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東海大大阪仰星、2度目の優勝
7月17日(土)から長野県上田市にある菅平高原サニアパークで「第8回全国高等学校7人制ラグビーフットボール大会」が無観客で開催され、3日目の19日(月)には、各トーナメントの準決勝、決勝が行われた。
予選プール1位の16チームが出場し、優勝が決まる「カップトーナメント」の決勝は東海大大阪仰星(大阪)と、國學院栃木(栃木)の対戦となり、東海大大阪仰星が17-14で勝利し、第2回大会以来となる2度目の栄冠に輝いた。
大会1日目は予選プール、2日目はトーナメント1・2回戦が行われて「カップトーナメント」のベスト4に進出したのは、3大会連続ベスト4進出となった國學院栃木、初出場ながら勝ち進んできた東海大相模(神奈川)、第2回大会の王者・東海大大阪仰星、春の王者で4回目の優勝を狙う東福岡(福岡)の4校だった。
東海大相模は初出場でベスト4
準決勝の1試合目は、國學院栃木と東海大相模が対戦した。前半は一進一退の攻防が続き、國學院栃木は池崎稜、東海大相模は小池椋太がトライを決めて、7-5と國學院栃木のリードで折り返す。
後半に入ると、國學院栃木がアタックに冴えを見せ、島崎聖弥、田中大誠がトライを挙げて、19-5としてリードを広げる。試合終了間際に1トライ返されたが、國學院栃木が19-10で勝利し、2度目の決勝に駒を進めた。
東福岡は春に続く2冠はならず
2試合目は東福岡と東海大大阪仰星が激突した。前半序盤は東福岡ペースで試合が進むが、トライ寸前のところで東海大大阪仰星の春名海輝がトライを防ぐビッグタックルを見せて得点を許さない。その後、東海大大阪仰星は、御池蓮二がトライを挙げて7点をリードするが、東福岡にトライを返され、7-7の同点で折り返した。
後半、東海大大阪仰星が粘り強い守備で得点を与えない。すると後半5分、7分の好機に春名と中俊一朗がトライを挙げて19-7。東海大大阪仰星が春の選抜大会のリベンジに成功した。
タックルにトライにと活躍した春名は「絶対に(トライを)取らせない、勝ちきるという気持ちでやり切りました」と破顔した。
前回優勝時のユニフォーム
カップトーナメントの決勝は國學院栃木と東海大大阪仰星の対戦となった。東海大大阪仰星の湯浅大智監督は「大会の歴史を知ること、そして、チャンピオンという自覚を持ってやってほしい、誇りを持って臨めばいい」と、2015年時に優勝した時のジャージーを着せて試合に臨ませた。
前半1分、東海大大阪仰星がボールをつないで、春名が先制トライを挙げると、3分、國學院栃木もエースの青柳潤之介がトライを返す。だが、東海大大阪仰星も力強さを見せて、薄田周希主将がトライを挙げて12-7で前半を折り返した。
國學院栃木、青柳のトライで3点差に詰めるも
後半は東海大大阪仰星が先にトライを奪ったが、ボールを動かした國學院栃木は、再び青柳がトライを挙げ、14-17と3点差に追い上げる。しかし、最後は東海大大阪仰星が攻撃を続けて相手にチャンスを与えず、そのままノーサイド。17-14で東海大大阪仰星が2015年以来、2度目となる夏のセブンズ王者に輝いた。
ノーサイドの瞬間
湯浅監督は「トップを目指してきたので、嬉しいの一言。真面目でハードワークできる選手が多いので信頼はありますが、7人制は遊び心というか、ボールゲームを楽しむ観点も必要なので、見ている人にワクワクするように、ボールをつながるラグビーをしようね、と話しをしました。ディフェンス、1人1人のタックルと責任をまっとうした」と選手たちを讃えた。
薄田主将は「高校生の7人制は決勝の14分で最後なので、倒れても失っても倒れても走り切ろうと思っていました。フィジカルで前に出て、スペースをランで突く強みが出せた。勝ち切ったことは自信になりました」と胸を張った。
MVPとなった東海大大阪仰星の御池
3日間で6トライを挙げて、カップトーナメントのMVPに輝いた御池蓮二は「自分たちがすべきことにフォーカスしてタイトルが取れました。(MVPは)すごく嬉しいですが、チームメイトのおかげです。アウト(ステップ)にこだわろうと思ってやることができた」と破顔した。
また、予選プールの2位チームが出場する「プレートトーナメント」では流通経済大柏(千葉)が、仙台育英(宮城)を26-19で下して優勝し、プレートトーナメントのMVPには流通経済大柏の蓬田雄が選ばれた。
全国高校7人制ラグビー大会2021 カップトーナメント決勝
【ハイライト】国学院栃木 vs. 東海大仰星
予選プールの3位チームが出場する「ボウルトーナメント」では、札幌山の手(北海道)が24-17で城東(徳島)を倒して優勝し、MVPには札幌山の手の濱谷海斗が選出された。
MVPの3人、左から蓬田(流通大柏)、御池(仰星)、濱谷(札幌山の手).JPG
昨年はコロナ禍で開催されなかった全国高校7人制ラグビー大会。今年は無観客ながら無事に開催することができた。全国から48チームが出場し、個々の選手が全国の強豪と身体をぶつけた経験は、間違いなく秋や冬はもちろんのこと、今後のラグビーキャリアにもプラスになったはずだ。
この大会が終われば、どのチームも再び15人制にシフトし、「花園」こと、全国高校大会の予選へと注力していく。
東海大大阪仰星の湯浅監督も「(今年は)開催されたことに感謝の気持ちで一杯です。7人制大会で優勝できましたが、参加されたチームのスタッフ、選手はここで気持ちを高められたと思うので、いろんな人の縁を大切して、最後の最後までおごらず精一杯やりたい」と冬を見据えた。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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