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NTTドコモ vs. 神戸製鋼スターティングメンバー
リーグ戦→決勝トーナメントのフォーマットではプレーオフの結果がすべてだ。仮にプールマッチの成績が振るわなくても、その後のトーナメントを勝ち抜けばタイトルを手にできる。ただそうしたケースは稀で、ことラグビーにおいては、リーグ戦の内容がプレーオフに色濃く反映される傾向が強い。
2月20日に開幕したトップリーグ2021は、今週ではやリーグ戦の最終7節を迎える。勢いに乗ってプレーオフトーナメントに臨むべく、いい形で最終節を締めくくりたいというのは、どのチームにも共通する思いだろう。とりわけホワイトカンファレンス2位の神戸製鋼コベルコスティーラーズと、同3位NTTドコモレッドハリケーンズが激突するこの一戦は、両者にとって重要な意味を持つゲームとなる。
チーム紹介
神戸製鋼は前節、パナソニックワイルドナイツとのまさに注目の全勝対決に13-13で引き分けた。現在の総勝点はパナソニックの26に対し、神戸製鋼は25。この試合に勝利すれば逆転で1位通過の目が残る。
そして、そうした状況を別にしても、「勝たなければならないゲーム」の意識は強いはずだ。相手のNTTドコモは開幕節からの快進撃で前半戦の話題を独占した。しっかりとした内容で叩くことができれば、2週後のプレーオフ初戦に向け大きくはずみがつく。
もちろんNTTドコモも必勝を期して挑んでくるだろう。総勝点は16で神戸製鋼と9点差があり、これ以上順位が上げることはないが、4位のヤマハ発動機ジュビロ(総勝点15)、5位リコーブラックラムズ(同12)とは、今節の結果次第で入れ替わる可能性がある。プレーオフで少しでもいい枠を取るために、勝点4以上がほしいところだ。
何よりこの試合は、今季のNTTドコモの真価を証明する絶好の機会でもある。2018シーズンの王者である神戸製鋼を倒すことができれば、もはや台風の目ではなく堂々の優勝候補の一角だ。
そんな見立てを裏づけるように、発表されたラインアップにはベンチを含めそうそうたる顔ぶれがそろった。
神戸製鋼スターティングメンバー
神戸製鋼では、2018シーズンに優勝の原動力となったグラント・ハッティングとアンダーソンフレイザーが今季初めてメンバー入り。ハッティングは危険なタックルにより出場停止中のナエアタ ルイの穴を埋めるべくNO8に入り、FWにはLOブロディ・レタリック、FLトム・フランクリン主将と合わせて2メートル超のビッグマンが3人並ぶ布陣になった。懐が深くハイボールに絶対的な強さを誇るアンダーソンがWTBに入ることで、ラインアタックのバリエーションも広がるだろう。
NTTドコモスターティングメンバー
NTTドコモはキャプテンのLOローレンス・エラスマスがメンバーから外れたが、HOフランコ・マレー、サンウルブズの活躍でおなじみのPRヘンカス・ファン・ヴィックという南アフリカ出身の2人が並ぶフロントローは、猛烈な推進力を生み出しそう。BKではいまや躍進の象徴となったTJ・ペレナラがゲームキャプテンを担い、2019年ワールドカップを制したスプリングボクスの切り札、WTBマカゾレ・マピンピもスターター入りした。FBトム・マーシャルらも加えたラインは破壊力があり、アタアタ・モエアキオラ、ベン・スミスの両CTBなどこちらも豪華メンバーの神戸製鋼とのBK陣とのマッチアップは、見どころのひとつだ。
この一戦のポイントとして注目したいのは、試合の入り方。前節、NTTドコモはヤマハ発動機の見事な集中力に開始16分で19失点を喫し、追いかける苦しい展開に持ち込まれたことが敗因になった。神戸製鋼も雨で滑るコンディションに苦しみ、持ち味の攻撃力を発揮できなかったパナソニック戦のうっぷんを晴らすべく、キックオフ直後から全開でたたみかけてくるだろう。
土曜日の大阪の天気予報は晴れ。ダイナミックにボールが動き続ける好勝負を期待したい。
文:直江 光信
直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。
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