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ラグビー コラム 2021年4月25日

NTTドコモが初のベスト8、近鉄はホーム花園で散る。トップリーグプレーオフ2回戦の結果

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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NTTドコモ初の8強入りに貢献したSHペレナラ

4月24日(土)25日(日)、トップリーグは全国各地で、負けたら終わりのプレーオフトーナメント2回戦8試合が行われた。カンファレンス下位のチームで勝利したのはキヤノンイーグルスのみで、他の7試合はカンファレンス上位チームが勝利し、8チームが準々決勝に進出した。

25日(日)には4試合が行われた。パロマ瑞穂ラグビー場ではHonda HEAT(レッドカンファレンス6位)と、今季、台風の目となっているNTTドコモレッドハリケーンズ(ホワイトカンファレンス3位)が対戦した。

スクラムで優勢だったHondaが、PG(ペナルティゴール)で先制したが、徐々にNTTドコモペースとなり、26分、FWで近場を攻めた後、左に展開しWTBマカゾレ・マピンピ、39分にはLO(ロック)ローレンス・エラスマスがトライを挙げて14-3で折り返す。

後半、相手にイエローカードが出て、数的有利となったNTTドコモは、17分にSHのTJ・ペレナラがトライを挙げて21-3と突き放す。

15人に戻ったHondaは積極的に自陣からアタックを仕掛け、23分には個人技でWTB生方信孝、27分にはLOフランコ・モスタートがトライを挙げ、13-21と追い上げたが、そのままノーサイド。NTTドコモが初めてベスト8に入り、チームの歴史を塗り替えた。

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江戸川陸上競技場では、NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(レッド4位)とキヤノンイーグルス(ホワイト5位)が激突した。

試合は前半から拮抗した状態となり、キャノンの1点リードで迎えた23分、キヤノンはWTBのSP・マレー、さらにロスタイムにCTBジェシー・クリエルと2本のトライを挙げ、19-6とリードを広げて前半を折り返す。

後半もキヤノンは序盤に相手にトライを許したが、NO8アマナキ・レレイ・マフィの突破からチャンスを作り、最後はFLエドワード・カークがトライ。さらに2トライを加えたキヤノンが、43-13で快勝し、準々決勝に進んだ。

東大阪市花園ラグビー場ではトップチャレンジから唯一、2回戦に進出した近鉄ライナーズ(トップチャレンジ2位)と優勝候補のパナソニック ワイルドナイツ(ホワイト1位)が対戦した。

ホームと風上の後押しを受けた近鉄が序盤は相手陣で戦い、16分にWTBジョシュア・ノーラのトライで先制する。パナソニックはディフェンスからペースをつかみNO8ジャック・コーネルセンが1トライを返すが、7-7のまま前半を終えた。

後半は風上に立ったパナソニックが徐々にペースを握り、23分までに2トライ、3PGを決めて28-7とリードする。残り20分弱、さらにパナソニックはギアを上げると、CTBディラン・ライリー、FB野口竜司が1トライ、WTB福岡堅樹が2トライを挙げて、終わってみれば54-7で快勝した。

秩父宮ラグビー場では、トヨタ自動車ヴェルブリッツ(レッド2位)と日野レッドドルフィンズ(ホワイト7位)が対戦した。

トヨタ自動車は先制トライを許したが、その後、WTBヘンリー・ジェイミーと高橋汰地の両翼がトライを挙げるなどして、21-10で前半を折り返した。

後半、すぐにトヨタ自動車が先にトライを挙げたが、その後は日野が巻き返しを見せて24分までに2トライを返して28-24と4点差に追い上げる。

しかし、その後は地力に勝るトヨタ自動車が3トライを挙げて勝負を決めた。日野もロスタイムにモールでトライを決めたが、試合はトヨタ自動車が49-29で勝利した。

クボタSOフォーリー、タックルされながらトライ

前日の24日(土)にも4試合が行われた。東京・江戸川陸上競技場ではクボタスピアーズ(レッドカンファレンス3位)と、ヤマハ発動機ジュビロ(ホワイトカンファレンス6位)が対戦した。

