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東芝vsリコー スターティングメンバー
トップリーグ(TL)優勝5回、準優勝3回を誇る1948年創部の東芝。
TL前身の全国社会人大会で優勝3回、準優勝2回という歴史を持つ1953年創部のリコー。
日本の社会人ラグビーを彩ってきた名門同士が激突し、そして、どちらかがプレーオフ2回戦で姿を消さなければならない。
ノックアウト方式の「トップリーグ2021」プレーオフトーナメント2回戦。
4月24日(土)は、レッドカンファレンス5位だった東芝と、ホワイトカンファレンス4位のリコーが、愛知・パロマ瑞穂ラグビー場で相まみえる。
今季リーグ戦では似た軌跡を描いてきた。開幕5試合は1勝4敗だったものの、その後は2連勝。それぞれ自信を深めてプレーオフの初戦に臨む。
ただ敗戦の内容は異なる。リコーは4敗中3敗が接戦であり、その全てで7点差以内に敗戦に与えられるボーナスポイント「1」を獲得している。
粘り強いリコーらしい結果とも言えるが、21年度の日本代表候補に選ばれた共同主将のFL松橋周平は、リーグ戦の総括で、勝ちきれないという厳しい見方をしていた。
「開幕戦後の4試合がすべて接戦で、4試合中1勝しかできていませんでした。最後にトライを取られて3試合負けている、という現実はあります」
しかしチームスローガンを愚直に徹底することで、その後の2連勝に繋げた実感があるという。
「チームは腐らず常に前を向いて、『BIGGA』をし続けた結果が最後の2試合に現れたのではないかと思います」(リコー・FL松橋)
リコーのスローガン「BIGGA」は「BACK IN GAME,GO AGAIN」の略だ。
自分の仕事が終わったら、すぐ次の仕事に行く。こうした意識は13年度よりリコーの首脳陣を務めてリコーをトップ8に押し上げた神鳥裕之監督の信条のひとつだ。
その神鳥監督は、41-19で快勝した第7節日野戦後、「トップリーグの歴史の中で、我々としてはしっかり勝って終わりたいという思いがある」と語っていた。
ラスト・トップリーグで、名門リコーのプライドを見せたい。
リコースターティングメンバー
リコーの先発メンバーは前戦から変わらない。若い力が台頭しているFW第1列は、帝京大卒の25歳であるPR西和磨、明大卒で共に23歳のHO武井日向とPR笹川大五。
FW第3列はBIGGAの先頭に立つリーグ屈指のハードワーカー。34歳になった15年W杯日本代表のFLブロードハーストマイケル、21年度日本代表候補のFL松橋周平、NZハイランダーズ出身のNO8エリオット・ディクソンだ。
重要なゲームコントローラーは青山学大卒のSH高橋敏也、ランも魅力の新加入SOアイザック・ルーカス。WTBネタニ・ヴァカヤリアはセブンズ王国フィジーで7人制代表経験のある23歳だ。
東芝も2連勝中で右肩上がりだ。
リーグ戦第6節でHondaに53-17で大勝し、第7節は宗像サニックスにアウェーで49-14。2戦連続で3トライ差以上の勝利を収め、1試合の最大勝ち点「5」を連取した。
第7節後の記者会見で、今年度の日本代表候補に選ばれたNO8リーチ マイケルが、チームが復調した理由を語った。
「ブレずにやってきたことが良かった。結果の出なかった試合が数試合あったが、シンプルに『自分達の強みを出すためにはどうしたいいか』という部分にフォーカスして準備してきた」
トッド・ブラックアダーHC(ヘッドコーチ)も連敗をしても「逆に変わらなかったこと」が良かったと振り返る。チームを動揺させず、2連勝に導いた。
東芝スターティングメンバー
東芝は若い編成となった前戦から先発を8人(FW6人、BK2人)変更し、リコーとの大一番に臨む。
フロントローは全員が代わり、関西学大卒のPR金寛泰(キム・ガンテ)、日本代表キャップを保持するHO橋本大吾、同じく代表キャップを持つPR知念雄。
ロックに東芝らしい愚直なLO梶川喬介が戻り、ジャッカルの名手でもあるFLマット・トッド、ハードヒッターである山本浩輝が8番を背負う。
注目は専修大卒の25歳であるSH高橋昴平。
宗像サニックス戦では相手NO8の懐からボールをもぎ取るなど守備でも貢献。日本代表のリーチをして「間違いなく日本で一番タフなスクラムハーフ。絶対日本代表のジャージーを着てプレーしてほしい」と言わしめる。
両センターは東芝らしく厳しいプレーができるフィジカル自慢の2人。ビッグタックルでも魅せるジョニー・ファアウリ、指揮官が率いたNZクルセイダーズのフィニッシャーだったセタ・タマニバル。
そして、21年度の日本代表候補に選ばれた摂南大卒のWTBジョネ・ナイカブラは、ブレイクダウンでも激しいWTB桑山聖生と両翼につく。
見どころの一つはFW戦、特にモールの攻防は注目だろう。リコーは前節日野戦などモールが大きな武器のひとつになっている。FW戦にプライドを持つ東芝は望むところに違いない。
リコーはBIGGAを80分徹底して運動量で上回りたいところ。消耗度を調整可能なゲームコントローラーは腕の見せどころだ。
名門同士の激突となった「東芝ブレイブルーパス×リコーブラックラムズ」は4月24日(土)午前11:45よりJ SPORTS 1で生放送、J SPORTSオンデマンド限定でLIVE配信される。
ラスト・トップリーグに懸ける名門同士の対決。生き残るのはどちらか。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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