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サントリーで2季目の元ジョージア代表指揮官、ミルトン・ヘイグHC(ヘッドコーチ)が試合後に語った。
「アグレッシブ・アタッキング・ラグビーをプレーする日としては絶好のコンディションでした」
4月11日(日)、快晴の東京・駒沢オリンピック公園陸上競技場で開催された「トップリーグ」第7節、サントリー×NTTコミュニケーションズ。
6戦全勝でレッドカンファレンス1位のサントリーは、同4位が確定していた3勝2敗1分けのNTTコミュニケーションズを相手に、スローガン「アグレッシブ・アタッキング・ラグビー」を体現した。
サントリーは「各ポジションで競争を作りたい」(ヘイグHC)という意図もあり、ゲームタイムが多くなかったSO田村熙などを先発器用。
前節からメンバー23人中8人を変更。怪我から復帰の副将、LOトム・サベッジがゲーム主将を務めた。
先発を託された元早大主将、21年度の日本代表候補にも選ばれたSH齋藤直人は、試合に向けた心構えを訊ねられて「メンバーが変わった中でもサントリーのスタイルを貫くことを意識しました。どのエリアからでも攻める、というアグレッシブな姿勢は良かったと思います」。
一方のNTTコミュニケーションズも、前節からメンバー23人中8人を変更。南アフリカ出身のLOルイス・コンラディ、慶大卒のNO8栗原大介が今季初先発を飾った。
どのエリアからでも攻めるサントリーの攻撃的ラグビーは、前半から快調だった。
早大卒のSH齋藤、明大卒のSO田村という早明出身コンビは、的確なスキルでスピーディーな攻撃を指揮。
必ずゲインを切る世界最高峰のセンターの一人であるサム・ケレビ、そしてアシスト役としても成長している21年度の日本代表候補、CTB梶村祐介が、表と裏のプレーで相手守備の足を止めながら、次々にゲインを切っていく。
江見翔太(サントリー)
サントリーは前半3分、こちらも21年度のジャパン候補となったWTB江見翔太が先制トライを奪う。しかしNTTコミュニケーションズもすぐに反撃に転じた。
【ハイライト】サントリー vs. NTTコミュニケーションズ|トップリーグ 2021 第7節
自陣から展開するサントリーのパスを韓国7人制代表のWTB張容興が前半5分にインターセプト・トライ。今季のNTTコミュニケーションズの武器になっているWTB張のパスカットが飛び出した。
サントリーも多士済々のフッカー争いで先発を託された日本代表候補・中村駿太が、移動攻撃をデコイにしてチーム2トライ目。
一方のNTTコミュニケーションズもPG(ペナルティゴール)を返し、序盤はサントリーのリードは4点(14-10)と拮抗した。
ただ前半12分、キックオフボールを直接キャッチしたWTB江見の独走トライから、サントリーは怒濤の4連続トライ。
サントリーの第6節終了時でアタック数値の多くで1位(46トライ、クリーンブレイク数136回、ディフェンス突破数223回、ゲインメータ3,731m)。攻撃力をいかんなく発揮した。
NTTコミュニケーションズも前半38分、CTBシェーン・ゲイツと共に21年度日本代表候補に選ばれたSO前田土芽の突破から、元日体大主将のFB石田大河が反撃のトライ。
同40分にはWTB張のこの日2度目のインターセプト・トライが飛び出し、ハーフタイムをまたぎ、後半5分にはWTB石井魁がショートパントをみずから再獲得する好プレーで3連続トライ。一時は14点差(31-45)に迫った。
しかしサントリーは後半9分にHO中村のスコアを皮切りにトライ・ラッシュをスタートさせる。
後半14分に、同じく代表候補に選出されたPR垣永真之介のトライが生まれると、同23分にはヘイグHCが「ロックとルースフォワード(FW第3列)がプレーできる器用な選手」と評価する新人、早大卒の下川甲嗣が魅せた。
4月1日付けの入社選手として第6節から出場解禁となったばかり。準備はしていたが、いざメンバーに入ると驚きが先行したという。
「2月に合流しました。箸本(龍雅/サントリー)と比べたらまだまだと思ったので、メンバーに入るために練習はしていましたが、『今か』と少し驚きました」
ただピッチでは果敢だった。敵陣ゴール前でもらったペナルティからタップで突進したのだ。
「スクラムが回ってPKをもらって、自分の下にボールがあったので拾ってポイントに行ったら前が空いていました。(早大でも1学年上の)齋藤先輩から『行け』という言葉があったので、行こう思いました」
先輩のアシストもあり、トップリーグ初出場、初めてのボールタッチでのトライという快挙となり、仲間に揉みくちゃにされた。
サントリーはさらにここから4連続トライ。そのうちの3トライは、後半21分に途中出場したNZ代表のSO/FBボーデン・バレット。トップリーグでは自身初だった。
「今日は田村熙にゲームタイムを与え、バレットに休んでもらうプランニングでしたが、20分間で3トライというのは、彼のワールドクラスの実力です」(サントリー・ヘイグHC)
最終スコアは94-31となり、WTBテヴィタ・リーは10トライでリーグ戦トライ数1位タイ。ボーデン・バレットは128得点で得点王に輝いた。
大敗を喫したNTTコミュニケーションズ。ハード-ワーカーのFL金正奎共同キャプテンは、プレーオフ初戦へ向けて決意を語った。
「ここでもう一度学びの多い試合ができました。ここで、こうした経験ができたことが大きい。これをどうトーナメントに繋げるかが重要です。チャレンジャーの気持ちを持ち続けてやっていきたいと思います」
NTTコミュニケーションズのプレーオフ初戦の相手はキヤノン。4月25日(日)、東京・江戸川区陸上競技場が舞台だ。
この日、観客8233人が見つめる中でゲーム主将を務めたLOサベッジの声は、心なしか明るかった。1年前は1回目の緊急事態宣言の最中だった。
「今日が初めてサンゴリアスでゲーム主将をした日でした。結果に満足しています。ノンメンバーも含めて良い練習ができました。観客がいっぱいのスタジアムでプレーできることができて幸せです。今日来て頂いた観客の皆さんに感謝したいです」
1位通過のサントリーは、プレーオフ2回戦から登場。4月24日(土)に東京・秩父宮で、NECと豊田自動織機の勝者と激突する。6度目の頂点へ視界は良好だ。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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