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勝負を決めたのはボーデン・バレット
ジャパンラグビートップリーグは先週のバイウィーク(休みの週)を挟み、リーグ戦も3月26日(金)28日(日)の第5節を含め、残すところ3試合となった。
27日(土)は愛知県・パロマ瑞穂ラグビー場で、レッドカンファレンス全勝同士の一戦、トヨタ自動車ヴェルブリッツとサントリーサンゴリアスの一戦が行われた。
初優勝を目指すホームのトヨタ自動車は、4連勝で勝ち点19。クボタと並び、得失点差で3位につけている。一方、2017-18シーズン以来の王者を目指すサントリーも、雷の影響で再試合となった先週の第4節の東芝戦でも73-5と快勝。4試合全てで3トライ差以上のポーナスポイントも得て、勝ち点20で首位に立っている。
マイケル・フーパー
トヨタ自動車のメンバーを見ると、共同キャプテンで元ニュージーランド代表NO8(ナンバーエイト)キアラン・リードこそ欠場したが、現オーストラリア代表主将のFL(フランカー)マイケル・フーパー、南アフリカ代表のFB(フルバック)ウィリー・ルルーが先発。
また、もう1人の共同キャプテンで、日本代表経験のあるSH(スクラムハーフ)茂野海人、SO(スタンドオフ)ライオネル・クロニエ、元日本代表のCTB(センター)マレ・サウら、経験値の高い選手と、LO(ロック)秋山大地、WTB(ウィング)高橋汰地ら好調な若手もスタートに名を連ね、ホームで強敵サントリーを打ち破って首位に躍り出たいところだった。
サントリーは、世界最優秀選手に2度輝いている得点ランク首位に立つニュージーランド代表SOボーデン・バレット、オーストラリア代表経験のあるFL(フランカー)ショーン・マクマーン、SH流大とキャプテンのCTB中村亮土ら、日本代表選手とルーキーのWTB中野将伍が先発。
今節、最も注目が集まった全勝同士の対決は、4,251人が集まった快晴のパロマ瑞穂ラグビー場で午後2時にキックオフされた。
ライオネル・クロニエのPG
試合の主導権を先に握ったのはホームのトヨタ自動車だった。サントリーの素早い展開を止めるべく、FLフーパーらを筆頭に接点にプレッシャーを掛けて反則を誘い、前半8分、12分とPG(ペナルティゴール)のチャンスを得て、SOライオネル・クロニエが2本とも決めて、6-0とリードする。
サントリーはPGのチャンスを狙わない攻撃的な姿勢で臨み、後半14分、ゴール前のモールからFLマクマーンが押さえ、SOバレットがゴールを決め、7-6と逆転に成功。しかし、すぐにトヨタ自動車もPGを決めて、9-7とリードする。
それでも再びゴール前でラインアウトのチャンスを得たサントリーは21分、モールで押し込んだ後、クイックハンズでブラインドサイドに展開。日本代表FLツイ ヘンドリックが左隅にトライ。SOバレットが難しい角度のコンバージョンを成功させて、12-9と再び逆転に成功する。
吉田杏のトライ
互いに点を取り合う展開となる中、26分、トヨタ自動車はサントリーのパスミスを見逃さず、ボールを奪い返して、ゴール前のラックからFL吉田杏が持ち出して中央に飛び込んで、14-12と再びリードする。
34分、トヨタ自動車のWTB高橋が、キックを蹴った後の相手にチャージしてしまい、シンビン(10分間の途中退室)となってしまう。だが、数的不利になってもトヨタ自動車は攻めの姿勢を貫く。
スクラムでコラプシングを得た後、相手陣に攻め込み、FBルルーの裏へのキックをCTBサウがキャッチし、そのままトライ。さらにPGも加えてトヨタ自動車が26-12とリードして前半を折り返した。
アタッキングラグビーを標榜するサントリーは、14点差を追ってボールを継続し、アタック時間を増やすべくして後半に臨んだ。
後半4分、モールを押し込んでアドバンテージを得た後、SOバレットが左サイドにキックパスし、それをキャッチしたWTBテビタ・リーがトライ。さらに8分、FLマクマーン、FLツイが前に出た後、WTB中野につなぎ、中野が強さを発揮してトライを挙げて24-26と2点差に追い上げる。
