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ラグビー コラム 2021年4月12日

ラグビー日本代表、52名の候補選手を発表。ワールドカップ以来の活動再開へ

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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会見を行う藤井雄一郎ディレクター

4月12日(月)、ラグビー日本代表ナショナルチームディレクターの藤井雄一郎氏が会見を開き、2019年ラグビーワールドカップ後としては初となる、2021年度の日本代表候補選手と今後のスケジュールについて発表した。

今回の日本代表候補は52名(FW:29名、BK:23名)が発表されたが、トップリーグの活躍や、ケガ人の状況を確認し、5月24日に35名に絞り、26日から大分・別府合宿を行う。

6月12日に静岡・エコパで強化試合を行い、16日に渡英して、26日、スコットランドで行われる「ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ」戦に備える。その後のテストマッチは国内で開催したい方向で模索しているが、英国にそのまま残って行う可能性もあるという。

「2019年ワールドカップのスタッフのまま臨みたい」とジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)の方針で、コーチ陣はストレングス&コンディショニングコーチ以外は、ほぼ変わらなかった。

7人制でも活躍したサントリーの江見は初キャップを目指す

また、今回発表された52名の日本代表候補を見ると、2019年の日本代表メンバー21名が中心で、ノンキャップが21名、10名が過去のテストマッチに出場したことがある選手となった。最多はサントリーの12人、次にパナソニックの11人で、神戸製鋼が5人、トヨタ自動車が4人となった。

まず、ジェイミー・ジョセフHCは日本ラグビー協会を通して「最後のスコッド発表から長い時間が経ち、ずっと待っていましたが、これから始まるライオンズへの挑戦に、ものすごく胸躍る気持ちです。史上初となるこの対戦は、チームにとって非常に特別な機会となるでしょう」。

「このスコッド発表が、私たちの準備の第1歩となります。2021年のトップリーグでは、素晴らしいチームパフォーマンスがあちらこちらで見られ、チーム同士の争いはこれまで以上に接戦を極めていて、日本ラグビーの成長にとっては素晴らしいことだと思います」。

「ワールドカップ以降、代表から引退したプレーヤーもいれば、個人的な理由で代表選考の対象にならなくなったプレーヤーもいます。これによって、次の選手層にいるプレーヤーたちには、全力をぶつけて代表レベルでプレーできることを示すチャンスが与えられます」。

「今回のスコッドは、経験値のあるプレーヤーと今後代表でプレーしていくポテンシャルを持つプレーヤーのバランスがうまく取れています。これからの2年でチームの層を厚くしていく必要があり、今回のスコットランド遠征はそのスタート地点に過ぎません」。

「トップリーグも終盤に入り、ノックアウト式のプレッシャーの中で最高のラグビーを見せることができるのは、誰なのかがわかるでしょう。35名の最終スコッドは、5月の決勝が終わってから発表したいと思います」と話した。

藤井氏は「2019年ワールドカップが終わって、何度か合宿とか、試合を試みたが、今回は必ず開催しないといけない。基本的には前回ワールドカップに出たメンバーを中心に、新しい選手を含めて、50名強の選手を選びました」。

「(セレクションポリシーは)前回のワールドカップ同様、しっかりプレッシャーの中で正確なプレーができるかどうかが第一で、この選手なら、と頭に置いて選んでいます。(合宿に)全員が集まるというより、この中から35名を集めて合宿して(6月の)ライオンズ戦に向けて準備していきたい」。

「50名の中にはトップリーグで調子良かった選手、見てみたい選手も含まれている。初選出の選手もいるので、どれくらい強度の高い、プレッシャーの中でプレーできるかで見極めていきたい」と話した。

2019年ワールドカップで活躍したHO(フッカー)堀江翔太(パナソニック)、SH(スクラムハーフ)流大(サントリー)の2人が外れたことに関して、藤井氏は「体調が万全ではないことと、外れたわけではなく、随時、体調をみながら、こっちから声をかけていきたい。すごく強いプレッシャーの中で何年もラグビーやってきたので、メンタル的にもう1度、もし出るのであればリフレッシュさせたい」と説明した。

外国人選手に関しては今回、新たに選ばれた選手は、3年居住の条件(コロナ禍により今年まで。来年から5年居住となる)をクリアしているとのこと。ただし、CTB(センター)ディラン・ライリー(パナソニック)のみ、今年の10月に条件をクリアする予定だという。

