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ラグビー コラム 2021年4月2日

因縁の戦い。名門トゥールーズは天敵マンスターから18年ぶり勝利なるか。ハイネケン・チャンピオンズカップ

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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マンスター(アイルランド) vs. トゥールーズ(フランス)

フランスラグビーの中心地、南部の大都市トゥールーズ。

同地を拠点とするスタッド・トゥールーザンは、フランス国内最高峰「TOP14」で優勝20回、そしてヨーロッパのクラブ王者を決める「ハイネケン・チャンピオンズカップ」を4度制している名門クラブだ。

フランスラグビーはそんなトゥールーズが王朝を築いた南部を中心に発展してきた。首都パリを含む北部は比較的強豪が少なく、パリ以北になるとTOP14チームはおろか国内2、3部チームも皆無となり、ラグビー不毛の地と言ってもよい。

そんなリーダー的存在のトゥールーズにも天敵は存在する。

アイルランドのマンスターだ。

2度のチャンピオンズカップ優勝を誇る強豪との通算対戦成績は、マンスターの4勝2敗と分が悪い。

しかもトゥールーズはチャンピオンズカップで現在3連敗中(08、14、17年)であり、勝利は18年前の準決勝(03年4月26日/13-12)まで遡らなければならない。

輝かしい戦績からは想像しづらい、屈辱の3連敗だ。

08年の決勝戦では7万4417人の大観衆の前で優勝をさらわれ、14年は47失点して敗戦、17年は25点差(16-41)で大敗した。

そして前回対戦で辛酸をなめた舞台が、マンスターの本拠地トモンドパーク(アイルランド、リムリック)だった。

今大会、同地で開催される4月3日(土)のプレーオフ1回戦で、トゥールーズは大会18年ぶりのマンスター撃破を目指す。

今季のチャンピオンズカップは、欧州強豪6か国(イングランド、アイルランド、スコットランド、ウェールズ、フランス、イタリア)の24チームが2組に分かれ、上位8チームがプレーオフに進出する予定だった。

しかし新型コロナウイルスの影響で第3、4節が中止となり、急転直下のフォーマット変更。第2節終了時での上位16チームが、ノックアウト・トーナメントで5月22日の決勝戦を目指すことになった。

そして3月に行われた組み合わせ抽選で、因縁浅からぬ大会4冠王者と、2冠王者の対戦が決まったのだった。

ともに今大会で2連勝中。トゥールーズは第1節でウルスター(アイルランド)に29-22で勝利し、第2節で強豪エクセター・チーフス(イングランド)を28-0で完封した。

マンスターも第1節でハリクインズ(イングランド)に21-7、第2節では日本代表FB松島幸太朗が先発したクレルモン(フランス)を相手に、SO(スタンドオフ)JJハンラハンの24得点などで39-31の逆転勝利を収めた。

マンスターといえば、アイルランドらしい献身的な大型FWだろう。

19年W杯アイルランド代表が多く、ジャッカル名手のFLピーター・オマーニー、世界的エイトマンのCJスタンダーらも所属する。

同じく同国代表の長身SHコナー・マレーは、ここまで大会得点ランキング1位の30得点を挙げているプレースキッカー、SOハンラハンとハーフ団を組む。

こうしたアイルランド代表の豪華布陣を、国外の大物スターがさらに補強する。パナソニックでもプレーした南アフリカ代表のCTB(センター)ダミアン・デアレンディ、元HondaのLO(ロック)RGスナイマンらだ。

一方のトゥールーズは、フランス代表の中心メンバーが多く所属している。

キャプテンのHO(フッカー)ジュリアン・マルシャンは機動力溢れる現代型フロントロー。
そしていまや「世界NO1スクラムハーフ」をめぐる議論の常連となったSHアントワーヌ・デュポン、冷静沈着な天才SOロマン・ヌタマックらが居並ぶ。

ここに今大会でチーム最多10得点を挙げている19年W杯南アフリカ代表、トゥールーズでは抜群の人気を誇る「ポケット・ロケット」WTBチェスリン・コルビが加わる。メンバー表を眺めるだけでワクワクする豪華さだ。

マンスターはSOハンラハンのPG(ペナルティゴール)が大きな得点源。

トゥールーズは素早いセットアップで好守を続け、自陣でのペナルティを少なくしたいところだ。敵地の心理的圧力を跳ね返す、SHデュポンの巧みなゲームメイクにも注目したい。

大会4冠、2冠王者の豪華対決となったプレーオフ1回戦屈指の好カード「マンスター×トゥールーズ」は、4月3日(土)午後10:50からJ SPORTS 1で生放送、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。

ちなみにチャンピオンズカップのマンスターは、本拠地トモンドパークで6年間負けがない(15勝、1分け)。トゥールーズは難攻不落の敵地で輝くことができるか。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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