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ラグビー コラム 2021年5月31日

攻守充実!大東大が筑波大に競り勝ち大会初勝利。関東大学春季大会

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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ラグビー関東大学春季大会2021 Bグループ 筑波大学 vs. 大東文化大学

激しいブレイクダウン、スピーディーなワイド攻撃、力強い縦突進。

大東文化大学がアタック、ディフェンスにそれぞれ強みを発揮し、大会初勝利をもぎ取った。

昨季の関東大学リーグ戦で6位だった大東大が5月30日(日)、関東大学春季大会Bグループの2試合目に臨んだ。相手は昨季の関東大学対抗戦の5位で、ここまで1敗同士の筑波大学だ。

埼玉・セナリオハウスフィールド三郷で開催された無観客試合で、鮮やかな先制劇を披露したのはモスグリーンのジャージーだ。

大東大は序盤にセットピースで反則が続いてエリアは後退したが、前半6分、LO塩見成梧が相手ラインアウトでボールをカット。

この攻守交代から鮮やかに右大外へ展開し、振り戻しのアタックで、将来性を感じさせる青森山田高出身の18歳、NO8リサラ・キシナ・フィナウが相手バックスを吹き飛ばしながら縦突進。

さらに順目にボールを運び、HO酒木凜平キャプテンが突破。攻撃の起点となったLO塩見へオフロードパスを通し、奈良・御所実業高の先輩後輩で、先制トライ(ゴール成功)を切り取ってみせた。

大会初戦に続いて先制点を許した筑波大。

キャプテンのFB松永貫汰は、大東大について「接点が強くペネトレートされ、そのままトライにつなげられました。個々の能力が高いチーム」と印象を語った。

しかし筑波大は前半無得点だった大会初戦と違い、今回は失点直後に反転攻勢した。

7点を追いかける筑波大は4分後(前半11分)、相手の反則から敵陣へ。ラインアウトからの近場攻撃でPR木原優作が低いプレーでトライラインを奪取し、悪い流れを断ち切った。

スコアは7-7の同点となったが、大東大は前半21分だった。

苦戦していたラインアウトモールでじりじり前進すると、最後尾にいたHO酒木キャプテンがインゴールへ突進。

わずかなチャンスをモノにするキャプテンのトライ技術で、大東大がさらに7点を追加。HO酒木キャプテンはこの後もジャッカルでピンチを救うなど攻守に活躍した。

ただ筑波大も自陣からボールを保持する大東大に対して、FL梁川賢吉、HO肥田晃季らが激しく身体を張り、守備網を乱さなかった。前半最後は好勝負の様相のまま、大東大リードの14―7で後半へ向かった。

後半は筑波大が迫力のあるアタックで、再三敵陣へ攻め込んだ。CTB松島聡がブレイクダウンでファイトして攻守交代を誘発するなど、ディフェンスでも見せ場を作った。

しかしそのCTB松島が試合後に「アタックで敵陣で攻め込んだが取りきれなかった」と振り返ったように、大東大は自陣での守備力が高かった。

ブレイクダウンに激しいプレッシャーをかけ、筑波大の連続攻撃を止める。FL吉瀬航太の好タックルから、NO8リサラ・キシナ・フィナウのジャッカルもあった。

ようやくスコアが動いたのは後半20分。

筑波大がPG(ペナルティゴール)で14-10と迫ったが、直後に大東大はリスタート後のジャッカルから、ラインアウトモールを組み、HO酒木キャプテンがふたたびフィニッシュ。

ゴール成功で21-10とすると、さらに後半32分にはエリア右のスペースに反応したSO落和史がクイックスタート。ビッグゲインが生まれ、そのまま一気呵成に1トライを加えた。

16点差を追いかけることになった筑波大だが、大東大は途中出場のシアレ・パウラ・タモウアがハイタックルでシンビン(10分間の一時退場)に。

終盤、筑波大は14人となった大東大を攻め立て2連続トライを奪う。

まずは後半38分、スクラムからのロングパスを受けた一口直貴が左隅のスペースを仕留め、さらにロスタイムの後半46分にはFB松永キャプテンのライン参加から、この日フル出場のHO肥田が右隅に走り込んだ。

しかし14人の大東大のディフェンスも随所で光り、大会初勝利は攻守に充実していた大東大が26-20でもぎ取った。

筑波大の嶋崎達也監督は試合後「非常に身体を当てられて選手の経験になった」と、まずコロナ禍における貴重な収穫を歓迎した。

その一方で「取りきるところでスコアできないとこういう展開になる。バックスでスコアする部分がまだ時間が掛かっている。試合を見直して課題を整理したい」と語った。

「1、2試合目と自分達を見つめ直すような試合展開でした。自チームでは体験できないプレッシャーを体験できている。次は勝てるように準備していきたい」

2敗となった筑波大は6月13日(日)、1敗の中央大学と、埼玉・セナリオハウスフィールド三郷で大会最終戦を戦う。ここ2試合の収穫と課題を活かし、大会初勝利を手にしたい。

初勝利を手にした大東大は次戦、同じく6月13日(日)、1敗の日本体育大学と同大グラウンドで大会最終戦に臨む。

スケールを感じさせる戦いを披露した大東大は、秋までにどこまで成長するのか。モスグリーン軍団の飛躍も楽しみだ。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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