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左から西辻GM、武井主将、ヒューワットHC、「ラムまる」くん
来年から始まる新リーグ「JAPAN RUGBY LEAGUE ONE」の会見があった当日の夜、東京・世田谷区にあるクラブハウスで「リコーブラックラムズ東京」が新リーグ参入会見を行った。
西辻勤GM(ゼネラルマネージャー)や、マスコットの「ラムまる」くんなどが出席し、ファンに向けて約1時間のYouTubeの配信後、報道陣の質疑応答に答える形だった。
1953年にリコーラグビー部として創設されたクラブは、2003年のトップリーグ開幕に伴い、「リコーブラックラムズ」となり、そして、新リーグが始まるにあたり「リコーブラックラムズ東京」(呼称:ブラックラムズ東京)という名前になった。
呼称からは企業名を外したことに関して、西辻GMは「リコーから離れるという考えはありません。企業名が入っているより、呼称を伝えていった方が、よりたくさんの方々やステークホルダーに支援をいただけると思った」と説明した。
来季のHC(ヘッドコーチ)には、ベスト8に入った昨季はアシスタントコーチとしてチームを支えた、ピーター・ヒューワットが昇格する形となった。また、新キャプテンには、昨季、新人ながら大活躍した2年目のHO(フッカー)武井日向が就任した。
「新しいリーグで、ブラックラムズ東京を率いることができることを誇りに思い、ワクワクしています。このチームはポテンシャルが高く、選手のみなさんと仕事できることを楽しみにしています」(ヒューワットHC)。
「新リーグで新しくキャプテンをやる責任を感じています。できること限られているので、すべて自分でやるのではなく、一貫性を大事に、1日1日発信したり、行動で示したりしていきたい」(武井キャプテン)。
新リーグではDivison1に参入することが決まったブラックラムズの東京。Divison1の12チームの中で唯一、東京23区内に練習拠点を持つクラブであり、ホストエリアは東京都、世田谷区とした。
まずはホストスタジアムの「駒沢オリンピック公園陸上競技場」があり、相互協定を結んだ世田谷区で、しっかりと地域に根ざした活動を継続してファンを増やしていく。
西辻GMは「この場所で68年間、ラグビー部として活動しています。ただ、あくまでも企業スポーツとしてやってきたので、世田谷区でも知らない人がたくさんいるので、地域の人たちに根付き、みなさまに認められていくことが大事です」。
「このチームを街のシンボルにしたい。地域に根ざした活動を徹底的にやって、世田谷区に貢献していきたい」と話した。
武井キャプテンは「明治大学のときは八幡山にいたので、今年で世田谷区に住んで6年目となります。駒沢オリンピック公園陸上競技場でも数試合ありますし、世田谷区に感動を与えられるような試合がしたい。そしてホストエリアの世田谷区を今後、盛り上げていきたい」と語気を強めた。
ブラックラムズ東京はクラブ名が新しくなるにあたって、クラブの新たな「VISION」「MISSION」「VALUE」を発表した。選手やコーチ、私設応援団、地域の人などチームを取り巻く、さまざまな人たちに意見を聞いて決めたという。
「Be a Movement」というVISIONを決めた背景を西辻GMは「僕たちが提供できる価値、強み、周りのみなさんの期待は何か話し合ってきました」。
「私たちはひたむきに取り組む姿勢、あきらめない気持ちが団結して、家族のような温かいチームだと思います。そういった気持ちに共感してもらい広げていく、その中心にいたい」と説明した。
MISSIONは「活力と感動を。社会に、そして未来に向かって。」となり、VALUEは「Family:チームを、仲間を、社会を築いていく。」「Energy:自らを突き動かし、まわりを突き動かす。」、「Beyond:人種を、世代を、想像を超えていく。」の3つとなった。
「ラムまる」くん。胸には新しいロゴ
また、エンブレムも刷新された。まわりを巻き込み波及する、渦の模様とBlack Ramsを象徴する勇猛な雄羊の角で「ラムカール」をイメージし制作されたという。
今季、どんなラグビーをしたいか聞かれて、ヒューワットHCは「フィジカルな、アタッキングなラグビーをやりたい。そのベースとなるのはエフォート(努力)で、すべてにおいて戦う気持ちが必要です。ファンがブラックラムズを誇りに思ってくれるようなチームにしたい」と意気込みを語った。
また、指揮官は2年目の武井をキャプテンに指名した理由を「僕たちは勝つために集まっています。武井は私と価値観が近く、勝ちたいという気持ちを持っている。話すのも得意ですし、年代の近い選手も多いので、そのグループと前進してもらいたい」と説明した。
目標を聞かれて武井キャプテンは「チームとしては優勝を目指しています。ブラックラムズ東京が最先端を行って、新しいことにチャレンジしたり、いろんなことを巻き込んで、うねりを起こしたりして引っ張っていきたい」と発言。
ヒューワットHCも「ファンもファミリーだと思っているので、試合ではその代表として頑張りたい。みなさんに喜んでもらえるようなパフォーマンスをしたい」と話した。
最後に西辻GMは「みなさんの応援のおかげもあり、新リーグではDivision1で参戦することができました。それはあくまでもスタートラインであって、私たちは日本ラグビー界をリードするチームにしていきたい」。
「みなさんに活力と感動を与えられるよう、ムーブメントを起こせるようにこのチームをリードしていきたい。これからも応援のほどよろしくお願いします」という言葉で締めた。
生まれ変わったブラックラムズ東京は、すでに始動しており、現在、選手それぞれが個人練習の時間に充てているという。9月末からは全員で練習を始めて、数回の合宿と4~5試合の練習試合を経て、来年1月7日(金)の「LEAGUE ONE」の開幕を迎える。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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