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ラグビー コラム 2021年3月30日

松島幸太朗のクレルモンはワスプスと対戦。ハイネケン・チャンピオンズカップ注目チーム紹介

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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プレーオフに進んだ松島幸太朗の所属するクレルモン

トップ14(フランス)、プレミアシップ(イングランド)、プロ14(アイルランド、スコットランド、ウェールズ、イタリア)の上位24チームが参加し、ラグビー欧州クラブ王者を決める「ハイネケン・チャンピオンズカップ」。

今シーズンは24チームが2組に分かれ、プールステージで各チームが4試合ずつ戦い、ポイント制で上位4チーム、計8チームがプレーオフトーナメント(準々決勝)に進出するというフォーマットだった。

だが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、1月の第3節と4節が中止。第2節終了時点でプールA・Bの上位8チーム、計16チームがプレーオフ1回戦に進むことになった。

◆プレーオフ1回戦 対戦カード

・レンスター(アイルランド)vs. RCトゥーロン(フランス)
・グロスター(イングランド)vs. ラ・ロシェル(フランス)
・ワスプス(イングランド)vs. ASMクレルモン・オーヴェルニュ(フランス)
・マンスター(アイルランド)vs. トゥールーズ(フランス)
・エクセター・チーフス(イングランド)vs. リヨン(フランス)
・ラシン92(フランス)vs. エディンバラ(スコットランド)
・ボルドー・ベグル(フランス)vs. ブリストル・ベアーズ(イングランド)
・スカーレッツ(ウェールズ)vs. セール・シャークス(イングランド)

ここではプレーオフトーナメントに進出したチームから、松島幸太朗の所属するASMクレルモン・オーヴェルニュと対戦相手のワスプス。そして、欧州制覇の経験があるマンスター、エクセター・チーフスの4チームを紹介する。

ASMクレルモン・オーヴェルニュ(フランス)

ASMクレルモン・オーヴェルニュ

◆主な成績
・TOP14:優勝2回(2009-10、2016-17)

◆過去のハイネケン・チャンピオンズカップの結果
・2019-20:ベスト8
・2018-19:
・2017-18:ベスト8
・2016-17:準優勝
・2015-16:プール戦敗退

今季から日本代表FB(フルバック)松島幸太朗がプレーしている、世界的なタイヤメーカーであるミシュランの一族が1911年に創設したクラブだ。本拠地はフランス中部オーベルニュ地方のクレルモン フェランにあり、黄色と青がクラブカラーだ。本拠地は「スタッド・マルセル・ミシュラン」で収容は1万8000人。

ハイネケン・チャンピオンズカップ再開直前J SPORTS独占インタビュー

松島幸太朗×大西将太郎

ユース組織の育成に定評があり、多くのフランス代表選手を輩出していることでも知られる。正式契約にはならなかったが、2002年には元日本代表WTB(ウィング)大畑大介も練習生として在籍していたことでも有名だ。

2006年から14年まで、現フィジー代表HC(ヘッドコーチ)を務める、ニュージーランド出身のヴァーン・コッターが指揮を執り、2010年に「TOP14」で悲願の初優勝を果たした。2014−15シーズンからBK(バックス)コーチだったフランク・アゼマが指揮官へ昇格した。国内では過去10シーズンで4回決勝に進出し、2度の優勝を果たしている。チャンピオンズカップでも3度の決勝に進出している。

2018-19シーズンは、チャンピオンズカップの下のカテゴリーである「チャレンジカップ」で初の欧州タイトルを獲得した。ここ数シーズンはあまり良い成績を残せていないが、松島だけでなく、キャプテンのSO(スタンドオフ)カミーユ・ロペス、WTB(ウィング)アリベルティ・ラカダミアン・プノーら、フランス代表経験のある選手も多く、今季こそ決勝の壁を打ち破って、欧州王者の座を勝ち取りたい。

ワスプス(イングランド)

ワスプス

◆主な成績
・プレミアシップ:優勝5回(1989-90、1996-97、2002-03、2003-04、2004-05)
・欧州王者:2回(2003-04、2006-07)

◆過去のハイネケン・チャンピオンズカップの結果
・2019-20:
・2018-19:プール戦敗退
・2017-18:プール戦敗退
・2016-17:ベスト8
・2015-16:ベスト4

イングランドの自動車産業の街として知られるコヴェントリーを本拠とするクラブで、2014年からホームをロンドンからコヴェントリーに移した。2003-04シーズン、2006-07シーズンに2度欧州王座に輝いている。1866年にロンドンにあったハムステッドFCが、ハレクインズに変わったときに分裂、脱退したメンバーで翌1867年に結成された。ホームは3万2500人収容の「リコー・アリーナ」を使用する。

「Wasp」(ハチ)と言う名前になったのは、当時、虫や鳥、動物の名前をつけるのが流行していたからだという。そのクラブ名の通り黄(金)色と黒のジャージーで、これはハムステッド時代と同じカラーだ。

