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トップリーグのリーグ戦も残り2節となり、4月3日(土)4日(日)に第6節が4試合ずつ行われた。
レッドカンファレンスでは、サントリーサンゴリアスvs.クボタスピアーズの全勝対決が行われ、サントリーが接戦を制してカンファレンス1位を決めた。
また、ホワイトカンファレンスでも神戸製鋼コベルコスティーラーズvs.パナソニックワイルドナイツの全勝同士が激突。引き分けたため、パナソニックが首位をキープした。
3日(土)、レッドカンファレンスは3試合が行われた。東京・秩父宮ラグビー場ではサントリーvs.クボタの全勝同士が対戦した。
前半、サントリーが接点で優位に立ち、相手の反則を誘って主導権を握る。6-7で迎えた25分、SO(スタンドオフ)ボーデン・バレットのキックパスからチャンスを得て、FB尾崎晟也がトライを挙げ、11-7とリードする。
31分、クボタのSOバーナード・フォーリーがサントリーのSOバレットにキック後にコンタクトしてしまい、シンビンで10分間の退場。
数的有利となったサントリーはそのチャンスを見逃さず、34分、NO8(ナンバーエイト)ショーン・マクマーン、さらに37分は速攻からSOバレットが裏に蹴って、再びFB尾崎がトライし、23-7とリードして前半を折り返した。
後半、PG(ペナルティゴール)で追加点を挙げ、26-7とサントリーがリードした後の14分、クボタはラインアウトを起点にFL(フランカー)トゥパ フィナウがトライ。さらに18分、WTB山崎洋之、29分にはゴール前のモールから、FLトゥパがハットトリックとなる3本目のトライを挙げてついに26-26の同点に追いつく。
MOMも獲得したバレット
しかし、サントリーは38分、ラインアウトを起点に攻撃を重ね、FBへとポジションを替えていたバレットがトライを挙げ、33-26で勝利を収めた。
大阪・東大阪市花園ラグビー場では三菱重工相模原ダイナボアーズと3位のトヨタ自動車ヴェルブリッツの試合が行われた。上位争いを演じているトヨタ自動車はPGで先制されたものの、7分にはターンオーバーから最後はCTBチャーリー・ローレンス、11分にはFL(フランカー)マイケル・フーパーがトライを挙げ、14-3とリードする。
一方、三菱重工相模原はNO8ヘイデン・ベッドウェル カーティスがトライを挙げるが、トヨタ自動車は26分、スクラムを起点にCTBマレ・サウ、29分に裏へのキックをキャッチしたWTBヘンリー ジェイミー、33分にはいい角度で走り込んできたがWTB岡田優輝がトライを挙げた。
この後、三菱重工相模原がトライを加えたが、33-15でトヨタ自動車がリードして前半を折り返した。後半はお互いに1本ずつトライを挙げ、40-22となり終盤を迎える。40分、三菱重工相模原が意地を見せて、NO8ベッドウェル-カーティスがトライを挙げたが、トヨタ自動車が40-29で勝利した。
高知・春野総合運動公園陸上競技場では雨の中、NTTコミュニケーションズvs.宗像サニックスブルースが行われた。前半からNTTコミュニケーションズが、FW(フォワード)戦で優位に戦いペースをつかみ、6分、モールからHO山口達也が押さえて先制。
15分にも再びモールからNO8リアム・ギル、24分には右ライン際を突破したWTB石井魁がトライ。37分にはWTB張容興が相手パスをインターセプトし、そのままトライ。28-0とリードする。
後半は展開力に長けた宗像サニックスが反撃する。前半3分にはCTBトニシオ・バイフ、8分には途中出場のWTBカーン・ヘスケスがトライを挙げて14-28と追い上げる。その後、お互いトライを挙げたが、35分にNTTコミュニケーションズのSOフレッチャー・スミスがインターセプトからトライ。40-21と勝負を決めた。
4日(日)、東大阪市花園ラグビー場では、Honda HEAT vs.東芝ブレイブルーパスが行われた。先制を許したものの、東芝は9分、モールからNO8山本浩輝が押さえ、ゴールも決まって7-5と逆転に成功。
12分には右サイドでショートパスをつないでWTBジョネ・ナイカブラがトライ。前半終了間際にはCTBセタ・タマニバルが縦に突破しトライを挙げ、東芝が25-10で折り返す。
後半も東芝ペースで試合が進み、FLリーチ マイケル、佐々木剛らが4トライを加えた東芝が53点まで伸ばす。一方のHondaは後半、WTB尾又寛汰の1トライしか挙げることができず、東芝が53-17で快勝した。
レッドカンファレンスは第6節を終えて、サントリーが首位通過を決めた。2位にクボタ、3位にトヨタ自動車が続いており、最終節の直接対決で雌雄を決する。NTTコミュニケーションズの4位も決まった。
◆レッドカンファレンス 第6節結果
○サントリー 33-26 クボタ● MOM:ボーデン・バレット
●三菱重工相模原 29-40 トヨタ自動車○ MOM:チャーリー・ローレンス
