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ラグビー コラム 2021年3月1日

トヨタ自慢のアタック力が爆発。7トライを奪う猛攻でNTTコムに快勝。

ラグビーレポート by 直江 光信
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NTTコム vs. トヨタ自動車(2/28)

ともに開幕節で力のあるチームに勝利し、上位進出に向けて重要な意味を持つ一戦となった試合は、トヨタ自動車ヴェルブリッツが7トライを挙げる猛攻を見せ、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスに47-29の完勝を収めた。

80分を通して目を引いたのは、トヨタ自動車の意欲あふれるアタッキングマインドだ。象徴はこの日最初のトライが生まれた前半12分のシーン。マイボールのキックオフをWTB高橋汰地が見事なジャンピングキャッチで確保し一気に敵陣深く攻め込むと、ゴール正面で得たペナルティからSH茂野海人がすかさず速攻を仕掛け、WTB高橋が右コーナーに飛び込む。手堅くPGを刻むのではなく、積極的にトライを取りにいくというチーム全体の意志が表れた場面だった。

1PGを加えて迎えた21分には、PR淺岡俊亮のビッグタックルからこぼれ球を確保するや切り返し、SOライオネル・クロニエがギャップを鋭くブレイク。WTBヘンリージェイミー-CTBロブ・トンプソンとつないで約70メートルのカウンターアタックを仕上げ切った。31分にもゴール前でラインアウトモールを押し切り、25-8と大きく先行して前半を折り返す。

前節の東芝ブレイブルーパス戦では後半に猛追を許したトヨタだったが、この日はそうした失速もなかった。6分、通ればトライというパスをNTTコムのWTB張容興にインターセプトされ、約90メートルの独走トライを喫したが、直後にキックレシーブからの切り返しでまたもSOクロニエが抜け出し、WTBヘンリーが左隅にフィニッシュ。16分にはふたたびラインアウトモールを押し切って、35-15とリードを広げる。

NTTコムもここで意地を見せ、20分にゴール前で密集脇を抜け出したNO8ヴィリー・ブリッツがポスト下にトライ。28分にはスクラムから一気に大外へ振って途中出場のWTBトロケマイケルがインゴールに飛び込み、29-35とワンプレーで逆転可能なスコアに詰め寄った。

【ハイライト】NTTコミュニケーションズ vs. トヨタ自動車|トップリーグ 2021 第2節

しかしこの日のトヨタは、ここからさらにアクセルを踏み込む力があった。32分、SOクロニエのキックパスでチャンスを作り、ケガによるメンバー変更で急遽リザーブ入りしたFL吉田杏がラックサイドをパワフルにねじ込んで左中間にグラウンディング。終了間際にも鮮やかなパスダミーで抜け出したSH滑川剛人がトライを追加し、勝利を決定づけた。

NTTコムのNO8ブリッツが「トヨタのプレッシャーが強く、思うようにボールを保持できなかった」と振り返ったように、一人ひとりの前に出る意欲とヒットの激しさで相手を上回ったトヨタ。ディフェンスやブレイクダウンでFWが激しく圧力をかけ、怖いランナーが並ぶBKも存分に破壊力を発揮するなど、前節からさらにチームが一歩前進したことを強く印象づけた。「1試合1試合、成長しているのは事実。来週はさらによくなると思う」というSH茂野共同主将の言葉は、まさに上り調子の現在の状態を表す実感だろう。

相手にボーナスポイントを与えずボーナスポイント付きの勝利を得たことも、今後の順位争いを考えれば価値は大きい。まだまだ厳しいゲームは続くが、3月27日のサントリーとの大一番(パロマ瑞穂ラグビー場)に向け、確かな手応えと自信をつかむ白星になったはずだ。

痛い敗戦となったNTTコムは、敵陣に攻め込んだところでイージーなエラーからボールを失う場面が目立ち、なかなかリズムに乗り切れなかった。それでも残り20分で20点差という苦しい状況から連続トライを奪い、逆転をイメージできるところまで詰め寄ったのは、地力の証だ。

「チーム全体で細かいミスを減らせば、必ず自分たちのラグビーができる」とは、共同キャプテンを務めるLO中島進護。FLリアム・ギルも、接点での相手の圧力に押し込まれたことを認めつつ、「チームが成長するための貴重なレッスン」と前を向いた。同じ千葉県船橋市に拠点を置くクボタスピアーズと激突する次節(3月6日@江戸川)に向け、どのように課題を修正できるか、敗戦からの立て直しに注目したい。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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