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ラグビー関東大学春季大会第2戦、飯沼組の片鱗(へんりん)が見えた。
先制したのは流経大だった。「自分たちのミスで失点した」(FB/フルバック雲山弘貴・政経4=報徳学園)。試合開始直後、パスミスにより約70mの独走トライを許す。
その後も流経大の力強いディフェンスを前にあと一歩がつかめない。それでも、5分には左WTB(ウイング)金昂平(政経1=大阪朝鮮)が自身のキックを起点に一気に敵陣へ攻め込む光るプレーが飛び出す。
「成功と言えば成功ですが、自分の思ったキックではなかった」(金昂)。得点につながることはなかったが、会場を沸かすチャレンジだった。
2トライを挙げた児玉
動きがあったのは前半16分。NO8(ナンバーエイト)福田陸人(法4=国学院栃木)が敵陣ゴール前のラインアウトからのパスを受ける。素早いタックルを受けながらも、果敢に突破を図った。
「(福田)陸人がいいゲインをしてくれて、自分の方にも相手がいなかった」(右CTB/センター児玉樹・政経4=秋田工)と、児玉が空いたスペースを突きグラウンディング。左CTB廣瀬雄也(商2=東福岡)のコンバージョンも決まり、逆転に成功する。
大学公式戦初トライの森山
続く22分にも、敵陣10mライン中央でスクラムからのサインプレーで児玉が連続トライ。その後、すぐに流経大も点を返すが、流れは渡さない。33分には左FL(フランカー)森山雄太(政経2=東福岡)の大学公式戦初トライもあり、35-17で前半を終えた。
後半に入り、最初のトライはリザーブで入ったPR(プロップ)大賀宗志(営3=報徳学園)。ゴール前、敵のディフェンスラインが整う前に素早く自ら持ち出し、12分にグラウンディング。
さらに19分には、敵陣10mラインを起点にパスをつなぎ、CTB齊藤誉哉(文3=桐生一)からボールを受けた森山が、「周りのサポートがありトライができた」と、この試合2つ目のトライを決める。
ラグビー関東大学春季大会2021 Aグループ
【ハイライト】明治大学 vs. 流通経済大学
直後の22分にも、後半開始から3連続目となるトライを右WTB松本純弥(政経4=佐賀工)が挙げ、流経大を引き離す。その後、両チームともに2トライずつを挙げ、ノーサイド。68-29のダブルスコアで開幕連勝となった。
5月の強い日差しが照らし出したのは、始動間もない飯沼組の新たな姿。チームにとって苦しい時間、ベンチから響くのは「”MEIJI TIME”!」の声。
「きつくても、ここからが明治の時間で、もう一段階ギア上げていくぞという意味です」(飯沼)。今試合の目標は、クイックテンポで流経大にフィットネスで圧倒する。ボールを動かし続ける戦術を展開したチームをこの言葉が支えていた。
次戦の相手はセットプレーを強みにする東海大学。「絶対に来る、苦しい時間にどれだけ我慢できるかということが大事」(児玉)。必ず訪れるであろう"MEIJI TIME"。
早稲田大学に圧勝した次戦の相手を前に今度はどんな"MEIJI PRIDE"の姿が見られるのだろうか。
文: 堀之内萌乃/写真:田中佑太(明大スポーツ)
明大スポーツ新聞部
1953年(昭和28年)創部。現在明治大学において唯一の学生新聞部。明治大学体育会43部の競技成績や、学内外の話題を幅広く紙面・WEBサイト上にて掲載、発信。 現在の部員数は56名。
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