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2月20日(土)に開幕した、現行のフォーマットでは最後のシーズンを迎えるジャパンラグビートップリーグ。2019年ワールドカップで活躍した各国のスター選手や日本代表選手だけでなく、若手も2023年ワールドカップを目指して躍動している。
昨年は新型コロナウィルス感染拡大の影響により、6節でシーズンが中断されたため、今年の新人賞は昨年4月に入社した1年目のルーキーに加え、2年目の選手も対象となっている。
2年目の選手は各チームの中心選手へと成長しており、さらにルーキーの選手もプレシーズン期間が長かったため、チームに十分にフィットしていると言えよう。それでは開幕から第4節までを振り返り、新人賞対象選手である、1~2年目で際だった選手を挙げていきたい。
レッドカンファレンスではサントリーサンゴリアス、クボタスピアーズ、トヨタ自動車ヴェルブリッツ、ホワイトカンファレンスではパナソニックワイルドナイツと神戸製鋼コベルコスティーラーズの計5チームが開幕から4連勝を達成した。
トライを挙げるサントリーNO8タタフ
優勝候補として王座奪還、そして6度目の優勝を狙うサントリーのFWでは2年目のNO8(ナンバーエイト)テビタ・タタフ(東海大学出身)が、東芝ブレイブルーパス戦でハットトリックの活躍を見せてMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)に輝き、4試合で計5トライの活躍を見せている。
FWに指示を送るサントリーSH齋藤
また、2年目のLO(ロック)辻雄康(慶應義塾大学出身)も開幕戦でトップリーグデビューを飾り、身体を張ったプレーでチームの勝利に貢献した。ルーキーでは、WTB(ウィング)中野将伍、SH(スクラムハーフ)齋藤直人(ともに早稲田大学出身)、PR(プロップ)中野幹(東海大学出身)も試合に出場している。
トライを挙げるサントリーWTB中野
特にCTB(センター)からWTBにコンバートした中野は4試合連で2トライを挙げており、持ち味の力強いラン存在感を示している。ゲームコントロールに長けたSH齋藤もHonda HEAT戦に先発し、トライを挙げてMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)を獲得している。
過去2シーズン、NO8姫野和樹(現ハイランダーズ)とCTB岡田優輝、2人の新人賞を輩出しているトヨタ自動車も若き力が台頭している。
トヨタ自動車のWTB高橋
PR淺岡俊亮(帝京大学出身)、HO(フッカー)加藤竜聖(東海大学出身)、FL(フランカー)古川聖人(立命館大学出身)も試合に出場しているが、ワークレートとタックルの力強さが持ち味のLO秋山大地(帝京大学出身)、力強いランとハイボールキャッチを武器に、2試合でMOMに輝いたWTB高橋汰地(明治大学出身)の2人は定位置を確保している。
トヨタ自動車のLO秋山
現在、ニュージーランドでプレーしている日本代表の姫野からは「3シーズン連続トヨタから新人賞が出てほしい」と発破を掛けられているとのことで、「日本代表になって2023年ワールドカップに出たい」と公言する秋山と高橋がチームで争いながら新人賞を目指している。
初の開幕4連勝を飾った、大卒ルーキー10人が加わったクボタも若い力が台頭している。
クボタのFB金(左)とSO岸岡
2年目のLO松井丈典(早稲田大学出身)、ルーキーのLO堀部直壮(同志社大学出身)、FL/NO8土谷深浩(筑波大学出身)、SO(スタンドオフ)岸岡智樹(早稲田大学出身)、WTB山崎洋之(明治大学出身)、FB(フルバック)金秀隆(朝鮮大学校出身)がトップリーグデビューを飾っており、中でもFB金は開幕から15番を任せされ、しなやかなランを武器に存在感を示している。
2019年W杯メンバー、神戸製鋼CTBモエラキオラ
神戸製鋼では、2019年ワールドカップの日本代表メンバーでチーフスでもプレーした2年目のCTBアタアタ・モエアキオラ(東海大学出身)、帝京大学を中退して加わったSO李信承がチームの勝利に貢献している。
神戸製鋼のSO李
また、パナソニックでは昨年のルーキーイヤーからレギュラーだった2年目WTB竹山晃暉(帝京大学出身)が、得意のランとキックでチームに勢いを与えている。
他にはFWではヤマハ発動機ジュビロ2年目のHO平川隼也(同志社大学出身)、リコーブラックラムズのルーキーHO武井日向(明治大学出身)、NECグリーンロケッツの身長198cmの新人LO山極大貴(専修大学出身)、HondaのルーキーLO中川真生哉(日本体育大学出身)、NO8ヴィリアミ・カイポウリ(日本文理大学出身)らがセットプレー、接点で身体を張っている。
CTB、FBでプレーできるリコーのメイン平
BKでは宗像サニックスブルースで2年目のSH藤井達哉(東海大福岡高校出身)、リコーのCTB/FBメイン平(御所実業高校出身)、キヤノンイーグルス2年目のWTB山田聖也(近畿大学出身)、東芝ブレイブルーパスのバックスリー、2年目の桑山聖生と1年目の淳生兄弟(ともに早稲田大学出身)、NTTコミュニケーションズのルーキーのFB石田大河(日本体育大学出身)らがアタックで冴えを見せている。
トップリーグの過去の17人の新人賞選手はすべて上位6位以内から選ばれており、当然、今年も上位チームから選ばれることは間違いない。リーグ戦は残り4節、各カンファレンスの順位争いとともに新人賞対象者の選手たちの活躍からも目が離せない!
また、4月末に予定されている2023年ワールドカップに向けた新たな日本代表候補に、1~2年目の若手選手が何人入ってくるのかも楽しみにしたい。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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