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ラグビー コラム 2021年5月26日

グレイグ・レイドロー、トップリーグでの1年と、B&I・ライオンズvs.日本代表戦を語る

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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日本でキャリアを終えると決めているレイドロー

5月21日(金)、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスの元スコットランド代表SH(スクラムハーフ)グレイグ・レイドロー選手に対し、千葉マツダの大木康正社長から「マツダCX-8」の車両贈呈式が、千葉県市川の千葉マツダ市川支店で行われた。

レイドロー選手はスコットランド伝統のチェック柄のジャケットで登場。妻や男の子2人と一緒に日本で過ごしているため、家族ぐるみの付き合いがあるアキ(=WTB山田章仁選手)のオススメする、海やビーチといった千葉県内のスポットへ向けてのドライブを楽しんでいるとのこと。

この会見の翌日も家族でドライブし、野球の西武ライオンズの試合を観戦に行く予定があるという。

◆トップリーグでの1年を振り返る

日本で初めてのシーズンを終え、印象に残っている試合を聞かれて「一番楽しかったのは(開幕戦で勝利した)Honda(HEAT)戦です。開幕が延期されて待ちに待った試合で、自分のトップリーグのデビュー戦でもあったので大きな意味があった。また、東芝(ブレイブルーパス)戦は東京の真ん中にある秩父宮ラグビー場でプレー出来て、いろんな意味で印象深かった」と振り返った。

来季に向けてレイドロー選手は「今季はシーズンの序盤でキープレイヤーをケガなどで失ってしまった。チームとして新加入の選手や補強が楽しみです。また、Honda戦には(勝利して)いい試合ができたが、連敗が続いて自信を失った。スタイルの明確化ができていなかったので、そこはもう一度見直さないといけない」と課題を口にした。

また、レイドロー選手はNTTコミュニケーションズで、日本でラグビーをすることは「とても光栄で、スコットランドとは違うラグビーをすることと若手の手助けをできることを楽しんでいる」と話した。

日本代表候補にも名を連ねたSO(スタンドオフ)の前田土芽、松尾翔太郎、WTB(ウィング)石井魁らの名を挙げて、「(NTTコミュニケーションズには)成長した若手選手がたくさんいたし、これからも活躍すると思います。練習中から自分たちの向上している部分を明確してチャレンジして成長してほしい」とエールを送った。

◆B&I・ライオンズvs.日本代表戦を語る

レイドロー選手はスコットランド代表でのプレーはもちろんこと、2017年にはブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ(ライオンズ)のメンバーにも選出され、ニュージーランドツアーに参加し、6試合に出場した。

ライオンズはイングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドの各強豪チームから代表選手を選抜した、100年以上の歴史を持つドリームチームだ。すでにスコッドの35名は発表されている。

ライオンズはオーストラリア、ニュージーランド、南アフリカの南半球の強豪3カ国のいずれかに、4年に一度、チームを編成し遠征する。今年は7月から8月にかけて、2019年ワールドカップで王者となった南アフリカへのツアーが予定されている。そして、遠征直前の6月26日にスコットランドのマレーフィールドで日本代表と対戦する。

ライオンズに4度出場した叔父を持つレイドロー選手は、4年前の経験を振り返り「ライオンズに選ばれることはものすごく光栄なことで、自分のラグビーキャリアの頂点とも言える経験でした」。

「もう1つ特別なのは、今回のライオンズは英国国内で日本代表と対戦します。普段はツアーに行ってしまいますが、祖国で試合をするのは初めてなので特別です」。

「先日、(マレーフィールドに)普段は7万人ほど来場しますが、16500人が入ることができるとリリースされました。コロナ禍でもファンが来場できる試合を楽しみにしています」と話した。

また、元スコットランド代表として「(今回のスコッドに)スコットランド代表からライオンズに8人も選ばれているのは素晴らしいことです。FB(フルバック)スチュワード・ホッグ、FL(フランカー)/NO8(ナンバーエイト)ハミッシュ・ワトソン、SOフィン・ラッセルに注目です」と3人のスコットランド代表選手の活躍の活躍に期待を寄せた。

また、日本代表がライオンズに対して、勝つためにどんな試合をすべきかと聞くとレイドロー選手は「日本代表が自分たちのスタイルをすることだと思います。ライオンズは最初の1~2試合は、チームとして練習時間をうまく確保できないことが多いので、日本代表にアドバンテージがある」。

「とはいえ(日本代表戦はライオンズにとって初戦なので)、ライオンズの最初のジャージーを着ることはすごく意味のあることで、かなりエキサイティングに試合をしてくると確実に言えます」と、自身の経験を踏まえて冷静に分析した。

レイドロー選手に贈呈されたマツダCX-8

NTTコミュニケーションズのチームメイトと交流や観光など、もう少し日本での時間を楽しんだ後、レイドロー選手はスコットランドに帰国し、6月26日のライオンズvs.日本代表の当日は現地にいるという。

レイドロー選手は、来季に向けて「プレシーズンが大事」と強調した。しばしの休みで鋭気を養って、再び来日。来年1月から始まる予定の新リーグに備える。

文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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