先制トライは許したものの、前半途中から接点で上回るクボタのペースとなりSO(スタンドオフ)バーナード・フォーリーらが3トライを挙げて、24-7とリードして前半を折り返す。

後半最初、ヤマハ発動機が武器のスクラムでトライを狙ったが、クボタもディフェンスで粘り、得点を許さなかった。その後は再びクボタペースとなり、後半だけでFL(フランカー)ピーター・ラピース・ラブスカフニが、3トライを挙げるハットトリックを達成し、クボタが46-12で快勝した。

愛知・パロマ瑞穂ラグビー場では東芝ブレイブルーパス(レッド5位)とリコーブラックラムズ(ホワイト4位)が対戦した。リコーは先制トライこそ許したが、スクラムで優位に立ち、ペースをつかむとHO(フッカー)武井日向、SH(スクラムハーフ)高橋敏也がトライを挙げ、20-5とリードして前半を折り返す。

後半、東芝も粘りを見せ、WTBジョネ・ナイカブラらが2トライを挙げ、残り10分で17-20と3点差に追い上げる。東芝も逆転を狙い、攻めの姿勢を見せたがトライを取り切れず、逆にリコーは38分、途中出場のSH山本昌太がトライを挙げて試合を決めた。終わってみれば27-24でリコーが接戦を制した。

サントリーのアタックをリードしたSOバレット

東京・秩父宮ラグビー場ではサントリーサンゴリアス(レッド1位)がNECグリーンロケッツ(ホワイト8位)を迎えた。今季、全勝のサントリーは序盤から猛攻を仕掛けてSOボーデン・バレットを筆頭に6トライを挙げて36-5で前半を折り返す。

前半途中でレッドカードをもらい、数的不利になったNECは後半も5トライを取られるものの、最後まで諦めることなく攻め続け、SH中嶋大希がハットトリックを達成するなど意地を見せた。だが、試合は結局11トライを挙げたサントリーが76-31で大勝した。

大阪・東大阪市花園ラグビー場では、三菱重工相模原ダイナボアーズ(ホワイト7位) と、神戸製鋼コベルコスティーラーズ(レッド2位)が対戦した。

前半、神戸製鋼がFB(フルバック)山中亮平、NO8(ナンバーエイト)ナエアタ ルイらのトライで17-3とリードを広げる。三菱重工相模原も相手のパスをインターセプトして、WTB(ウィング)山本逸平がトライを挙げて10-17で前半を折り返す。

後半に入り、地力に勝る神戸製鋼ペースとなり、モールを押し込んだり、ボールを動かしたりする多彩なアタックを見せる。結局、FL橋本らが計6トライを挙げて、結局、神戸製鋼が50-17で快勝した。

トップリーグ プレーオフ2回戦

【ハイライト】三菱重工相模原 vs. 神戸製鋼

これで最後のトップリーグもベスト8が出揃った。準々決勝4試合は2週間後の5月8日(土)9日(日)に行われる

プレーオフ2回戦結果

●東芝 24-27 リコー○
○サントリー 76-31 NEC●
○クボタ 46-12 ヤマハ発動機●
●三菱重工相模原 17-50 神戸製鋼○

●Honda 13-21 NTTドコモ○
●NTTコミュニケーションズ 13-43 キヤノン
●近鉄 7-54 パナソニック○
○トヨタ自動車 49-29 日野●

準々決勝 組み合わせ

◆5月8日(土)
・13:00 トヨタ自動車 vs. NTTドコモ @熊本・えがお健康スタジアム
・15:00 キヤノン vs. パナソニック @埼玉熊谷ラグビー場

◆5月9日(日)
・12:45 クボタ vs. 神戸製鋼 @静岡・エコパスタジアム
・14:00 サントリー vs. リコー @大分・昭和電工ドーム大分

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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