムはとても良く、そこからチャンスを得ていました。私たちは良い流れでハーフタイムに入ったと思いましたが、後半はFWのモメンタムはいくつかあったものの、やりたいことをまったく達成できませんでした」(B&IライオンズガットランドHC)
勝敗を1勝1敗に戻した南アフリカのニーナバーHCは、試合後、キックゲームでの手応えを語った。
「先週は後半のキックゲームで負けましたが、今週は課題によく取り組んで、素晴らしい判断をしてくれました」
また前半に負傷退場した不動の主力FL、ピーター ステフ・デュトイについては「診断結果が分かるまでにおそらく48時間はかかる」と語るに留めた。
全3戦のテストマッチは、これでお互いに1勝1敗。
勝負は8月7日(土)の第3テストマッチに持ち越された。
一大決戦を制するのは、2019年W杯王者か、それとも欧州ドリームチームか。
開催危機も乗り越えて、ついにやってくる第3テストマッチ。見逃せない大フィナーレだ。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
1980年2月1日生まれ、神奈川県出身。法政大学第二高校、法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻修了。スポーツジャーナリストとして『ラグビーマガジン』『Number』『J SPORTS』などに寄稿する傍ら、ユーモアコラムの執筆も行なっている。スポーツにおけるハラスメント防止を目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」理事。共著に『子どもがラグビーを始めたら読む本』(ベースボール・マガジン社)がある
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