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ラグビー コラム 2021年4月4日

【ハイライト動画あり】サントリー、激戦となったクボタとの全勝対決に勝利。トップリーグ第6節

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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本来のポジションであるCTBで躍動したサントリーの中野

ジャパンラグビートップリーグは、4月3日(土)4日(日)に第6節を迎え、3日(土)東京・秩父宮ラグビー場では、2017-18シーズン以来の王者を目指すレッドカンファレンス首位のサントリーサンゴリアスと、初優勝を目指す2位のクボタスピアーズの全勝同士が激突、試合は最後まで白熱した展開となった。

サントリーは前節、負けなしだったトヨタ自動車と対戦し、39-36と接戦を制して5連勝。勝ち点25として首位に立っている。

先発はトヨタ自動車戦から、負傷したNO8(ナンバーエイト)テビタ・タタフが欠場し、先週はFL(フランカー)に入っていたショーン・マクマーンがNO8に回るなど、FW(フォワード)4名を変更した。

BK(バックス)は日本代表SH(スクラムハーフ)流大、現在得点ランクトップのオールブラックスSO(スタンドオフ)ボーデン・バレット、キャプテンのCTB(センター)中村亮土、9トライを挙げてトライランク首位タイのWTB(ウィング)テビタ・リーらが引き続き先発した。

対するクボタは、前節は三菱重工相模原を32-17で退け、開幕からチーム初となる5連勝で、勝ち点23。勝ち点「2」の差でサントリーを追って2位につけている。

クボタは三菱重工相模原戦から、FW2名の先発を変更した。それでも現役南アフリカ代表HO(フッカー)マルコム・マークス、LO(ロック)ルアン・ボタ、FLピーター・ラピース・ラブスカフニら、強力なメンバーが並んだ。

BKも前節MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)のSH井上大介と、SOバーナード・フォーリーのハーフ団、CTBはキャプテン立川理道、WTBには山崎洋之とゲラード・ファンデンヒーファー、FB金秀隆らが先発。

4月に入部、最速デビューを果たしたクボタSH藤原

さらに、昨年度の大学選手権で優勝し、3月に天理大学を卒業したばかりのルーキーSH藤原忍がリザーブに名を連ね、トップリーグ初出場をうかがった。

サントリーがレッドカンファレンス1位を決めるか、それともクボタが2004年度以来、3度目となるサントリー戦勝利となるのか。快晴の東京・秩父宮ラグビー場で、8,747人の観客が見守る中、午後2:00にキックオフされた。

サントリーSOバレットの先制PG

試合序盤、サントリーはブレイクダウンで、攻守ともに2人目の寄る選手の意識が高く、相手の反則を誘う。前半4分、サントリーはSOバレットがPG(ペナルティゴール)を決めて、3-0と先制する。

クボタも得意のセットプレーから圧力をかけて、16分、相手ゴール前でモールを組み、最後はラックからFLトゥパ フィナウが押さえてトライ。SOフォーリーのゴールも決まり、7-3と逆転に成功する。

しかし、接点で優勢に立っていたサントリーは焦ることなく、19分にPGで3点を加えた後、25分にはモールを押し込んだ後、SOバレットが左オープンにキックパス。WTBリーが競り合い、最後はこぼれたボールをFB尾崎晟也が拾って押さえ、11-7と逆転する。

31分、サントリーSOバレットがキックを蹴った後、クボタのSOフォーリーがコンタクトしてしまい、シンビン(10分間の退場)となってしまう。数的有利となったサントリーはそのチャンスを見逃さなかった。

34分、練習で好調だったというWTB江見翔太がラインブレイク。チャンスを作り、フェーズを重ねて最後は左サイドにいたNO8マクマーンが抜け出してトライ。

バレットのキックからトライを挙げるサントリーFB尾崎

さらに37分、反則からSH流が仕掛けて、SOバレットがすかさず裏のスペースにキック。そのボールをFB尾崎が拾って飛び込んでトライ。ゴールも決まって、サントリーが23-7とした。一方のクボタは前半終了間際のPGを決めることができず、スコアはそのままでハーフタイムを迎えた。

