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スクラム対決に注目
来年から新リーグが始まるため、今年で現行のフォーマットでは最後となるジャパンラグビートップリーグ。4月24日(土)25日(日)はトップリーグのカンファレンス上位も出場する2回戦の8試合が行われる。
24日(土)東京・江戸川陸上競技場では、レッドカンファレンス3位(5勝2敗)のクボタスピアーズと、ホワイトカンファレンス6位(3勝4敗)のヤマハ発動機ジュビロが激突する。
初のトップ4入り、そして初優勝を目指すクボタは開幕から5連勝と好調をキープ。サントリーサンゴリアス、トヨタ自動車ヴェルブリッツには接戦で敗れたものの、5勝2敗で勝ち点25。レッドカンファレンス3位でトーナメントに進出した。
一方、やはり初優勝を狙うヤマハ発動機は、今季は開幕戦で日野に勝利したが、第2節でリコーに惜敗。その後、キヤノンイーグルス、神戸製鋼コベルコスティーラーズに連敗するなど調子が上がらず、3勝4敗の勝ち点15で、ホワイトカンファレンス6位となった。
ホームで戦うことのできるクボタは、トヨタ自動車戦からFW(フォワード)2名、BK(バックス)1名を変更した。
クボタの先発メンバー
FWはPR(プロップ)海士広大と、2年目の山本剣士に替えて前節、スクラムで強さを発揮した新たな日本代表候補の北川賢吾が先発、南アフリカ代表HO(フッカー)マルコム・マークスでフロントローを構成する。LO(ロック)はデーヴィッド・ブルブリングとルアン・ボタ、平均身長2m超えの2人が先発する。
トゥパ フィナウと、日本代表として2019年ワールドカップでも活躍したピーター・ラピース・ラブスカフニの2人がFL(フランカー)を務め、NO8(ナンバーエイト)は、末永健雄に替わってチーム最年長で37歳のバツベイ シオネが入った。
BKを見ると、ハーフ団は変わらずSH(スクラムハーフ)井上大介と元ワラビーズSO(スタンドオフ)バーナード・フォーリーのコンビがゲームコントロールする。CTB(センターは)主将の立川理道とテアウパ シオネが入った。
WTB(ウィング)は2年目ルーキーの山崎洋之に替わり、タウモハパイ ホネティが入り、今年の日本代表候補に選出されたゲラード・ファンデン ヒーファーと両翼を担い、FB(フルバック)はルーキー金秀隆が務める。
リザーブにはルーキーのSO岸岡智樹、元オールブラックスCTBライアン・クロッティら強力なメンバーが控える。
一方のヤマハ発動機は、FW3名、BK4名と大きくメンバーを変えて勝負をかけてきた。
ヤマハ発動機の先発メンバー
FWはPR山本幸輝と伊藤平一郎は変わらないが、HOは平川隼也に替えて、10年目でコーチ兼任の名嘉翔伍が入った。LOマリー・ダグラスが先発に戻って、2019年ワールドカップに出場したヘル ウヴェとコンビを組む。
FLは主将の大戸裕矢が復帰し、この試合がデビュー戦となる立命館大学を卒業したばかりの庄司拓馬とコンビを組む。NO8は南アフリカ代表のクワッガ・スミスが務める。
BKは、SH吉沢文洋とSO清原祥がハーフ団を構成する。CTBが白井吾士矛に替わってヴィリアミ・タヒトゥアが石塚弘章とコンビを組む。リーグ最終戦でWTBマロ・ツイタマがケガしてしまったため、12番のシオネ・トゥイプロトゥが11番にシフトし、14番にはスピードのある伊東力が務める。
FBはパナソニック戦で先発した、今季限りで引退を表明している元日本代表の五郎丸歩がメンバー外となり、帝京大学を3月に卒業したばかりの奥村翔が抜擢された。
ベンチにはリーグ最終戦で素晴らしい働きを見せたFBサム・グリーン、若きLOフレッド・ヒュートレルなどが控える。
クボタのフラン・ルディケHC(ヘッドコーチ)は、リーグ戦のトヨタ自動車戦後の会見で、「この敗戦を学びにして、ノックアウトステージを楽しみに戦って行きたい」と語った。
火曜に行われた会見で語るクボタ立川主将
CTB立川キャプテンは「今までやってきたこと、プロセスを信じて、あまり先を見ず、この一戦に向けてやっていきたい。やはり、セットピースの部分はヤマハさんもこだわっているので、クボタとしてもセットを安定させて自分たちのラグビーをしていきたい」と意気込んだ。
ヤマハ発動機の堀川隆延GM兼監督は「セットピースからのアタックを当然ながら重視しますが、ボールの動かし方は見ての通りトップリーグの中でも一番ボールがワイドに動き、スピーディーに動きます。そこを徹底的に次のトーナメントまでに鍛え上げていきたい」と話していた。
また、FL大戸キャプテンは「負けたら終わりの戦いの中で、どれだけ自分たちのスタイル、自分たちのラグビーができるかをフォーカスしてやっていきたい。リーグ戦6位で、誰も満足している選手はいないので、悔しさをトーナメントでクボタ相手にぶつけたい」と語気を強めた。
スクラムをガンガン押すとヤマハ発動機の山本幸輝
大きな注目点は互いにこだわりを見せているスクラムだ。ヤマハ発動機のPR山本幸輝は「試合重ねるごとに、いいスクラム組めてきて、究極なスクラムができてきた。気持ち入れてガンガン、スクラム押していくので、みなさん注目してください」と自信をのぞかせた。
スクラムに自信を見せるクボタの北川賢吾
一方のクボタのPR北川賢吾は「僕らも今季、スクラムに力を入れて、強力なFWパックを作っているので負けられない。自信を持っているので、自分たちのスクラムを組めれば互角以上に戦えると思います!」と胸を張った。
ホームのあと押しを受けるクボタが、リーグ戦の調子のまま勝利するのか。それとも徐々に調子を上げてきたヤマハ発動機が、フレッシュなパワーも加えて勝ち上がるか。
すでにチケットは完売という負けたら終わりの一戦は、4月24日(土)12:00に東京・江戸川陸上競技でキックオフされる。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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