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フランスン古豪とアイルランドの強豪が激突
ラグビーの欧州クラブ王者を決める「ハイネケン・チャンピオンズカップ」はいよいよ準決勝を迎える。
フランス・TOP14の古豪ラ・ロシェルは、長らく低迷していたが、2014-15シーズンから1部に定着し、一気に強化が加速。リーグ戦では中断した昨シーズンを除き、5シーズンで2度のベスト4と着実に成績を残してきたチームだ。
ハイネケン・チャンピオンズカップでは、2017-18シーズンのベスト8が最高成績だったが、今季はプールステージで連勝、プレーオフ1回戦ではグロスターに27-16、準々決勝ではセール・シャークスを45-21と、イングランドの両チームを下して初のベスト4へと駒を進めた。
対するレンスターはフランスのトゥルーズと並び、過去最高4度の欧州王者に輝いている強豪で、チームに所属する選手の大半がアイルランド代表経験者だ。
今季もプールステージを連勝して順調にプレーオフに進み、1回戦はフランスのトゥーロンにコロナウィルス陽性者が出た影響で、不戦勝で勝ち進んだ。準々決勝では昨季の欧州王者である、イングランドのエクセター・チーフスを敵地で撃破して4強入りした。
ラ・ロシェルのメンバーから見ていこう。準々決勝のセール戦から1名のみ変更した。FW(フォワード)は、PR(プロップ)レダ・ワルディ、フランス代表のベテランPRウィニ・アトニオ、23歳のHO(フッカー)ピエール・ブルガリットと第1列は同じメンバーが先発する。
LO(ロック)はキャプテンのロメイン・サジーと、元オーストラリア代表ウィル・スケルトンのコンビ。FL(フランカー)はフランス代表キャプテンを務めるグレゴリー・アルドリットと、ケビン・グルドンに替わって南アフリカ出身のウィアン・リーベンバーグが入った。NO8(ナンバーエイト)には元オールブラックスで、33キャップを誇るヴィクター・ヴィトが務める。
ハイネケン・チャンピオンズカップ2020/21 プレーオフ準々決勝
【ハイライト】エクセター・チーフス vs.レンスター
BK(バックス)は、元オールブラックスのSH(スクラムハーフ)タウェラ・カーバローと、スーパーラグビー経験豊富なSO(スタンドオフ)イハイア・ウェストのニュージーランド出身者がハーフ団を構成し、攻撃のタクトを振る。
CTB(センター)はフィジー代表のレヴァニ・ボティアと、ジェフレー・ドゥメルのコンビ、WTB(ウィング)には準々決勝で2トライを挙げたレイモンド・ルールと、ディリン・レイズの元南アフリカ代表経験者が両翼を担っており、FB(フルバック)にはフランス代表のブリス・デュランが入った。
ベンチにも、PRダニー・プリソ、SOジュール・プリソンらフランス代表経験のある実力派が控える。
一方のレンスターはエクセター・チーフス戦からFW1名、BK2名を変えたが、先発メンバー全員がアイルランド代表キャップ保持者である。
アイルランド代表の司令塔でキャプテンも務めるSOジョナサン・セクストンがケガで欠場するため、ロス・バーンが100キャップの節目に10番を背負う。ゲームキャプテンはSHルーク・マグラ―が務めることになった。
FW第1列は、PRキアン・ヒーリーとタイグ・ファーロング、そしてHOローナン・ケラハーが入った。LOは元豪州代表のスコット・ファーディーがリザーブに回り、デヴィン・トナーが4番にシフト、ジェームズ・ライアンが5番に入った。FLにリース・ラドックとジョシュ・ファン デルフリーアーがコンビを組み、NO8はジャック・コナンが先発する。
突進するギャリー・リングローズ
BKはCTBにベテランのロビー・ヘンショウと、ローリー・オラフリンに替わってギャリー・リングローズがコンビを組む。WTBにはエクセター戦で1トライを挙げたジェームズ・ロウ、2トライのジョーダン・ラーマー、そしてFBはヒューゴ・キーナンが入った。
やはり、アイルランド代表選手を揃え、過去の実績と欧州カップ戦の経験値の高いレンスターがやや有利と見られているが、ホームで戦えるラ・ロシェルも総合力の高いチームである。
ラ・ロシェルのディレクター・オブ・ラグビー(総監督)のジョーノ・ギブスはレンスターで6シーズンFWコーチを経験し、ヘッドコーチのローナン・オガーラは元アイルランド代表SOのレジェンドだ。コーチ陣がアイルランドのチームを熟知していることも大きな後押しとなるはずだ。
ラ・ロシェルが初の決勝進出となるか、レンスターが決勝に進出し、5度目の優勝に王手をかけるか。
熱戦間違いなしの準決勝は、5月2日(日)、フランス、ラ・ロシェルのホーム、スタッド・マルセル・デフランドルで、日本時間午後11:00(現地時間午後4:00)にキックオフされる。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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