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ラストシーズンをMVPで飾った福岡
トップリーグ最後の決勝が行われた翌日の5月24日(月)、年間表彰式がオンラインにて行われた。優勝チームから選ばれる「MVP」、また、「ベスト15」「新人賞」「特別賞」が発表された。
最も活躍した選手に贈られるMVPは優勝したチームから選ばれることになっているが、今年は前日の試合で、5度目の優勝を果たしたパナソニック ワイルドナイツのWTB(ウィング)福岡堅樹(初受賞)が選ばれた。
今季限りでキャリアを終える福岡はMVPとともに、WTBとして3季連続3回目となる「ベスト15」も手にして、最高の形で有終の美を飾った。
チームの優勝と合わせて、個人でもトップリーグ「MVP」と「ベスト15」のダブル受賞となった福岡は「最後の自分自身が引退する年に、このような最高の栄誉をいただいて最高です!」。
「残された試合は何試合とか一切考えずに、(ファンに)最高のパフォーマンスをお届けしようと目の前の試合、1試合1試合に集中してやっていました。(今季限りでの)引退を決めていたことが、成長できた要因だと思います」と振り返った。
また、リーグ戦は6試合で7トライ、プレーオフに入っても4試合連続となる7トライを重ねて、今年は計14トライを挙げる決定力を見せた。どのトライが思い出に残っているのか?と聞くと「今季、僕にとって幸せなシーズンでした」。
「1つ1つのトライが、ラグビー人生最後を彩る1つのピースとなっていて、すべてのトライが思い出で、どれも僕の中で全部、貴重なトライでした」と満面の笑顔で締めくくった。
監督やヘッドコーチ、記者による投票で決まる「ベスト15」の顔ぶれは次の通りとなった。11人が初選出というフレッシュな顔ぶれとなったが、やはり11人がベスト4以上のチームから選ばれ、特に優勝したパナソニックから4人、サントリーから3人が選出された。
7季連続で受賞した稲垣
ルーキーイヤーから7季連続での選出となったPR(プロップ)稲垣啓太(パナソニック)は「光栄ですね。あまり賞にはこだわらない方ですが、自分が取り組んできた結果が形に残るのは、自分がやってきたことが正しかったと認識できる。また、この賞をいただいたことで、自分を律してレベルアップしていければいい」と笑顔を見せることなく冷静に話した。
【J SPORTS】ジャパンラグビー トップリーグ 大エンディングVTR
今季のトップリーグを盛り上げたオールブラックスのSH(スクラムハーフ)TJ・ペレナラ(NTTドコモ)、SO(スタンドオフ)ボーデン・バレット(サントリー)、南アフリカ代表のHO(フッカー)マルコム・マークス(クボタ)らは初選出となった。
ベスト15のパレット
128得点でリーグ戦の「得点王」と「ベスト15」に輝いたSOバレットは「非常に素晴らしい選手がいる中で選ばれて光栄です。10番でプレーすることが好きなので、サントリーで10番ができて楽しかった!日本のテンポの速いラグビーが好きで、日本で学んだことをニュージーランドでも活かしていきたい」と白い歯を見せた。
バレットは今季でニュージーランドに戻り、再びオールブラックスを目指す。ただ、「日本に戻ってきてプレーしたい」と何度も話しており、2023年ワールドカップが終わった後、再び日本でプレーする可能性もありそうだ。
また、今季のトップリーグを大いに盛り上げたペレナラはすでにニュージーランドに戻っており、動画を通じて「選ばれたことは特別ですし、チームにとっても素晴らしいシーズンになりました」とコメントした。
#トップリーグ2021 『J SPORTS賞』決定!