○NTTコミュニケーションズ 40-21宗像サニックス●MOM:石井魁
●Honda 17-53 東芝○ MOM:セタ・タマニバル
◆レッドカンファレンス 順位
1位 サントリー 勝ち点29
2位 クボタ 24
3位 トヨタ自動車 24
4位 NTTコム 17
5位 東芝 11
6位 三菱重工相模原 6
7位 サニックス 5
8位 Honda 1
3日(土)、ホワイトカンファレンスでは大阪・万博記念競技場でヤマハ発動機ジュビロvs. NTTドコモレッドハリケーンズの1試合が行われた。序盤からヤマハ発動機がテンポのいい攻撃を見せて主導権を握る。
前半5分、LOヘル ウヴェ、12分にはWTBシオネ・トゥイプロトゥがトライ。15分にはFB五郎丸歩がゲインし、最後はフォローしたCTB石塚弘章がトライを挙げて19-0とリードする。20分、ようやくNTTドコモはモールからPR北島大がトライを挙げて、7-19と反撃する。しかし、ヤマハ発動機も37分、モールからPR伊藤平一郎が押さえて、26-7として前半を折り返した。
後半、先に得点を挙げたかったNTTドコモだが、6分、マカゾレ・マピンピがインテンショナル(デリバリー)ノックオンでシンビン。しかもヤマハ発動機にペナルティトライを与えてしまい、7-33と大きくリードを許す。
しかし、数的不利のNTTドコモは、8分にSHのTJ・ペレナラからCTBサミソ二・トゥアへパスが通りトライ。さらに11分にはキャプテンLOローレンス・エラスマスが自らラックから抜け出し、さらにキックからそのままトライし、21-33と追い上げる。
しかし、反撃もここまで。その後は互いに得点を挙げることができず、ノーサイド。ヤマハ発動機が33-21で勝利した。
4日(日)、レッドカンファレンスは3試合行われる予定だったが、日野レッドドルフィンズにおいて、1名の新型コロナウイルス感染症陽性者が確認された影響で、日野vs.キヤノンイーグルスは中止となり、代替試合は行われず、両チームに勝ち点2が加算された。
兵庫・神戸総合運動公園ユニバー記念競技場では、神戸製鋼vs.パナソニックの全勝同士が激突。雨中の試合ということで、ラインアウトのミスやノックオンが多く、なかなか試合が動かない。前半パナソニックはスクラムで優位に立ったが、トライに結びつけることができず、前半は2PGずつ決め、6-6で折り返した。
雨のため、いい形で福岡にボールは回らず
後半、先にトライを挙げたのはパナソニック戦15連敗中の神戸製鋼だった。3分、モールを押し込んだ後、SOヘイデン・パーカーが右オープンにキックパス。そのボールをWTB井関信介がキャッチし、そのままトライ。SOパーカーが難しい角度のゴールを決めて、13-6とリードする。
パナソニックも11分、スクラムからSH内田啓介が抜けだし、中央にトライ。SO松田力也のゴールも決まり、13-13の同点に追いつく。その後、神戸製鋼は37分にPGのチャンスを得たが、SOアーロン・クルーデンが外してしまう。そして、パナソニックも試合終了間際、WTB山沢拓也が抜け出し足にかけたがデッドボールラインを割ってしまい、試合は13-13で引き分けとなった。MOMにはこの試合がトップリーグ100試合目となった神戸製鋼のFL橋本大輝が選ばれた。
東京・秩父宮ラグビー場ではNECグリーンロケッツとリコーブラックラムズが対戦した。前半はスクラム、モールでリコーが優位に立つ。
前半6分、スクラムを起点に、最後はFLブロードハースト マイケルがトライ。12分にはモールを押し込んだ後、最後はWTBキーガン・ファリアがトライ。26分にはボールを動かし、LOジェイコブ・スキーンがトライを挙げて、リコーが22-3とリードして前半を折り返す。
後半は2本ずつトライを取り合う展開となるが、最後にリコーのWTBネタニ・ヴァカヤリアがトライを挙げて、そのままリコーが37-15で勝利した。
第6節を終えてホワイトカンファレンスは、パナソニックと神戸製鋼が優勝争いを演じており、最終節で首位が決まるが、勝ち点、得失点ともに上回っているパナソニックがやや有利か。開幕から6連敗となったNECは最下位が決まった。
◆ホワイトカンファレンス 第6節結果
○ヤマハ発動機 33-21 NTTドコモ● MOM:伊藤平一郎
△神戸製鋼 13-13 パナソニック△ MOM:橋本大輝
●NEC 15-37 リコー○ MOM:ブロードハーストマイケル
日野 中止 キヤノン
◆ホワイトカンファレンス 順位
1位 パナソニック 勝ち点26
2位 神戸製鋼 25
3位 NTTドコモ 16
4位 ヤマハ発動機 15
5位 リコー 12
6位 キヤノン 11
7位 日野 7
8位 NEC 1
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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