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パナソニックWTB竹山のトライ
ジャパンラグビートップリーグは、4月10日(土)11日(日)にリーグ戦の最終節となる第7節が行われた。10日(土)、埼玉・熊谷ラグビー場では、6勝1分でホワイトカンファレンス首位に立つホームのパナソニック ワイルドナイツが、4位のヤマハ発動機ジュビロを迎えた。
5度目の優勝を狙うパナソニックは、前節こそ神戸製鋼コベルコスティーラーズと、13-13で引き分けたものの開幕から無敗、勝ち点26で首位に立っていた。2位の神戸製鋼との勝ち点差は1で、この最終戦に3トライ以上差で勝利すれば自力で、カンファレンス首位となる試合だった。
一方、初優勝を目指すヤマハ発動機は、前節まで3勝3敗で勝ち点15と4位につけていた。ただ、3位~6位までは僅差で順位争いをしており、できるだけ多くの勝ち点をあげて、なるべく上の順位でトーナメントに進出したいところだった。
パナソニックでの公式戦150試合目となったHO堀江
パナソニックはこの試合に向けてFW(フォワード)4名、BK(バックス)3名を入れ替えた。ゲームキャプテンはこの試合でパナソニックで公式戦150試合出場の節目を迎えたベテランのHO(フッカー)堀江翔太が務め、SO(スタンドオフ)には地元熊谷出身の山沢拓也が先発に入った。
先発も前半途中で退いたヤマハFB五郎丸
ヤマハ発動機のメンバーを見ると、先発はFW2名の変更だった。主将のFL(フランカー)大戸裕矢が欠場して粟田祥平が6番に入り、LOはフレッド・ヒュートレルが先発し、ゲームキャプテンを務めるLOヘル ウヴェとコンビを組んだ。BKはNTTドコモ戦と変更なく、今季で現役引退を表明している元日本代表FB(フルバック)五郎丸歩が2試合連続でスターターに名を連ねた。
快晴の熊谷ラグビー場で、8389人の観客が見守る中、正午にキックオフされた。試合はいきなりパナソニックがチャンスをつかむ。SO山沢のキックパスのボールはこぼれたが、そのボールをWTB竹山晃暉が拾ってトライ、SO山沢がゴールを決めて7-0と先制する。
カウンターで魅せた、パナソニックFB野口
さらにパナソニックは15分、ターンオーバーからCTB(センター)ディラン・ライリーが抜けだしてトライ。28分にはFB野口竜司のキックのこぼれ球をつないで、CTBハドレー・パークスがトライを挙げて21-0とリードする。
連続トライを挙げるヤマハWTBツイタマ.
前半35分、ヤマハ発動機のベンチが動き、FBにサム・グリーンを投入し自陣から積極的にアタックをしかける。それが功を奏して37分、42分とWTBマロ・ツイタマが連続トライを挙げて、12-21と9点差に追い上げてハーフタイムを迎えた。
後半、ディフェンスで落ち着きを取り戻したパナソニックは、6分、ラインアウトを起点にライリーが2トライ目を挙げて26-12。PG(ペナルティゴール)を挟んで、15分にはFB野口のランからチャンスをつかみ、WTB竹山も2つ目のトライ。18分にはCTBライリーがハットトリックとなるトライを挙げて、パナソニックが41-12として勝負を決めた。
医学部生として初トライを挙げたパナソニックWTB福岡
30分、ヤマハ発動機はNO8(ナンバーエイト)クワッガ・スミスが意地のトライを見せた。ただ、パナソニックは最後まで攻撃の手を緩めることなく、36分にはCTBパークス、そして試合終了間際にはゴール前のスクラムを起点に、途中出場のWTB福岡がトライを決め、55-19としてノーサイドを迎えた。:
ホームのパナソニックが3トライ差以上の勝利で勝ち点5を獲得、総勝ち点を31に伸ばして、カンファレンス首位を決めた。MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)には、ハットトリックを達成したパナソニックのCTBライリーが選出された。ヤマハ発動機は、勝ち点を15から伸ばすことができず、カンファレンス6位となった。
ハットトリックでMOMに輝いたパナソニックCTBライリー
ロビー・ディーンズ監督は「1位で通過すると、準々決勝をホーム(熊谷)でできる可能性があり、それを勝ち取れてよかった」と喜んだ。プレーオフトーナメントに向けて指揮官は「準備が非常に大切になる。やるかやられるかの大会となるとリスクを取ったりサプライズもしてきたりする(チームも出てくる)。ディテールにこだわって様々なことを準備していきたい」と先を見据えた。
トップリーグ 第7節
【ハイライト】パナソニック vs. ヤマハ発動機
ゲームキャプテンを務めたHO堀江は、「勝てて良かった。ワイツドナイツで150キャップ、試合前に頑張っていこうという気持ちがあって、いい終わり方ができてよかった」と振り返りつつ、「まだまだ成長する時間があるので、しっかり1試合1試合成長して決勝に進めたらいいかな。あまり先を見ずに、1つ1つ積み重ねていきたい」と気を引き締めていた。
ヤマハ発動機の堀川隆延監督は「試合の内容は見ての通り、完敗です。自分たちのチャンスがものにできず、パナソニックに対してやってはいけないことを自らやってしまった」と悔しさをにじませた。それでも「厳しい結果になりましたが、次のトーナメントに向けて 自分たちは何が必要かコミュニケーションとって準備していきたい」と前を向いた。
ゲームキャプテンのLOヘルも「自分たちのミスからパナソニックが攻めてものにした。(だけど)僕たちはたくさんいいところもあった。次のトーナメントが大事、いろいろ勉強になった。と気持ちを切り替えていた。
ホワイトカンファレンスでトップとなったパナソニックは、プレーオフトーナメントは2回戦からの出場となり、4月25日(日)大阪・花園ラグビー場で、レッドカンファレンスの8位の宗像サニックスブルースと、トップチャレンジ2位の近鉄ライナーズの勝者と対戦する。
6位となったヤマハ発動機も2回戦からの出場となり、4月24日(土)に東京・江戸川ラグビー場で、レッドカンファレンス3位のクボタスピアーズと対戦する。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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