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南アフリカA vs. B&Iライオンズ スターティングメンバー
南アフリカに遠征している欧州ドリームチーム「ブリティッシュ&アイリッシュ(B&I)ライオンズ」のウォーレン・ガットランドHC(ヘッドコーチ)は、遠征第4戦の相手に対する警戒心を隠さなかった。
「水曜日に行われる南アフリカ“A”との試合は、今回の遠征が始まって以来、最もタフな試合になるでしょう」
それもそのはず、7月14日(水)に南アフリカのケープタウンで対峙する相手は「南アフリカA」。
テストマッチではないため“A”と区別されるが、チームは南アフリカ代表の本隊。出場メンバー25人中18人が2019年W杯南アフリカ代表であり、7月24日(土)から始まるテストマッチ3連戦の前哨戦と言ってよいだろう。
惜しむらくは、南アフリカが新型コロナウイルス(変異株)の感染第3波に見舞われており、選手やスタッフに感染者が続出していること。
さらにジャック・ニーナバーHCがスタッフ6名と共に7月2日(金)ジョージア戦後に陽性判定となり、今回は19年W杯を指揮した南アフリカ代表のラシー・エラスマスDOR(ディレクター・オブ・ラグビー)が指揮を執る。
南アフリカ代表スターディングメンバー
しかし主力数人を欠いたくらいで、南アフリカの重厚な選手層は揺るがない。南アフリカ“A”のメンバーは圧巻だ。
19年W杯以来1年8か月ぶりのテストマッチとなったジョージア戦からは、先発15人中10人を変更。
ともに19年W杯では獅子奮迅の活躍を見せた世界的スター。SHデクラークは不動の先発としてゲームメイクはもちろんキック戦術、身長170センチとは思えない驚異的な守備力でも貢献した。
そしてWTBコルビは身長171センチながら19年W杯でも唯一無二の俊敏性で突破を量産。決勝戦の後半34分ではイングランドのCTBオーウェン・ファレル主将を抜き去り、優勝を決定づけるダメ押しのトライを決めた。
今回、その19年W杯メンバーで、前戦のジョージア戦に続いて先発を託されたのは5人だ。
PRトレヴァー・ニャカネ、LOエベン・エツベス、LOフランコ・モスタート、FLピーター=ステフ・デュトイ、FBウィリー・ルルーが大一番に先発する。
ゲーム主将はワークレートの高いCTBルカンヨ・アムが務め、司令塔の10番は、12年前のB&Iライオンズ戦に出場しているモルネ・ステイン。
7月11日に37歳になったばかりのSOステインは12年前、途中出場から2本のコンバージョンを決めて形勢逆転に貢献。さらに25-25で迎えた後半ロスタイムには53.7メートルの“勝ち越しサヨナラPG”を決め、伝説を創った。
ノンキャップは、フッカーで先発するパワフルかつ俊敏なジョセフ・トゥエバ、リザーブでロックのニコ・ヤンセ・ファンレンズバーグだ。
指揮をエラスマスDORに預けるニーナバーHCは、メンバー編成について訊ねられると、リーダー陣への期待を語った。
「キャプテンのシヤ(コリシ)はいませんが、モルネ(・ステイン)、ウィリー(・ルルー)、エベン(・エツベス)、トレバー(・ニャカネ)、スティーヴン(・キッツォフ)などの優れたリーダーがいます。彼らの経験が非常に貴重なものになるでしょう」
一方のB&Iライオンズはここまで遠征3連勝。
遠征初戦のシグマ・ライオンズに56-14。セルC・シャークスとの2連戦は54-3、71-31。メンバーを入れ替えつつも1試合平均60得点という高い攻撃力を示している。
B&Iライオンズスターティングメンバー
B&Iライオンズは7月10日(土)のシャークス戦から、先発15人中12人を変更する。
中3日での連戦となるのはSOダン・ビガー(ウェールズ)、CTBクリス・ハリス(スコットランド)、前戦はウイングだったFBアンソニー・ワトソン(イングランド)だ。
キャプテンは堅実なディフェンダーでもあるSHコーナー・マレー(アイルランド)が務め、ウイングにはツアーメンバー最年少20歳のルイス・リースザミットが入った。
なお、怪我をしたSOフィン・ラッセル(スコットランド)のカバーとして追加招集されたフィリピン・マニラ出身のSOマーカス・スミス(イングランド)は、今回出場しない。
B&IライオンズのガットランドHCは、今回の遠征が始まって以来最もタフな試合になると予想した上で、激しいコンタクトとスクラムでのテストを「楽しみにしている」と語った。
超弩級の激突が目撃できる「南アフリカA×ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ」は7月14日(水)深夜2:50からJ SPORTS 1で生中継、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。
実質的に南アフリカ代表とB&Iライオンズのファースト・コンタクト。スクラム、ラインアウトの攻防、豪華スター同士の1対1など興味は尽きない。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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