トップリーグ 第5節
【ハイライト】トヨタ自動車 vs.サントリー
11分、トヨタ自動車は相手の反則から、この試合4本目のPGを決めて29-24とする。19分、サントリーがトライを挙げたかに思われたが、TMO(テレビマッチオフィシャル)の末、その前にラックで反則があったと判定されてノートライ。
それでも「自分たちのやることにフォーカスした」(CTB中村)というサントリーは23分、ボールを継続。最後は、WTBリーがトライを挙げて、ついに29-29の同点に追いつく。さらに28分、FLツイがゴール前で強さを発揮してトライ。SOバレットのゴールも決まって、36-29とリードした。
ホームで負けられないトヨタ自動車は36分、ゴール前のラックから途中出場のWTB岡田優輝が抜けだし中央にトライ。SOクロニエがゴールを決めて、再び36-36の同点に追いついた。
ボーデン・バレットのPGでサントリーが勝利
残り時間のない中、勝利を目指して自陣からトヨタ自動車はボールを継続したが、途中出場のサントリーFL小澤直輝がジャッカルを成功し、反則を誘った。試合終了のホーンが鳴った後、中央やや右40mほどのPGをSOバレットが成功させてノーサイド。
MOMツイ ヘンドリックのトライ
サントリーがSOバレットのサヨナラPGで、39-36と勝利して開幕5連勝を達成し、3トライ差以上のボーナスポイントも加えて、総勝ち点を25に伸ばして首位をキープした。7点差以内の敗戦となったトヨタ自動車は勝ち点1を得て総勝ち点を20とした。なお、MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)は2トライを挙げたサントリーFLツイが選ばれた。
前半リードしたが、後半、逆転を許したトヨタ自動車のサイモン・クロンHC(ヘッドコーチ)は「前半の展開は非常によかった。キックを使って敵陣に攻め込み、アタックからチャンスを掴むこともできました」。
<茂野海人(左)と中村亮土の両キャプテン
共同キャプテンのSH茂野も「前半は賢く自分たちのプレーができていた。後半に関しては入りのところ、ブレイクダウンでは(人数をかけすぎて)無駄になってしまったり、(ディフェンスラインの)幅を持たすことができなかったり、個人のタックルミスなどで相手に勢いを与えてしまった」。
「ディテールの部分をしっかり修正して、次の試合にむけて準備していきたい」と課題を口にしつつ、次節に向けて気持ちを切り替えた。
開幕から連勝を5に伸ばしたサントリーのミルトン・ヘイグHCは「両チームがボールを展開して、いいラグビーができた。前半はミスもあったが、プレッシャーをトヨタさんから受けて得点された」。
「後半、ボールをキープしてフェイズを重ねてプレーするように修正しました」と勝因を語った。しかし、「後半の出来は満足しているが、前半を通してトータルで考えると、自分たちが想定した結果でプレーはできませんでした」と内容にはまだまだ満足していない様子だった。
キャプテンのCTB中村は「(後半は)自分たちがボールを持ってリズムが良くなり、しっかりとしたボールキャリーがいて、いいテンポでいいアタックができた。(4節まで)大勝が続いたがタフな試合、点数が開かない試合になったのはいい緊張になり、チームにとって次につながる」と答えた。
ボーデン・バレット
決勝PGを決めたSOバレットは、「接戦の中でも自分プロセスを信じて(蹴るように)普段から練習しているので、最後のキックも落ち着いて蹴れました。接戦だったので重要なキックと意識して蹴りました」と胸を張った。
第6節、トヨタ自動車は4月3日(土)に大阪・花園ラグビー場で三菱重工相模原ダイナボアーズと対戦する。クロスゲームを制した5連勝のサントリーは、3日(土)、東京・秩父宮ラグビー場でやはり開幕から全勝と好調を維持するクボタスピアーズと激突する。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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