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サンウルブズを率いる大久保HC
6月12日(土)に静岡・エコパスタジアムで日本代表(JAPAN XV)と対戦するサンウルブズのメンバー15名が、5月31日(月)に発表された。
日本を本拠地とするサンウルブズは、2016年から5シーズンに渡り、スーパーラグビーに参戦した日本唯一のプロチームで、秩父宮ラグビー場に集ったファンに愛されていたチームだが、2020年シーズンを最後にスーパーリーグから除外され、解散していた。
スーパーラグビーでの5シーズンは通算成績で9勝1分58敗と、なかなか思う通りの結果を出すことはできなかったが、日本代表のコーチ陣に率いられ、個々の選手たちが高いインテンシティーで国際的なゲームを経験、成長したことで、2019年ワールドカップの日本代表の成功、躍進に大きくつながった。
そんなサンウルブズが今回、復活する運びとなり、オンラインで行われたメンバー発表会見に、男子15人制日本代表ナショナルティームディレクター(NTD)の藤井雄一郎氏と、2020年のサンウルブズに続いて、今回もHC(ヘッドコーチ)を務める大久保直弥氏の2人が登場した。
藤井NTD
まず、日本代表の強化を担当する藤井NTDは、日本代表とサンウルブズが試合をすることになった経緯に関して「国内で試合するのもなかなか難しい状況で、なんとか(ブリティッシュ&アイリッシュ・)ライオンズ戦の前に1試合したいということで、しっかり試合をした中で(欧州に)連れていきたいというのもあって、国内で最強のサンウルブズに再結成していただいた」と説明した。
現在、海外組の2人を除く日本代表34名は大分・別府で合宿をしており、そのうち数名は6月8日から静岡で始まるサンウルブズの合宿に合流する予定だ。「セレクションポリシーは日本代表の最初の15人に対して、国内で最も強いチームを作ってもらう」。
「また、とにかく試合時間(プレータイム)を長くしたい。(日本代表で出場する)トップの15人はトップの15人で、(日本代表から)サンウルブズに行く選手は、(日本代表の)23名から漏れたのではなく、試合に出したい、出させたい選手がサンウルブズにいくという認識です」。
サンウルブズ2021のスコッドに入った15名のうち、9名が4月に発表された54名の日本代表候補選手に入ったものの、代表メンバー36名からは漏れた選手であり、日本代表のコーチ陣に大いに自分のプレーを見せつけたいところだ。
藤井NTDは「基本的な欧州遠征の36名は変わらないと思う。(ただ、サンウルブズの選手は)次の11月からの日本代表に向けて十分なアピールな場になる」と話した。なお、サンウルブズのキャプテンは「ミスターサンウルブズ」のFL(フランカー)エドワード・カーク(キヤノン)が務める。
2020年のサンウルブズも率いていた大久保HCは「サンウルブズで仕事できるのは、私も沢木(敬介コーチ)もみんな光栄に思っています。確かに時間的な制約があるが、サンウルブズはもともと、地球3周するようなチームだった」。
「時間ない中で自分たちが何をすべきか、そこをクリアにして、厳しいタフな環境でも戦い続けたのがサンウルブズだと思っている。そういったアイデンティティーを持って日本代表にチャレンジしたい」と意気込んだ。
また、最後のサンウルブズの指揮官だった大久保HCは「サンウルブズの最後シーズンは途中で中断した。最後、日本のファンの前の前での試合がなくなってしまったので、静岡ですがサンウルブズのジャージーを着て戦えることに喜びを感じています」。
「一方で今、(中村)亮土、姫野(和樹)、坂手(淳史)も日本代表の中心ですが、サンウルブズを経てインターナショナルの強度で戦えるという自信をつけて、日本代表に定着している」。
「(サンウルブズで)プレーした選手には、試合の後に何かインターナショナルでやれる確固たる自信、変われる、成長するきっかけ持つことができたら、それだけでうれしい。サンウルブズのファンはたくさんいるので、ファンが喜んでもらえる試合をしないければいけない」とも話した。
また、日本代表に対してどのように戦うのか、という問いに対して大久保HCは「最後のシーズンのスローガン『Keep Hunting』に、80(分)をつけて、『Keep Hunting 80』というスローガンを掲げています。とにかくチェレンジし続ける、トライを常に狙う、ボールを取り戻しにいく。そういった姿勢を80分やることを出る選手には求めたいと思っています。
さらに「(6月26日に日本代表と対戦する)ライオンズが牙をむく前に、オオカミらしい牙のむき方があると思います。(日本代表は)秘策で勝てるような相手ではない。ジェイミー(・ジョセフHC)、ブラウニー(トニー・ブラウン コーチ)が率いる日本代表なので、1週間で毎日、毎日、サンウルブズとして戦う覚悟で臨めば、いい試合ができるかなと思います」と下剋上を誓った。
いずれにせよ、日本代表の最強の15人に、これからを担う日本代表や候補選手たちが中心となるサンウルブズが挑む形となりそうだ。藤井NTDは「(日本代表)スコッドが(両チームの)ほとんどを占めるので、強度の高い試合で、お互いの意地と意地がしっかりぶつかり合えば、合格かなと思います」と期待を寄せた。
サンウルブズは過去に袖を通したジャージーではなく、2021年バージョンの新ジャージーを着る予定だという。6月12日の会場は、くしくも2019年ワールドカップで日本代表がアイルランド代表を破った静岡・エコパスタジアムである。
サンルウルブズが格上である日本代表に牙をむき、チャレンジングスピリットを持ってサプライズを狙っていく。
【リポビタンDチャレンジカップ2021 サンウルブズメンバー】
※印:4月に発表された日本代表候補に入った選手
◆PR(プロップ)
・北川賢吾(クボタ)※
・三浦昌悟(トヨタ自動車)
◆HO(フッカー)
・彦坂圭克(トヨタ自動車)※
◆LO(ロック)
・秋山大地(トヨタ自動車)
・長谷川崚太(パナソニック)※
◆FL(フランカー)
・エドワード・カーク(キヤノン)☆キャプテン
・布巻峻介(パナソニック)
◆SH(スクラムハーフ)
・中嶋大希(NEC)※
◆SO(スタンドオフ)
・前田土芽(NTTコミュニケーションズ)※
・山沢拓也(パナソニック)
◆CTB(センター)
・梶村祐介(サントリー)※
・ディラン・ライリー(パナソニック)※
◆WTB(ウィング)
・ホセア・サウマキ(キヤノン)
◆
・尾崎晟也(サントリー)※
・野口竜司(パナソニック)※
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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