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3月28日(日)、2019年ワールドカップの舞台だった埼玉・熊谷ラグビー場で、第22回全国高校選抜ラグビー大会の準々決勝4試合が行われた。曇天の中、無観客での試合となったが、全国の強豪が熱い試合を繰り広げ、ついにベスト4が出揃った。
桐蔭学園がFB矢崎、WTB森田とつないで先制トライ
1試合目は天理(奈良)と選抜4連覇を狙う桐蔭学園(神奈川)が対戦した。序盤、天理は相手陣に攻め込むが、桐蔭学園が前半6分、自陣奥深くのスクラムからブラインドサイドを突いて、FB(フルバック)矢崎由高(1年)から、オフロードパスがWTB(ウィング)森田翔大につながり、そのままトライ。
さらに桐蔭学園は森田らが2トライを挙げ、12-7で前半を折り返した。後半、天理が相手陣で積極的にアタックする時間が長かったが、桐蔭学園がディエンスで粘り、1トライしか許さず、1トライを加えた桐蔭学園が24-12で勝利した。
ゲームキャプテンを務めた桐蔭学園のLO(ロック)小椋健介副将(2年)は、「FW(フォワード)は完敗でした。今日、勝てたのはBK(バックス)のおかげです」とBK陣に感謝した。
2試合目は近畿大会決勝の再戦となった、常翔学園vs.大阪桐蔭の大阪勢の強豪対決。なお、近畿大会では常翔学園が34-17で勝利していた。
そのため、大阪桐蔭の主将CTB(センター)川村ノエル(2年)は「自分たちはチャレンジャー。同じチームに2度目負けるわけにはいかへんぞ」とチームメイトに気合いを入れて臨んでいた。
トライを決めて喜ぶ大阪桐蔭
前半から大阪桐蔭が攻守に渡り前に出て、前半6分、モールを起点にHO(フッカー)岡将太郎(2年)がトライを挙げると、その後もNO8(ナンバーエイト)林慶音(2年)らが3トライを重ね、26-3で前半を折り返した。
後半は常翔学園も意地を見せ、SH(スクラムハーフ)田中景翔(1年)らが3トライを返したが、大阪桐蔭も1トライを加え、33-22でリベンジを達成した。
3試合目は石見智翠館(島根)が優勝候補の東海大大阪仰星(大阪)に挑んだ。石見智翠館は前半からハイパントキックを多用しペースをつかんだが、相手のディフェンスの前にPG(ペナルティゴール)の3点しか挙げられることはできなかった。
第22回全国高校選抜ラグビー大会 準々決勝
【ハイライト】石見智翠館vs.東海大大阪仰星
後半、相手のハイパントキックにも落ち着いて対応した東海大大阪仰星はディフェンスでプレッシャーを与えてチャンスを作り、12分、24分と主将FL(フランカー)薄田周希、FL大原功泰(ともに2年)がそれぞれトライを挙げ、14-3で勝利した。
最後までディフェンスが乱れなかった東海大大阪仰星の薄田主将は「フィットネスは日頃の練習からやっているので最後まで走り切れた」と胸を張った。
4試合目は東福岡(福岡)と佐賀工業(佐賀)の対戦。毎年、九州王者を争っている強豪同士が激突した。
東福岡NO8蔵森のトライ
試合は選抜最多、優勝5回を誇る東福岡が前半からボールを大きく動かして試合を優位に進める。前半5分、キックを上手く使いWTB(ウィング)遠藤亮真(2年)がトライ。さらに8分にはボールを動かしてNO8蔵森晟(2年)がトライを挙げ、12-0とリードする。
その後もゲームキャプテンSO(スタンドオフ)楢本幹志朗(2年)を中心に攻め続けて3トライを加え、守っても相手を零封に抑え、36-0で快勝した。
準決勝の対戦相手は、今年1月の花園の準々決勝で18分のロスタイムの末、引き分けた東海大大阪仰星となった。その試合にも司令塔として出場していたSO楢本は「特別な思いがあります。楽しみでもありますし、悔しい気持ちもあります。(明日は)ロスタイムになる前に勝ちます」と意気込んだ。
◆3月28日(日)準々決勝結果
●天理(奈良)12-24 桐蔭学園(神奈川)◯
●常翔学園(大阪)22-33 大阪桐蔭(大阪)◯
●石見智翠館(島根)3-14 東海大大阪仰星(大阪)◯
◯東福岡(福岡)36-0 佐賀工業(佐賀)●
3月29日(月)は準決勝2試合が行われる。11:00からの第1試合は花園の再戦となる東海大大阪仰星(大阪)vs.東福岡(福岡)、12:30からの第2試合は近年、全国大会でしのぎを削っている桐蔭学園(神奈川)vs.大阪桐蔭(大阪)の「桐蔭対決」となった。
◆3月29日(月)準決勝
・11:00 東海大大阪仰星(大阪)vs.東福岡(福岡)
・12:30 桐蔭学園(神奈川)vs.大阪桐蔭(大阪)
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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