後半、規律とディフェンスラインの飛び出しを修正したクボタだったが、なかなか得点を奪えず、逆に反則からPGのチャンスを与えてしまい、サントリーが26-7とリードを広げる。

この試合、2本目のトライを挙げるクボタFLトゥパ

しかし、オレンジのシャツを着たファンの前で、クボタが素晴らしいアタックを見せる。14分、ラインアウトのモールを形成し、ラックになった後、展開しFLトゥパが力強いランでトライ。ゴールも決まって14-26と反撃を開始する。

トップリーグ2021 第6節

【ハイライト】サントリー vs. クボタ

18分には自陣から攻撃を展開し、最後はWTB山崎洋之がトライ。29分にはゴール前のモールからFLトゥパがこの日、ハットトリックとなる3本目のトライを挙げて、ついに26-26の同点に追いつく。

しかし39分、サントリーはラインアウトを起点に攻撃を重ねて、途中出場のSO田村熙、FBに入っていたバレットとパスがつながり、バレットがスピードを活かしてトライ。ゴールも決まって33-26と再びリードする。

クボタのモールを押し出したサントリー

クボタもロスタイム、相手陣22mからモールを組んだが、サントリーもディフェンスで意地を見せて、相手を押し出し、そのまま33-26で勝利。MOMは決勝トライを挙げたSOバレットが選出された。これでサントリーは開幕6連勝となり、レッドカンファレンス1位を決めた。

後半、3トライを重ねたが、連勝がストップしてしまったクボタのフラン・ルディケHC(ヘッドコーチ)は、「こういう素晴らしい試合をサントリーさんとできて良かった。ファンも来ていただいて日本のラグビーの成長が見られたと思います」と好試合を振り返った。

そして、「ハーフタイムで修正できたのはポジティブにとらえているが、勝てなかったのは残念で。我々はどんどん良くしていくだけですし、成長の過程をはかるには大事な試合だったが、次戦のトヨタ戦に向けてしっかり準備していきたい」と先を見据えた。

攻撃的なランでゲインしたクボタWTB山崎

キャプテンのCTB立川も「前半、なかなか波に乗れなかったが、後半しっかり切り替えて追い上げられたのは成長の証だと思います。この敗戦を次のトヨタ戦、プレーオフにつなげていきたいと思います」と前を向いた。

前節に引き続き接戦を制し、首位通過を決めたサントリーのミルトン・ヘイグHCは、「とてもハードな試合でした。自分たちが一番大切にしているバリューに『ネバー・ギブアップ』があります。最後の最後までボールを動かして最後トライをとることができたのは、そのバリューを体現してくれているからであり、結果としてよかった」と目を細めた。

サントリーの主将CTB中村

キャプテンCTB中村は「勝ちはしましたが、課題も見つかったので、もう1回いい準備して1つ1つ積み上げていきたい」と反省も忘れなかった。

また、MOMに輝いたSOバレットは「パスをくれた(田村)煕がいい仕事をしてくれた。今日みたいな状況では直感が大事で、煕のおかげで相手のスペースにいいラインで走りきってトライを取ることができた」と破顔した。

J SPORTS 放送情報

7点差以内の敗戦で勝ち点1を獲得し、5勝1敗で勝ち点を24としたクボタは、4月11日(日)のリーグ最終戦は、レッドカンファレンス2位をかけて、勝ち点で24と並ぶトヨタ自動車と大阪・花園ラグビー場で対戦、勝利した方がカンファレンス2位となる。

6連勝で勝ち点29とし、トヨタ自動車とクボタ両チームに勝っているためカンファレンス1位を決めたサントリーは、4月11日(日)、東京・駒沢オリンピック公園総合運動場で、こちらも4位が決まったNTTコミュニケーションズシャイニングアークスと対戦する

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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