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ラグビー コラム 2021年5月28日

筑波大学、法政大学戦で見えた課題。意図したディフェンスを見せたい大東文化大学戦。ラグビー関東大学春季大会

ラグビーレポート by 筑波大学新聞
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筑波大学にとって今季初の公式戦であった5月16日の法政大学戦。チームの目標であった「失点を20点以下で抑える」ことができず、12-34で敗れた。悔しい結果となった初戦から約2週間。チームは法政大戦との敗因を明らかにし、次の大東文化大戦に備え、課題解決のための練習に取り組んできた。

法政大戦では筑波大の連携ミスやハンドリングエラーが目立った。法大にそれらのミスを突かれ、失点した場面もあった。

前半5分には法大のFB(フルバック)石岡玲英(2年・御所実)が持ち前の足の速さで周囲を引き離し、PR(プロップ)河村龍成(3年・明和県央)、WTB(ウイング)坂田龍之介(3年・東海大仰星)とつないで先制トライを決めた。さらに前半33分にWTB坂田が再びトライを決め、得点した。

筑波大は昨年怪我から復帰したSH(スクラムハーフ)鈴木淳史(4年・中部大春日丘)や主将のFB松永貫汰(4年・大産大付)らが積極的に走り、粘り強くアタックする場面もあったが、得点にはつながらなかった。前半は法大に2トライ2ゴールのほか、2本のPG(ペナルティゴール)を許し、20点の失点で終わった。

公式戦デビューを果たした1年生の堀

巻き返しを図った後半では、筑波大は粘り強いディフェンスを見せた。後半5分には左サイドのラインアウトからスムーズにボールをつなぐと、期待の新人、SO(スタンドオフ)堀日向太(1年・中部大春日丘)のパスを受けて、松永が右サイドを疾走。ゴールライン直前、WTB(ウイング)星野孔志朗(2年・福岡)がボールを受けとりトライを決めた。堀が落ち着いてコンバージョンキックを決め、筑波大は7点を返した。

だが、後半14分に法大の主将、NO8(ナンバーエイト)大澤蓮(4年・長崎南山)にトライを決められ、再び点差を広げられる。後半24分には、筑波大がラインアウトからモールで押し続けてトライを決めるも、後半33分に法大に再びトライを決められた。

結局、点差を縮められずに22点差で敗北した。松永主将は「必要な声掛けが途切れてしまった。何とかトライを取りたいという焦りから冷静な判断ができず、ミスが続いて失点につながった」と振り返った。

ラグビー関東大学春季大会2021 Bグループ

【ハイライト】筑波大学 vs. 法政大学

試合後、チームでは「主体的にコミュニケーションをとれていないこと」「FW(フォワード)が連携して複数でアタックできていないこと」「サポート選手が効果的ではないところに入っていくことが多く、相手にボールを取られてしまうこと」などが課題として挙がった。

練習では試合中も先のプレーを考えて互いに声を掛け合うため、わざとチャンスがあるエリアを作り、それを見つけて仲間に伝えたり、スピードを落としてアタックの流れを確認したりするなど課題解決に励んだ。

松永主将は「(翌週の)23日にあった練習試合(流通経済大戦)では主体的に声を出す選手も増え、連携したアタックもできた。負けから学べている」と話し、課題を明確にした練習の成果を実感していた。

ラインアウトが攻撃の起点に

多くの課題が見えた法大戦だったが、筑波大の強みが見られなかったわけではない。前半にはフロントロー、PR(プロップ)木原優作(3年・東福岡)、HO(フッカー)肥田晃季(3年・中部大春日丘)、PR田中希門(2年・中部大春日丘)を中心としたスクラムでのペナルティ奪取や、後半でのラインアウトから一連の流れの中でのトライなど、ストラクチャーでのアタックで起点となったFW陣の活躍が目立った。

嶋崎達也監督は「スクラムやスローイングは昨年と変わらず安定しており、昨年見られなかったラインアウトからモールで得点することもできた。セットプレーからのアタックは今後も強化していきたい」と語る。

次の対戦相手は大東文化大学。先発予定のメンバーにはまだ公式戦に出場したことがない選手も登用する予定だ。法大戦では1年生の堀が自ら切り込む仕掛けやトライのアシストなど活躍を見せたが、次戦では嶋崎監督が「大胆なキックでチームを前に進めてくれる」と期待を寄せる1年生FB浅見亮太郎(流経大柏)の公式戦デビューも見られるかもしれない。

松永主将は「誰が出てもコミュニケーションをとり、つながり続けることの重要性は変わらない。ミスせずにボールをつなぎ続けてトライを取りたい」と闘志を燃やす。嶋崎監督も「法政大戦では意図したディフェンスが出せなかった。次戦では準備してきたコンビネーションを使ったアタックを実践してほしい」と語った。

身長190cm、体重100kg越えの留学生選手を擁する大東大に、筑波大のディフェンスがどこまで通用するか。まずは今季取り組んできたディフェンスに注目したい。

文:車谷郁実(筑波大学新聞)/写真:筑波大学ラグビー部提供

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筑波大学やつくば市内のニューズを扱う、筑波大学公認の新聞。発行は年7回で発行部数は2万部以上。取材や原稿執筆、紙面の作成などは学生中心で行う。»Twitter »Facebook

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