— J SPORTS ラグビー公式 (@jsports_rugby) May 24, 2021
皆さまご投票ありがとうございます
リーグ戦5シーンから最も印象的なシーンを募った結果、\エントリーNo2/が見事受賞に輝きました
【J SPORTS賞】#NTTドコモレッドハリケーンズ
第3節 NTTドコモvs.リコー
後半40分 #TJ・ペレナラ 選手のトライ https://t.co/6KBvVzR0oE
なお、リーグ戦7節までの55試合を対象に、J SPORTSが厳選した5つのシーンの中からTwitterで投票を募り、最も印象的なシーンとして「J SPORTS賞」として選ばれたのが、第3節のNTTドコモvsリコー戦、後半40分のTJ・ペレナラのトライとなっている。
トップリーグ2021「ベスト15」
ベスト15
※選考対象選手は、トップリーグ2021第7節終了時点でリーグ戦4試合以上に出場した選手
◆PR
・稲垣啓太(パナソニック/7季連続7回目)
・垣永真之介(サントリー/初受賞)
◆HO
・マルコム・マークス(クボタ/初受賞)
◆LO(ロック)
・ブロディ・レタリック(神戸製鋼/初受賞)
・ルアン・ボタ(クボタ初受賞)
◆FL(フランカー)
・ベン・ガンター(パナソニック/初受賞)
・ピーター・ラブスカフニ(クボタ/初受賞)
◆NO8(ナンバーエイト)
・クワッガ・スミス(ヤマハ発動機/2季連続2回目)
◆SH
・TJ・ペレナラ(NTTドコモ/初受賞)
◆SO
・ボーデン・バレット(サントリー/初受賞)
◆CTB(センター)
・ディラン・ライリー(パナソニック/初受賞)
・マイケル・リトル(三菱重工相模原/初受賞)
◆WTB
・福岡堅樹(パナソニック/3季連続3回目)
・テビタ・リー(サントリー/初受賞)
◆FB(フルバック)
・ウィリー・ルルー(トヨタ自動車/初受賞)
新人賞は竹山(左)と金
注目が高かった新人賞には、WTB竹山晃暉(パナソニック)と、FB金秀隆(クボタ)の2人が選ばれた。昨年のトップリーグがシーズン途中で中止となったため、トップリーグ2020(今季2年目)とトップリーグ2021(今季1年目)の対象選手から、今年、最も活躍した選手を1名ずつ選んだ。
昨年もリーグ戦で7トライ、さらに今年もリーグ戦で6トライを挙げたWTB竹山は「新人賞をいただき嬉しく思います。この賞を目指して入団しました。この賞をいただいて、これをスタートとしてやっていきます。自分の強みを伸ばしていくこともそうですが、課題を克服して成長していきたい。福岡選手のようにディフェンス、強みのキックで貢献したい」と胸を張った。
また、全10試合にフル出場し、クボタのベスト4進出に貢献したFB金は「新人賞に選んでいただき、ありがとうございます。まさか自分がこのような賞に選ばれるとは思っていなかったので、びっくりしました」。
「チームのみなさんや応援していただいたオレンジアーミー(クボタのサポーター)のみなさんありがとうございます!世界レベルの選手と戦えて嬉しかったです。」と緊張した面持ちで話した。
決勝戦に続いて表彰式も終わり、開幕こそコロナ禍で1ヶ月ほど延期されたトップリーグ2021の全日程が終了した。
「His Story,HISTORY.」がコンセプトだった今年のトップリーグは、パナソニックでMVPに輝いた福岡を筆頭に、バレット、ペレナラなどの世界的選手、さらに竹山、金などの若手が大いに活躍を見せて、まさしくトップリーグの歴史にその名を刻んだ。
個人賞
◆最多トライゲッター(10トライ)
・テビタ・リー(サントリー)
・マロ・ツイタマ(ヤマハ発動機)
◆得点王(128得点:6トライ/37ゴール/8ペナルティゴール)
・ボーデン・バレット(サントリー)
◆ベストキッカー(キック成功率87.0%:ゴール90.0%、ペナルティゴール66.7%)
・田村優(キヤノン)
◆マニフレックス賞
・久保修平(初受賞)
※トップリーグ2021において最も優秀だと思われるレフリーに贈られる
特別賞
◆トップリーグ戦通算100試合出場
・平原大敬(神戸製鋼)
・トーマス優デーリックデニイ(三菱重工相模原)
・ニリ・ラトゥ(日野)
・瀧澤直(NEC)
・橋本大輝(神戸製鋼)
◆リーグ戦通算最多トライ(109トライ)
・小野澤宏時(サントリー、キヤノンOB)
◆リーグ戦通算最多得点(1282得点)
・五郎丸歩(ヤマハ発動機)
◆リーグ戦通算最多出場(173試合出場)
・山村亮(ヤマハ発動機)
◆J SPORTS賞
・NTTドコモレッドハリケーンズ
※第3節 NTTドコモvs.リコー、後半40分 NTTドコモのトライ
◆Opta賞
・WTBビタ・リー(サントリー)
※ゲインメーターでトップの718m
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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