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NTTコミュニケーションズ vs. キヤノンスターティングメンバー
2010年度より日本最高峰トップリーグに参戦し、急成長を遂げてきたNTTコミュニケーションズ。
12年度よりトップリーグで戦い、今季新任の沢木敬介監督のもとで上昇を始めたキヤノン。
ノックアウト方式の「トップリーグ2021」プレーオフ・トーナメント2回戦で、上位定着を狙う両軍が激突する。
4月25日(日)に東京・江戸川区陸上競技場で、レッドカンファレンス4位(3勝3敗1分け)だったNTTコミュニケーションズと、ホワイトカンファレンス5位(3勝3敗)だったキヤノンが顔を合わせる。
初の4強入りを狙うNTTコミュニケーションズは、開幕白星でスタートしたものの以後3戦は2敗1分け。しかし白星の停滞を通じて「もう一度自分達を見つめ直す時間ができました」(FL金正奎共同キャプテン)。
第5節からの2試合は、東芝、宗像サニックスを相手に1試合の最大勝ち点「5」を連取。第7節サントリー戦では大敗を喫したが、FL金共同キャプテンは「こうした経験ができたことが大きい。これをどうトーナメントに繋げるかが重要」と語っていた。
プレーオフまでの2週間でどんな準備を積み、本番のキヤノン戦ではどんなプレーを見せるのか。
一方のキヤノンは、3連敗からの3連勝というU字型の軌跡を描いてプレーオフ初戦を迎える。
開幕節でNTTドコモに2点差の惜敗(24-26)を喫し、優勝経験のある神戸製鋼、パナソニックを相手に2試合連続で大敗。
しかしパナソニック戦の前半をロースコア(0-11)で折り返すと、沢木監督は「ファイトする姿勢が見えた」と評価。新主将で21年度日本代表候補のSO田村優も「悲観していない」と語ったが、その言葉を以後の3連勝で証明した。
第4節ヤマハ発動機戦は敵地戦だったが、クイックリスタートなど急襲をメインとした神懸かり的な試合運びを見せ、40-32で今季初勝利。
第5節ではリコーとの「事務機ダービー」も制し、中止となった第6節日野戦を経て、第7節ではNECから11トライを奪って今季最多得点の大勝(71-24)となった。
チーム12年目に入ったFB橋野皓介は第5節リコー戦後に「去年までのイーグルスであれば接戦をものにできずにいましたが、こうしたタフな試合を勝ち切れた。ちょっとずつステップアップしていると実感しています」と手応えを語っていた。
キヤノンスターティングメンバー
原稿執筆時点で出場メンバーは未発表だが、今季NTTコミュニケーションズからキヤノンに移籍した21年度日本代表候補、アマナキ・レレイ・マフィが出場すれば大きな注目を集めるだろう。
キヤノンは同じく21年度の日本代表候補に、サンウルブズのトレーニングスコッド(18年)に選ばれた経験もあるSH荒井康植、前述のとおり好調キープのSO田村も選出されている。
運動量豊富に動き回るフォワード陣では、HO庭井祐輔、PR東恩納寛太、そしてフランカーは名ディフェンダーである2人、エドワード・カーク、杉永亮太の活動量がめざましい。
強烈なランナーが多いバックスは、南アフリカ代表のCTBジェシー・クリエルが攻防自在の中心選手。マイケル・ボンドはセンターやウイングでもプレーできる貴重なパワーランナーだ。
そしてインパクトプレイヤーとして途中出場が多くなっているホセア・サウマキはいつ登場するか。
NTTコミュニケーションズスターティングメンバー
NTTコミュニケーションズでは、80分間ファイトする早大出身のFL金共同キャプテンを筆頭に、もう一人の共同キャプテンであるLO中島進護など、こちらも運動量豊富なファイターが多い。中大卒のPR三宮累はジャッカルもできるスクラメイジャーだ。
FL/NO8リアム・ギルは世界的なジャッカルの名手で、前評判通りの活躍を見せている。筑波大時代からスター選手だった9年目の鶴谷昌隆も随所で決定的なターンオーバーを勝ち取る。
バックス陣は、21年度の日本代表候補が2人。筑波大卒のSO前田土芽と、南アフリカ出身のCTBシェーン・ゲイツだ。
同じく南アフリカ出身のシルヴィアン・マフーザは、センターやフルバックもできるユーティリティ・バックス。ミスが少なく攻守で見せ場を作る。
リーグ戦でチームトップ、リーグ3位タイの9トライを挙げたWTB石井魁も絶好調。チャンスを確実にものにするトライ技術は必見だ。また韓国7人制代表のスターWTB張容興はインターセプトを連発しており要注目の存在だ。
多彩な攻撃を見せる両軍だが、それだけにディフェンスは大きなポイントだろう。フィジカルファイトでしっかり圧力をかけ、素早いセットから一貫性のある守備を見せたい。両軍には好キッカーも多く、キックゲームも見どころだろう。
上位を目指す両軍が激突する「NTTコミュニケーションズ シャイニングアークス×キヤノンイーグルス」は4月25日(日)午前11時45分よりJ SPORTS 1で生放送、J SPORTSオンデマンド限定でLIVE配信される。
急成長する両軍による大勝負。8強進出へ負けられない一戦だ。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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