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2月20日に開幕したトップリーグは第5節が終了した。レッドカンファレンスでは首位のサントリーサンゴリアスと、そして2位につけるクボタスピアーズが開幕から5連勝を達成。
その全勝チーム同士が4月3日(土)午後2:00から東京・秩父宮ラグビー場で激突するが、チーム史上初の開幕5連勝中のクボタが、ラグビーファン注目のサントリー戦に向けて、オンラインで報道陣に対応した。
上段左からルディケHC、立川、下段はマークス、クロッティ
登壇したのはチームを率いて5年目となる南アフリカ出身のフラン・ルディケHC(ヘッドコーチ)、元日本代表のCTB(センター)立川理道キャプテン、2019年ワールドカップで優勝に貢献した南アフリカ代表HO(フッカー)マルコム・マークス、そしてニュージーランド代表経験のあるCTBライアン・クロッティの4人だった。
全勝対決となる第6節のサントリー戦に向けて、フラン・ルディケHCは「エキサイティングな気持ちです。この試合のために(今まで)36週かけていたと言っても過言ではないし、ピークを持って行きたい。土曜日の試合でどれだけベストなパフォーマンスを出せるか」と意気込みを語った。
また、立川キャプテンは「この試合がすごく特別な試合という風にあまり思っていませんが、サントリーも調子いいですし、しっかり全勝で戦えることは嬉しい」。
「しっかりとチームの強みを出していきたいと思っています。クボタで言えばセットピースに強みがある。そこで優位に立てば自分たちのラグビーができるのでは」と試合を見据えた。
フラン・ルディケHC
また、開幕5連勝の要因を聞かれて、南アフリカ出身の指揮官は「いいスタートが切れて、コンスタントにいいパフォーマンスができているが、メンタルの成長が大きい」。
「リクルートの部分でCTBクロッティ、HOマークス、SO(スタンドオフ)バーナード・フォーリーが加わり、選手同士のつながりも濃くなりましたし、彼らがチームを助けてくれている」と説明した。
立川キャプテンは、今季の戦いぶりについて「一戦一戦、フォーカスを当てて戦ってきたなかで、メンバー変更しながら戦って来られたのはポジティブに捉えています」。
キャプテンとなって5年目のCTB立川
「初キャップ、若手の選手がトップリーグのレベルを経験しながら成長できている感覚もあるので、この5試合はチームとして、いい方向を向いて戦ってこられたと思います」と話した。
さらに、好調の要因に関して、国際経験豊富なスキッパーは「1つはマークスという素晴らしいHOがチームに来たことがポイントですね。彼が来たことによってリーグトップクラスのセットピースを持つことができた」。
「あとは日々の練習のスタンダードを上げることができるようになった。試合に出ているメンバーだけでなく、メンバー外も試合にフォーカスして、自分の役割が明確になっているのが好調の要因だと思います」と振り返った。
その世界的な選手であるHOマークスの加入に関して、ルディケHCは「ワールドクラスの選手がいて、セットピースが良くなっているし、フロントローやLO(ロック)の選手に自信を植え付けてくれている」と信頼は厚い。
世界最高峰のHOのひとりマークス
日本に来て2シーズン目、「日本の生活、違う文化、環境を楽しんでいる」というHOマークスはサントリー戦に向けて「すごくいいチームなのはわかります。いろんなことやってくるが、自分たちにフォーカスして、プロセスを追求してやっていきたい」。
「サントリーのアタックはいいですが、自分たちは自分たちの仕事をするだけです。サントリーもセットプレーが強みですし、我々もそこに自信を持ってやっているので、いい戦いになる」と大きな胸を張った。
外国人枠の問題もあり、プレータイムは多くないが率先して他のメンバーとコミュニケーションをしているという、元オールブラックスCTBクロッティは「成長というといころで言えば、メンバー外の選手が準備をしっかりやってくれていることも大きい」。
「アティチュード(態度)のところだと思いますが、元気に、ポジティブにやってくれている。チームに貢献するためには、フィールド外でもきることがある。それが上手くいっているのはクボタのチーム文化が上手くいっているということ」と話した。
バレットとの対戦を楽しみにするクロッティ
また、サントリーにはクロッティがオールブラックスで長い間チームメイトだったSOボーデン・バレットがいる。試合の鍵を握る、相手の司令塔を止めるために必要なことを尋ねるとクロッティは、「彼とはニュージーランド代表で長いことやってきましたし、(スーパーラグビーで)敵としてもやってきました」。
「日本のチームにそれぞれが所属して対戦するのは楽しみです。彼のプレースタイルでいうと、時間とスペース奪っていくというディフェンスの話になるが、ディフェンスをしっかりとやらないといけない。ランとパス、そしてキックもできるので、その3つを取り除ければ、効果的に止めることができる」と自信をのぞかせた。
「思い切ってチャレンジするだけ」と立川キャプテン
あらためて、立川キャプテンにサントリー戦への意気込みを聞くと「全勝対決の試合ということですが、クボタはトップリーグの優勝もないですし、今もトップのチームになっていないので、変なプレッシャーもないというか、思い切ってチャレンジするだけだと練習でも話をしました」。
「あまりプレッシャーを感じず、今までやってきたことを信じてやるだけかなと思っています」と腕を撫した。
2011年度、2012年度は下部リーグにあたるトップイーストで戦っていたクボタが、2013年度にトップリーグに再昇格し、少しずつ強化を進め、最後のトップリーグとなる今季は全勝を続けている。
4月4日の相手はトップリーグ最多タイの5回の優勝を誇るサントリー。過去の最高成績が6位のチャレンジャー、クボタが武器とするセットプレー、激しいプレーで強豪に挑む。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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