プレミアシップでは、2007-08シーズン以来優勝できていないが、過去5シーズンでは2度決勝に進出しているイングランド代表する強豪だ。チャンピオンズカップでは、最近はなかなかプレーオフに進出できていない。10シーズンに渡り、チームを率いたダイ・ヤングHC(ヘッドコーチ)に代わって、今季から38歳のリー・ブラッケットがHCに就任した。

キャプテンのイングランド代表LO(ロック)ジョー・ローンチベリーを筆頭に、元オールブラックスSO(スタンドオフ)リマ・ソポアンガ、イタリア代表FB(フルバック)マッテオ・ミノッツィといった実績のある選手がチームの中心だ。他にもイングランド代表経験のあるFL(フランカー)ジャック・ウィリス、朝日大学出身のトンガ代表NO8(ナンバーエイト)シオネ・ヴァイラヌなど若い選手の活躍も期待できる。

マンスター(アイルランド)

マンスター

◆主な成績
・Pro14:優勝3回(2002-03、2008-09、2010-11)
・欧州王者:2回(2005-06、2007-08)

◆過去のハイネケン・チャンピオンズカップの結果
・2019-20:プール戦敗退
・2018-19:ベスト4
・2017-18:ベスト4
・2016-17:ベスト4
・2015-16:プール戦敗退

アイルランドの南西部、マンスター地方を本拠とするクラブ。マンスターにかつてあった3つの王国を示す王冠の紋章と雄鹿のエンブレムで、赤いユニフォームを着用する。アイルランドの他のクラブ同様、1879年にマンスター地域を代表するクラブとして発足した。

南半球の強豪とも古くから対戦し、1905年にはオールブラックスと初めて試合を行っている。熱狂的なサポーターが多く、どこのスタジアムでも駆けつける。ホームは収容2万5000人の「トモンド・パーク」と8000人の「マスグレイヴ・パーク」使用している。

チャンピオンズカップの優勝2回、「Pro14」でも優勝3回を誇る強豪の1つだが、この10年は欧州の舞台ではなかなか上位に進出できていない。2014年から指揮を執っていたアンソニー・フォーリーが2016年、パリ遠征中に急逝。現・南アフリカ代表のディレクター・オブ・ラグビーのラシー・エラスマスが後を継いだ。

現在は同じ南アフリカ出身のジョアン・ファン・グランがHC(ヘッドコーチ)、元オーストラリア代表のスティーブン・ラーカムがコーチを務めている。ちなみに、現在ではフォーリーを偲んで欧州最優秀選手には「アンソニー・フォーリー・トロフィー」が贈られている。

キャプテンのFL(フランカー)ピーター・オマホニーを始め、SH(スクラムハーフ)コナー・マレー、WTB(ウィング)キース・アールズと半数以上をアイルランド代表経験者が占めるが、日本でもプレーしたCTB(センター)ダミアン・デアリエンディ、LO(ロック)のRG・スナイマンら南アフリカ代表選手も増えて、スコッドの層を厚くしている。今季は3度目の欧州王者を虎視眈々と伺う。

エクセター・チーフス(イングランド)

エクセター・チーフス

◆主な成績
・プレミアシップ:優勝2回(2016-17、2019-20)
・欧州王者:1回(2019-20)

◆過去のハイネケン・チャンピオンズカップの結果
・2019-20:優勝
・2018-19:プール戦敗退
・2017-18:プール戦敗退
・2016-17:プール戦敗退
・2015-16:ベスト8

イングランド南西部、エクスターをホームとする強豪クラブだ。1871年に設立され、1905年にはニュージーランドが、オールブラックスと呼ばれるきっかけとなったとされる試合で対戦をした。正式名称は「エクセター・ラグビークラブ」だが、「チーフス」という1930年代から使用されている愛称でよく知られている。本拠地は1万2000人収容の「サンディ・パーク」。

プレミアシップでは最初はなかなか成績を残せないでいたが、元選手だったロブ・バクスターが2009年からチームを率い、2015-16シーズンに準優勝すると、翌2016-17シーズンに初優勝を飾った。昨シーズンまでプレミアシップで5季連続決勝に進出し、2度の王者となる強豪へと変貌した。チャンピオンズカップでも2019-20シーズンに、決勝でラシン92を破り初優勝し、2冠を達成した。

スクラム、モールといったFW(フォワード)の強さに定評があり、PR(プロップ)にイングランド代表のアレックス・ヘップバーン、ハリー・ウィリアムズ、ウェールズ代表トマス・フランシス、LO(ロック)にスコットランド代表のジョニー・グレイといったスキルの高い選手を揃える。

BK(バックス)もイングランド代表CTB(センター)ヘンリー・スレイド、WTB(ウィング)ジャック・ノウェル、スコットランド代表FB(フルバック)スチュアート・ホッグと国際経験豊富な選手がを牽引している。プレミアシップの開幕の遅れで調整の不十分が懸念されるが、徐々に調子を上げて連覇を狙う。

チーム紹介TEXT:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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