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ラグビー コラム 2021年3月12日

注目の全勝対決。ペレナラ率いる好調NTTドコモが、ホームで首位パナソニックに挑戦。

ラグビーレポート by 直江 光信
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序盤戦でもっともインパクトを残したチームのひとつと言っていいだろう。初戦は終了間際の劇的な逆転PGでキヤノンイーグルスとの激闘を制し、第2節はNECグリーンロケッツを終盤に突き放して快勝。前節はヤマハ発動機ジュビロを撃破し波に乗るリコーブラックラムズを、ラストプレーのトライで振り切って開幕3連勝を決めた。もはや「勢い」という言葉では収まらないほどの迫力が、いまのNTTドコモレッドハリケーンズにはある。

何より際立つのは、ニュージーランド代表69キャップを誇るSH、TJ・ペレナラの存在だ。長短・緩急自在のパスワークと正確かつ滞空時間の長いボックスキックで巧みに試合を作り、ここという場面ではみずからのランで果敢に突破口を開く。2mオーバーの大型FWにひるむことなく体を当てて前進を阻むなど、ディフェンス面での貢献度も高い。まさに獅子奮迅のパフォーマンスで、エネルギッシュにチームを牽引している。

好調のもうひとつの理由は、今季より就任したヨハン・アッカーマン新ヘッドコーチ(HC)の卓越した指導力だろう。選手の結束力を高めることでチームを蘇らせ、数々の輝かしい実績を残してきたアッカーマンHCだが、「新加入の外国人選手がもう何年も在籍していると感じるくらい馴染んでいる」と関係者が感嘆しているところからも、その優れた手腕はうかがえる。初戦からエンジン全開でチームの中心になっているペレナラやLOローレンス・エラスマス主将の献身的な働きぶりは、まさにその象徴だ。

そんないいムードに包まれるNTTドコモにとって、ホームのヤンマーフィールド長居で迎える今節のパナソニック ワイルドナイツ戦は、文字通り真価を問われる一戦となる。

パナソニックスターティングメンバー

ラグビーワールドカップ2019日本大会に向け多くの選手に日本代表やサンウルブズでの活動を優先させてきたこともあって、2015年度を最後にトップリーグ優勝から遠ざかっているパナソニックだが、久々にフルメンバーで十分な準備ができた今季は万全の状態だ。初戦でリコーに55-14で完勝すると、第2節では日野レッドドルフィンズから9トライを奪って圧勝。前節もキャノンイーグルスを47-0と完封し、全試合ボーナスポイントつきの3連勝でホワイトカンファレンスの首位に立っている。

PR稲垣啓太、HO堀江翔太、WTB福岡堅樹ら6人の日本代表勢に、イングランド代表のLOジョージ・クルーズ、ウエールズ代表のCTBハドレー・パークスと、ワールドカップ2019出場選手がずらりと並ぶ布陣はリーグ屈指の豪華さ。24歳のWTB竹山晃暉や23歳のCTBディラン・ライリー、FL/NO8ベン・ガンター、21歳のFL/NO8福井翔大ら日本代表入りを期待される気鋭の若手たちも、非凡なポテンシャルをいかんなく披露している。先発、リザーブを問わず、出てくる選手がことごとく活躍しているのは、チーム状態がいいことの証だ。

パナソニックといえば粘り強く守ってターンオーバーから一気に切り返す堅守速攻のスタイルのイメージが強いが、どのポジションにもスキルの高い選手がそろっており、多彩な仕掛けやオフロードの連続など、どんな形からでもトライを取れる懐の深さもある。3試合トータルのパス回数はNTTドコモの「360」に対し、パナソニックは「526」。守る側にすれば非常に的を絞りづらいチームだけに、どこでプレッシャーを与え、ボール奪取の勝負をかけにいくかが、この試合でのNTTドコモのテーマになるだろう。

スタッツでもうひとつ明白な違いがあるのは、反則数だ。パナソニックの「19」(1試合平均6.3)に対し、NTTドコモは「「41」(同13.6)と倍以上多い。PGによる得点はもちろん、タッチキックで前進したところでのラインアウトを起点にしたアタックはパナソニックの大きな得点源だけに、NTTドコモにとってはペナルティをせずにゲームを進めることも、食らいつくための条件となる。

NTTドコモスターティングメンバー

先発のラインアップを見ると、 NTTドコモは前節から先発が8人入れ替わった。トップリーグデビュー戦でいきなりトライを挙げた南アフリカ代表WTBマカゾレ・マピンピはメンバー外となったが、SHペレナラとウエールズ代表3キャップのSOオーウェン・ウィリアムスで組むHB団は、アタック、ゲームメイクともに安定感がある。左足のロングキックが持ち味のFB高野祥太とともに蹴り合いで優位に立ち、FWを効率よく前に出して主導権を握りたいところだ。

一方のパナソニックは右PRが平野翔平からヴァルアサエリ愛、7番が布巻峻介から大西樹に替わっただけで、13人が前節と同じスターティングメンバー。FW、BKどこにも隙が見当たらない顔ぶれだけに、早い段階でスコアを挙げて余裕を持って戦う展開になれば、手がつけられなくなるだろう。

NTTドコモの快進撃は本物か。それともパナソニックが貫禄を示すのか。注目だ。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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