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この日は16人での練習
5月26日(水)、ラグビー日本代表が、2019年ワールドカップ以来となる活動を再開。27日(木)には、大分の別府で行われている合宿が報道陣に公開された。
今回の日本代表は36名。そのうちNO8(ナンバーエイト)姫野和樹、WTB(ウイング)/FB(フルバック)松島幸太朗の海外組の2人は英国遠征から参加する。
23日(日)にトップリーグの決勝を戦った、パナソニック ワイルドナイツの7人とサントリーサンゴリアス6人は、この日は参加しておらず、LO(ロック)マーク・アボット(宗像サニックス)は別メニューで調整。FB山中亮平(神戸製鋼)は体調不良で不参加となり、16名でグラウンド練習をスタートさせた。
また同日、WTB江見翔太がケガのため離脱し、その替わりにWTB高橋汰地(トヨタ自動車)が招集された。
16人の選手たちは8:30頃、現地に着き、30分ほどウェイトトレーニングを行った後、9:10頃にグラウンドに出てきた。参加した選手は下記の通り。
ラグビーワールドカップ2023 特集ページ
【FW(フォワード):7名】
◆PR(プロップ)
・具 智元(Honda、13キャップ)
◆LO
・ヴィンピー・ファンデルヴァルト(NTTドコモ、16)
・ヘル ウヴェ(ヤマハ発動機、16)
・ジェームス・ムーア(宗像サニックス、8)
◆FL(フランカー)
・ピーター・ラブスカフニ(クボタスピアーズ、8)
・リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス、68)◎キャプテン
◆NO8
・アマナキ・レレイ・マフィ(キヤノン、27)
初キャップを目指す荒井康植
【BK(バックス):9名】
◆SH(スクラムハーフ)
・荒井康植(キヤノン、0)
・茂野海人(トヨタ自動車、10)
◆SO(スタンドオフ)
・田村 優(キヤノン、63)
◆CTB(センター)
・シェーン・ゲイツ(NTTコミュニケーションズ、0)
・ラファエレティモシー(神戸製鋼、23)
◆WTB
・シオサイア・フィフィタ(近鉄、0)
・レメキ ロマノ ラヴァ(宗像サニックス、15)
・セミシ・マシレワ(近鉄、0)
◆FB
・ゲラード・ファンデンヒーファー(クボタ、0)
密度の濃い練習を行った
ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)やトニー・ブラウン コーチもまだ参加していないが、S&Cコーチや長谷川慎スクラムコーチらが中心となって指導にあたっていた。16人を青ビブスと黄色ビブスの2組に分け、パスやタックルといった基本スキルとフィットネス練習を交互に、1時間ほどの練習だった。
練習時間は長くはなかったが、内容はハードだった。リーチ キャプテンを筆頭に2019年ワールドカップ組が多かったこともあり、集中力の高い練習に臨んでいた。
リーチは「ティア1のチームという意識を持って行動することを大事にしています。新しい選手や若い選手が入ってきて、そのスタンダードをがっかりさせないように前の代表で経験した選手が、しっかりいい見本になるように意識してやっています」と話した。
フィットネス、フィジカルを中心とした練習だった背景には、コーチ陣がまだ合流していないこともあるが、リーチは「一番フォーカスしないといけないのは、リアクションのスピード、アタックと切り替えのトランジッション、立ち上がるスピードも世界一を目指さないといけない」と語気を強めた。
こちらも初キャップを目指すファンデンヒーファー
グラウンド練習前、リーチが初招集でノンキャップのCTBゲイツ、FBファンデンヒーファーらとパスを交換している姿もあった。リーチキャプテンは「いいチームを作るために、コネクションがどれだけできるかが重要かな。お互いに対してのコネクション、ラグビーだけでなく、兄弟のこととか将来のこととかなんでもいいから、パーソナルのレベルでコネクションを取るのがすごく重要」と説明した。
ワールドカップ組ではなく、ノンキャップの選手がBKに5人いたが、リーチキャプテンは「サンウルブズやNDS(ナショナル・ディベロップメント・スコッド)で顔を知っている選手多くて、最初の恥ずかしい時期がすぐに終わりました」と話し、リーダーの1人、SO田村優は「初日とか、結構難しいことがたくさんあると思ったが、いい練習ができるようにみんなが協力してできている」と、この2日間の練習を振り返った。
チームを引っ張ったリーチと田村
日本代表は別府で10日ほど合宿を行った後、6月12日(土)のサンウルブズ戦を経て、6月26日(土)、スコットランドでブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ、7月3日(土)にはダブリンでアイルランド代表と対戦する。
リーチは「(ライオンズの選手たちにとって)人生の中で大きなイベントです。覚悟を持ってやってくるチームと選手なので、それに負けないように、僕たちもわずかなチャンスで結果を残すことで、自分たちの成長につながる」と話した。
また、田村も「ライオンズと試合するのは、ワールドカップで試合するのと同じくらいの夢というか、ラグビー選手にとってはすごく光栄なこと。すごく楽しみ」と、早くも待ち遠しい様子を見せた。
30日(日)になるとジョセフHCを始め、パナソニックやサントリーの選手も合流し、もっとラグビーに関する練習を増やしていく予定だ。まずは6月12日(土)のサンルウブズ戦に向けて、別府合宿までどこまでチーム力を上げることができるか。
日本代表の司令塔SO田村
田村は「個人的にもチームも、ゲームプラン、スキルレベルをテストマッチをするレベルに上げること」と言えば、リーチも「自分たちの試合をもう1回理解することが大事。あとセットプレーのところ、スクラムを8人で組むことにたくさん時間を使って、スキルフルなBKにボール出すことが大事」と先を見据えた。
いよいよ始動した新生ラグビー日本代表。2019年ワールドカップを経験したリーダー陣が中心となってチームを引っ張っていく。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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