また昨年、3年居住の条件をクリアしていたが、コロナ禍で帰国した選手も多かったたようで、そのあたりをワールドラグビーと交渉しているが、藤井氏によれば「難しい」とのこと。「帰ったらダメだとみんな知っていた。辛抱できず帰った選手がいた。こっちがストップをかけられなかった。LOマーク・アボットは一度も帰っていない」(藤井氏)。

また、トップリーグで活躍しているが、選ばれなかった選手については、藤井氏は「そこはトニー・ブラウンとジェイミーのやるラグビーにどれだけフィットするかということだったので、選ばれなかったというより、この選手が選ばれたということです」と説明した。

今回、2023年ワールドカップに向け、ようやく日本代表活動、テストマッチが行えることに関しては、強化担当の藤井氏は「強化が決して進んでいるわけではないので、未知の状態です」。

「1試合でも、2試合でもテストマッチをやっている国が先に進んでいる。日本代表は今回のライオンズと他のテストマッチでスタートの位置が決まってくる。そういう意味では、今回のテストマッチでどれくらいの位置にいるかわかると思う」と話した。

2023年に向けて、今回選ばれた選手を中心に強化が進むことは間違いない。すでに35名は「だいたい、ジョセフHCの頭にある」という。だが、選ばれた52名はトップリーグのプレーオフトーナメントでアピールし、まずは合宿メンバーの35名に残りたいところだ。

文/写真:斉藤健仁

2021年度ラグビー日本代表候補選手

☆:2019年ワールドカップスコッド
◎:ノンキャップ
※数字はキャップ数

【FW:29名】

◆PR(プロップ)
◎淺岡俊亮(トヨタ自動車)
☆稲垣啓太(パナソニック/34)
☆ヴァルアサエリ愛(パナソニック/14)
・垣永真之介(サントリー/9)
・北川賢吾(クボタ/3)
☆具智元(Honda/13)
☆中島イシレリ(神戸製鋼/8)
◎クレイグ・ミラー(パナソニック)
◎森川由起乙(サントリー)

◆HO(フッカー)
☆坂手淳史(パナソニック/21)
◎中村駿太(サントリー)
◎彦坂圭克(トヨタ自動車)
・堀越康介(サントリー/2)

◆LO(ロック)
◎マーク・アボット(宗像サニックス)
☆ヴィンピー・ファンデルヴァルト(NTTドコモ/16)
◎長谷川崚太(パナソニック)
☆ヘル ウヴェ(ヤマハ発動機/16)
☆ジェームス・ムーア(宗像サニックス/8)
◎リアキ・モリ(日野)

◆FL(フランカー)
・小澤直輝(サントリー/4)
◎ベン・ガンター(パナソニック)
◎ジャック・コーネルセン(パナソニック)
・松橋周平(リコー/8)
☆ピーター・ラブスカフニ(クボタ/8)
☆リーチ マイケル(東芝/68)

◆NO8(ナンバーエイト)
・テビタ・タタフ(サントリー/3)
◎ナエアタ ルイ(神戸製鋼)
☆アマナキ・レレイ・マフィ(キヤノン/27)
☆姫野和樹(トヨタ自動車&ハイランダーズ/17)

【BK:23名】

◆SH(スクラムハーフ)
◎荒井康植(キヤノン)
◎小山大輝(パナソニック)
◎齋藤直人(サントリー)
☆茂野海人(トヨタ自動車/10)

◆SO(スタンドオフ)
☆田村優(キヤノン/63)
・前田土芽(NTTコミュニケーションズ/4)
☆松田力也(パナソニック/24)

NTTコムCTBゲイツ

◆CTB(センター)
・梶村祐介(サントリー/1)
◎シェーン・ゲイツ(NTTコミュニケーションズ)
☆中村亮土(サントリー/24)
◎ディラン・ライリー(パナソニック)
☆ラファエレ ティモシー(神戸製鋼/23)

◆WTB(ウィング)
◎江見翔太(サントリー)
◎ジョネ・ナイカブラ(東芝)
◎シオサイア・フィフィタ(近鉄)
◎中野将伍(サントリー)
☆松島幸太朗(AMSクレルモン・オーヴェルニュ/39)
☆アタアタ・モエアキオラ(神戸製鋼/4)
☆レメキ ロマノ ラヴァ(宗像サニックス/15)

◆FB(フルバック)
・尾崎晟也(サントリー/3)
・野口竜司(パナソニック/13)
◎ゲラード・ファンデンヒーファー(クボタ)
☆山中亮平(神戸製鋼/18)

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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