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ラグビー コラム 2021年4月5日

冬の花園が待ち遠しい。高校ラグビー、今シーズンの主役たち

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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3月25日(木)~31日(金)、埼玉・熊谷ラグビー場を中心に第22回全国高校選抜ラグビー大会が開催された。昨年は新型コロナウィルス感染拡大の影響で中止になったため、新3年生にとっては最初で最後の「春の選抜」となった。

今大会から32チームによるトーナメント制で行われた。1回戦から圧倒的な攻撃力で東福岡(福岡)が4連覇を狙った桐蔭学園(神奈川)を46-31で下し、2016年大会以来、最多となる6度目の優勝を飾った。それではポジションごとに個人的に印象に残った選手を挙げていきたい。

前に出る東福岡PR西野

まずはフロントローのPR(プロップ)だ。左PRではボールキャリア、そしてゴール前で強さを発揮し、先頭に立ってチームを鼓舞したのが、東福岡の西野帆平(3年)だ。決勝でも2トライを挙げて勝利に貢献し、大会MVP級の働きを見せた。

右PRでは2回戦で桐蔭学園に敗戦したものの、昨年度の花園で1年生ながら優秀選手賞の1人に選ばれた京都成章(京都)の森山飛翔(2年)は、より力強さが増していた。今季はチームの中心選手として、さらなる飛躍を遂げそうだ。東福岡の島本京(3年)も近場での力強いプレーが目立った。

そして、セットプレーの要であるHO(フッカー)は、そのセットプレーでの貢献度、突破力と総合力の高かった東福岡の赤星泰成(3年)を推したい。モールからもトライを挙げており、今後もチームの大きな得点源となりそうだ。また、佐賀工業(佐賀)のキャプテン永池海音(3年)もFW(フォワード)を引っ張り、モールからのトライで目立っていた。

決勝後半、桐蔭学園LO小椋のトライ

次にLO(ロック)だ。1人目は桐蔭学園の副将、そしてゲームキャプテンとしてチームを引っ張った小椋健介。常に接点、セットプレーで身体を張り続けて、チームを鼓舞する「リアルロック」だ。決勝戦ではブラインドサイドを突いて、反撃となるトライも挙げた。

他には大分東明(大分)の村上幸太朗(3年)は、エネルギッシュなプレーで若いFWを引っ張った。また、身長173cmと決してLOとしては大きくはないが、天理のキャプテン水流桜花(3年)は身体を張ったプレーでチームの先頭に立った。

バックローでは、攻守で常に前に出て指揮官に「東福岡の(ニュージーランド代表アーディー・)サヴェア」と称されたFL(フランカー)大西一平(3年)。

トライを挙げる大阪桐蔭NO8林

冬の花園でも活躍し、力強いプレーで1回戦では2トライを挙げた流通経済大柏も中川功己(2年)、力強いプレーでベスト4入りに貢献した大阪桐蔭のNO8(ナンバーエイト)林慶音(3年)らの名を挙げたい。

他にも初出場の佐沼(宮城)のキャプテンでリーダーシップを発揮した千葉響、東海大大阪仰星を引っ張った薄田周希、東福岡の茨木颯、蔵森晟、CTB(センター)から、NO8にコンバートされた桐蔭学園の真田隼翔(いずれも2年)らのプレーが印象に残った。

SH(スクラムハーフ)は準優勝の桐蔭学園副将、小山田裕悟(3年)がパス、ランと攻撃的なプレーでチームを引っ張った。昨年度は他のメンバーとの相性もあり、プレー時間が延びなかったが、今季はチームの中心として活躍しそうだ。

もう1人挙げるのであれば、2回戦で常翔学園(大阪)と接戦を演じた茗渓学園(茨城)の高橋佑太朗(3年)だ。パス捌き、スペース感覚に優れた総合力の高い選手で、今季はキャプテンとしてチームを引っ張る。

優勝に貢献した東福岡の楢本

SO(スタンドオフ)はPR西野ともに、MVP級の活躍を見せた優勝した東福岡のBKリーダー楢本幹志朗(3年)だ。パス、ランとスキルが高いだけでなくゲームコントロールと長けており、隙があればランで縦に突く。昨年度から正SOだったが、今季は最上位学年となり、よりチームを引っ張る意識も高い。

他には花園で活躍した京都成章キャプテンの大島泰真、常翔学園の仲間航太、流通経済大柏の蓬田雄、長崎北陽台(長崎)の大町佳生(いずれも2年)、そしてベスト4に入った大阪桐蔭の長田壮平(3年)らは今後もチームを引っ張るはずだ。

12番のインサイドCTBは桐蔭学園の今野椋平(3年)だ。プレースキックの正確さが武器の選手で、昨年度はSOやWTB(ウィング)でもプレーしていた。今季から中学時代にプレーしていたCTBとなり、ゲームコントロール、ボールキャリアとしても際立っていた。

第22回全国高校選抜ラグビー大会 決勝

【ハイライト】桐蔭学園 vs. 東福岡

もう1人、大阪桐蔭のキャプテンの河村ノエル(3年)も攻守でチームを牽引した姿が印象的だった。

13番のアウトサイドCTBは東福岡の平翔太(3年)を挙げたい。もともと縦への突破力に長けた選手で、昨年度の花園でも存在感を示していた。時折、キックを交えるプレーを見せるなど成長を見せた。

大分東明CTBナブラギ

他にも1回戦でハットトリックを達成した東海大大阪仰星の中俊一朗(3年)、敗者戦の秋田工業(秋田)戦で4トライを挙げた大分東明(大分)のナブラギ・エロニ(2年)も存在感を示した。

最後にバックスリーを見ていきたい。WTBの1人目は、文句なしに東福岡の遠藤亮真(3年)だ。決勝ではそのスピードとステップで2トライを挙げる活躍だけでなく、ピンチには相手のパスコースに入ってインターセプトも成功させた。

もう1人、存在感を示したのは桐蔭学園の森田翔大(3年)。スピードのあるしなやかなランで準々決勝では2トライを挙げて勝利に貢献した。

桐蔭学園FB矢崎はまだ2年生

FBも文句なしに、昨年度の花園で1年生ながら優秀選手賞に選ばれた桐蔭学園の矢崎由高(2年)の名を挙げたい。瞬発力、そしてストライドの大きなランでスペースがあれば何度もゲインを繰り返し、決勝では後半2トライを挙げた。今季も桐蔭学園のエースとして躍動しそうだ。

他にも石見智翠館(島根)のキャプテン上ノ坊駿介(3年)もキックとランで後方からチームを支えた。

やはり、圧倒的な攻撃力で他を圧倒して優勝した東福岡の選手のプレーぶりが目立った大会となった。ただ、冬の花園まで9ヶ月ほどあり、新たな1年生も入部してくる。冬の花園で、選抜で活躍した選手がどんな成長を遂げるのかと同時に、また新しい選手の台頭も楽しみに待ちたい。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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