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勝ち星のない日体大と1勝1敗の大東大の対戦
終盤を迎えるラグビー関東大学春季大会。今年はコロナ禍の影響で、従来よりも縮小した形で開催されている。
昨秋の成績によって関東大学対抗戦Aの8チーム、関東大学リーグ戦1部の8チーム、さらに対抗戦Bとリーグ戦2部の1位チームを合わせた計18チームが参加。3チームずつが、A~Cの3つのグループに分かれて「対抗戦vs.リーグ戦」という形で対戦している。
日本体育大学は部員に発熱者が出たため、5月16日(日)の中央大学戦を辞退。第2戦の5月30日(日)は、法政大学(リーグ戦4位)に12-73で大敗してしまった。3戦目のこの試合が春季大会の最終戦となるため、なんとかして勝利して終えたいところだ。
まずは伝統的にランニングラグビーを標榜する「ユニコーンズ」こと、日本体育大学のメンバー見てみよう。
今季も元日本代表でOBの田沼広之監督が指揮を執っており、チームについては「明るく元気に前向きに頑張っていて、勢いを感じている」と話す。今年はスローガンに「challenge」を掲げて強化している。
BK(バックス)はゲームキャプテンFB(フルバック)福島脩登(3年)を筆頭に、2試合目からのメンバー変更はWTB(ウィング)鈴木颯(3年)のみとなった。突破力のあるCTB(センター)クリスチャン・ラウイ(4年)、ゲームをコントロールするハーフ団のSH小林峻也(2年)、SO(スタンドオフ)田中大世(3年)らは引き続いて先発する。
FW(フォワード)は2戦目から5名が同じだったが、LO(ロック)で出場していた身長186cm/体重137kgの巨漢のミキロニ・リサラが右PR(プロップ)として先発する。
ラグビー関東大学春季大会2021 Bグループ
【ハイライト】日本体育大学 vs. 法政大学
他にもルーキーのHO(フッカー)藤田幹太(筑紫出身)、LO當山恭佑(名護出身)の2人も先発する。BKの中心選手の1人である万能BKのハラトア・ヴァイレア(4年)はベンチからのスタートとなる。
日本体育大学としてはセットプレー、ブレイクダウンで有利に持ち込み、ボール保持率を高めつつ、ランニングラグビーでトライを取り切りたいところだ。
次に「モスグリーン軍団」大東文化大学のメンバーを見てみたい。今年も昨年度に続いてOBの日下唯志監督が指揮を執っており、「4年生を中心にまとまってきている」と話す。今年のスローガンは「RISE」を掲げて、FWのセットプレーを鍛えつつ、FW、BK一体となって展開するラグビーを志向している。
筑波大戦では、FWがモール、ボールキャリーでしっかり前に出たことが勝因の1つとなった。FWはキャプテンHO酒木凜平(4年)を筆頭に8人中5人が変わらず、サイモニ・ヴニランギ(3年)はLOからNO8(ナンバーエイト)に下がり、右PRは河村樹来(3年)、右LOはルーキーの佐々木柚樹(八戸工業出身)が先発する。
BKは右CTBペニエリ・ジュニア・ラトゥ(3年)、前の試合でFBを務めていた青木拓己(3年)がSOに上がった以外に、5人のメンバーを替えてきた。SHは昨年度も1年生ながら試合に出場していた稲葉聖馬(2年)が務め、左CTBには1年のハニテリ・フィラトア・ヴァイレア(青森山田出身)が入り、他にもエースWTB朝倉健裕(4年)が復帰を果たしている。
先発15人中8人を替えてきたのは、まだ6月ということで、選手の組み合わせを試している段階ということだろう。それでも筑波大戦同様にFWが接点、セットプレーでしっかり前に出れば、FW、BK一体となったアタックが機能してくることは間違いない。
日本体育大学、大東文化大学とも、今年はそれぞれのリーグで上位に進出し、大学選手権に出場してベスト4を狙っている。春季大会の最終戦で、持ち味や自分たちが用意したプランを遂行して勝利することで、夏合宿、そして秋への本番へとつなげていきたい。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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