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ラグビー コラム 2021年6月21日

ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ、オールブラックスに1勝1敗1分。2017年ニュージーランドツアーを振り返る

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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2017年はオールブラックスと3試合戦ったライオンズ

4年に1度行われる、イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドの連合チーム「ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ」の南半球へのツアー。今年は南アフリカに遠征する。

前回は、4年前の2017年6月3日から7月8日にかけて、ニュージーランドへ赴いたが、ライオンズにとって、歴史的快挙を成し遂げた遠征となった。

◆2017年ニュージーランドツアー結果

・6月03日(土) ◯ 13-7  州代表選抜(バーバリアンズ)
・6月07日(水) ● 16-22 ブルーズ
・6月10日(土) ◯ 12-3  クルセイダーズ
・6月13日(火) ● 22-23 ハイランダーズ
・6月17日(土) ◯ 32-10 マオリ・オールブラックス
・6月20日(火) ◯ 34-6  チーフス
・6月24日(土) ● 15-30 ニュージーランド
・6月27日(火) △ 31-31 ハリケーンズ
・7月01日(土) ◯ 24-21 ニュージーランド
・7月08日(土) △ 15-15 ニュージーランド

2013年のオーストラリアツアーに引き続き、ニュージーランド出身のウォーレン・ガットランドHC(ヘッドコーチ)が指揮を執ったライオンズ。

FW(フォワード)はキャプテンのFL(フランカー)サム・ウォーバートン(ウェールズ)を筆頭に、HO(フッカー)ローリー・ベスト(アイルランド)、LO(ロック)アラン ウィン・ジョーンズ(ウェールズ)、マロ・イトジェ(イングランド)らがいた。

BK(バックス)では、SO(スタンドオフ)オーウェン・ファレル(イングランド)、ジョナサン・セクストン(アイルランド)、FB(フルバック)スチュアート・ホッグら、各代表の中心選手41人で臨んだ。

ライオンズは「オールブラックス」こと、ニュージーランド代表とのテストマッチ3連戦の前に、ガットランドHCの息子ブリンが10番で出場したニュージーランドバーバリアンズや、マオリ・オールブラックス、そしてスーパーラグビーの各チームと、計7試合を行った。

ブルーズに16-22、ハイランダーズに22-23と敗れ、ハリケーンズに31-31と引き分けて、ライオンズは4勝2敗1分の成績で、いよいよオールブラックスとのテストマッチに臨んだ。

初戦は6月24日、オークランドのイーデンパークで行われた。ライオンズはキャプテンのFLウォーバートンが外れ、FLピーター・オマーニー(アイルランド)がゲームキャプテンを務めた。

一方のオールブラックスはキャプテンのNO8(ナンバーエイト)キアラン・リード(トヨタ自動車)、LOサム・ホワイトロック(元パナソニック)、ブロディ・レタリック(神戸製鋼)、SH(スクラムハーフ)アーロン・スミス、SOボーデン・バレット(サントリー)、FBベン・スミス(神戸製鋼)ら、2015年ワールドカップ優勝メンバーがずらりと並び、その中に20歳の新鋭WTB(ウィング)リーコ・イオアネが抜擢されたことが話題となった。

試合は、前半拮抗した展開となり、オールブラックスが13分にSOバレットのPG(ペナルティゴール)で先制すると、17分にHOコーディ・テイラーのトライで13-0とリードするが、ライオンズも30分にSOファレルのPG、35分にFLショーン・オブライエン(アイルランド)のトライで8点を返し、オールブラックスが13-8リードして折り返した。

しかし、後半になるとオールブラックスは若きWTBイオアネが14分、29分にトライをあげ、30-8と一気に突き放す。ライオンズは終了間際にSHリース・ウェッブ(ウェールズ)が1本返すのがやっとでニュージーランドが30-15で勝利。

ライオンズ相手に5連勝を達成し、イーデンパークでの23年間無敗、ホーム46連勝の記録を更新した。MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)にはNO8リードが選ばれた。

第2戦は7月1日、ウェリントンのウェストパックスタジアムでキックオフされた。ライオンズはFLウォーバートンが復帰し、セクストンが司令塔を務め、ファレルがインサイドCTBにシフトした。

試合はオールブラックスのSOバレットと、ライオンズのCTBファレルがPGで得点し3-3となった24分、CTBソニー ビル・ウィリアムズがライオンズのWTBアンソニー・ワトソンにショルダーチャージし、一発退場。ニュージーランド代表として50年ぶりのレッドカードとなり、14人での戦いを余儀なくされた。

それでも、9-9で前半を終えると、後半に入ってもオールブラックスが手堅くPGで得点を積み重ね、18-9とリードを広げた。だが、数的有利のライオンズは、後半19分にNO8タウルペ・ファレタウ(ウェールズ)、28分にSHコナー・マレー(アイルランド)のトライで21-21とし、37分にCTBファレルの決勝PGで、24-21と勝利した。

MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)にはライオンズのFLオブライエンが選出された。ライオンズにとって1993年以来となる対オールブラックスの2勝目となった。

1勝1敗で迎えた第3戦は、7月8日にオークランドのイーデンパークでの再選だった。連敗はさけたいオールブラックス、キャプテンのNO8リードの100キャップという節目の試合となった。

前半はオールブラックスがCTBンガニ・ラウマペとFBジョーディ・バレットのトライで12-6とリードした。

後半、ライオンズはCTBファレルとWTBエリオット・デーリー(イングランド)がPGを返していく。残り20分まではSOバレットのPGで15-12とオールブラックスがリードしていたが、37分にCTBファレルが長い距離のPGを決めて、15-15の引き分けとなった。

ライオンズがオールブラックスと通算成績で引き分けたのは、ツアー129年の歴史で初めてのことで、通算成績の引き分け自体も1955年の南アフリカツアー以来のことだった。

ツアー最優秀選手にはテストマッチ3試合にフル出場したCTBジョナサン・デーヴィス(ウェールズ)が選出された。

このオールブラックスとのテストマッチで、ライオンズの選手たちは2019年ワールドカップに向けて大きな手応えを掴んだことは間違いない。実際、準決勝でイングランド代表はオールブラックスに土をつけた。

今年の南アフリカツアーでも、ライオンズは世界王者スプリングボクスに勝ち越して、2023年ワールドカップに向けて、自信をつけることができるだろうか。

文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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