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先週から負けたら終わりトップリーグのプレーオフトーナメントから始まり、4月24日(土)25日(日)は2回戦が行われた。24日(土)、東京・江戸川陸上競技場ではクボタスピアーズ(レッドカンファレンス3位)とヤマハ発動機ジュビロ(ホワイト6位)の注目の一戦が行われた。
優勝を目指すクボタは開幕から5連勝と好調だったが、サントリーサンゴリアス、トヨタ自動車ヴェルブリッツに敗れ、5勝2敗でレッドカンファレンス3位でトーナメントに進出した。対戦相手のヤマハ発動機には、2009-10シーズン以来、トップリーグでは勝ち星を挙げることができていない。
世界最高峰のHO、クボタのマークス
クボタのメンバーを見ると、リーグ戦の最終戦からFW(フォワード)2名、BK(バックス)1名を変更。南アフリカ代表HO(フッカー)マルコム・マークス、日本代表FL(フランカー)ピーター・ラピース・ラブスカフニ、元ワラビーズSO(スタンドオフ)バーナード・フォーリー、元日本代表の主将CTB(センター)立川理道と国際経験豊かな選手を揃えた。
また、今季の日本代表候補に選出されたWTB(ウィング)ゲラード・ファンデンヒーファー、開幕から先発を続けるFB(フルバック)金秀隆らがスターターに名を連ねた。リザーブにもSO岸岡智樹、元オールブラックスCTBライアン・クロッティら強力なメンバーを揃えた。
一方、初優勝を狙うヤマハ発動機は3勝4敗の勝ち点15で、ホワイトカンファレンス6位という厳しい順位となったが、プレーオフで巻き返しを狙っていた。先発はリーグ最終戦からFW3名、BK4名を入れ替えた。今季限りの引退を表明している元日本代表FB五郎丸歩はメンバー外となった。
ヤマハの南アフリカ代表NO8スミス
FWは主将FL大戸裕矢が復帰、3月に立命館大学を卒業したばかりのルーキー庄司拓馬とコンビを組んだ。他には日本代表LO(ロック)ヘル ウヴェ、南アフリカ代表のNO8(ナンバーエイト)クワッガ・スミスらが先発。
BKはSH(スクラムハーフ)吉沢文洋と、SO清原祥がハーフ団を構成、トライ王のWTBマロ・ツイタマがケガのため、12番のシオネ・トゥイプロトゥが11番にシフトし、14番にはWTB伊東力が入った。五郎丸に替わり、FBには3月に帝京大学を卒業したばかりの奥村翔が入った。
ホームのクボタがヤマハ発動機を打ち砕いて準々決勝へ進むのか。それともヤマハ発動機がクボタを退けて、ホーム・静岡で行われる準々決勝への切符を手にするのか。快晴の中、2,033人の観客が見守る江戸川陸上競技で12時にキックオフされた。
前半3分、先制したのはヤマハ発動機だった。ラインアウトを起点にSO清原がスペースにボールを蹴って伊東がトライ。ゴールも決まって7点を先制する。
タックルされながらもトライしたクボタSOフォーリー
クボタも接点で相手の反則を誘って敵陣に入り、12分、CTBテアウパ シオネが突破し、SOフォーリーがトライを挙げて7-7と同点に追いつく。PG(ペナルティゴール)を挟んで、25分には自陣から積極的に展開し、FLトゥパ フィナウが中央にトライを挙げて17-7とする。
さらにクボタは29分、FB金のカウンターから好機をつかむと、ラストパスをヤマハ発動機のFB奥村が意図的にノックオン。ペナルティートライを得て24-7とリードを広げる。これでFB奥村はシンビン(10分間の退場)となった。
数的有利となったクボタは敵陣に攻め込むが、ヤマハ発動機も粘りの守備で、そのまま24-7でハーフタイムを迎えた。
スクラムにこだわりを見せたヤマハのFW陣
後半、先に得点を挙げたかったヤマハ発動機は、敵陣でスクラムのチャンスを得る。スクラムにこだわり、9分間ほど攻めたが、ゴールラインを割ることができなかった。
すると再び、試合の流れはクボタへ。ラインアウトを起点にボールを継続し、最後はFLラブスカフニがトライ。その後、相手のFB奥村にトライを許すが、34分、37分とFLラブスカフニがトライし、ハットトリックを達成した。結局、5トライを挙げたクボタが46-12で快勝し、準々決勝に駒を進めた。
トップリーグ プレーオフ2回戦
【ハイライト】クボタ vs. ヤマハ発動機
敗戦したヤマハ発動機の堀川隆延監督は「前半、スペースにボールを動かせばスコアできると手応えをつかんだ。後半、(相手陣)5mのスクラムで得点を取れなかったのが敗因だった」。
「スクラムを押して得点につなげられればチャンスがあったかな」と悔やみつつも、「今季のレビューをして、来季以降、もっと強いチームを作っていきたい」と前を向いた。
スタンドから試合を見守ったFB五郎丸
引退が決まってしまったFB五郎丸は「30何年かな、長いこと、ラグビーやってきましたが、今日が1つ終わりを迎えたということで、非常に悔しい思いはありますが、セカンドステージの自分自身の大きなモチベーションとして頑張っていきたい」とコメントした。
勝利したクボタのフラン・ルディケHC(ヘッドコーチ)は「結果はとてもハッピーです。立川キャプテンはじめ、選手たちはしっかり貢献してくれた。また、準々決勝に向けてやっていきたい」と満足げに話した。
開幕前に目標に掲げていたトップ4入りまであと1勝に迫ったクボタは、5月9日(日)、静岡・エコパスタジアムで神戸製鋼コベルコスティーラーズ(ホワイトカンファレンス2位)と激突する。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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