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2月27日(土)28日(日)、先週開幕したトップリーグの第2節、8試合が全国各地で行われた。神戸製鋼、サントリー、パナソニック、トヨタ自動車、クボタ、そしてNTTドコモが開幕から連勝。レッドカンファレンスではサントリー、ホワイトカンファレンスではパナソニックが首位に立った。
まず、レッドカンファレンスから見ていこう。27日(土)は2試合が行われた。東京・秩父宮ラグビー場では優勝5回を誇る東芝ブレイブルーパスと年々力をつけているクボタスピーアズが激突した。
東芝リーチ、クボタ立川の両キャプテン
前半から風下のクボタがスクラム、接点で優位に立ち、前半24分、キャプテンCTB(センター)立川理道のトライで、7点をリードして前半を折り返した。
後半1分、風上に立ったクボタがキックを使った攻撃で、ルーキーFB(フルバック)金秀隆(朝鮮大学校出身)のトライで追加点を挙げると、元オーストラリア代表SO(スタンドオフ)バーナード・フォーリーが、2本のPG(ペナルティゴール)を決めてリードを広げる。
さらにモールから南アフリカ代表HO(フッカー)マルコム・マークスがトライを挙げるなどし、後半、アタックで圧倒したクボタが、39-7で快勝した。開幕連勝のクボタは3トライ差以上のボーナスポイントも加えて、勝ち点を10に伸ばした。東芝は連敗、勝ち点は1のままとなった。
なお、MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)には冷静にゲームをコントロールし、プレースキックも6本中、5本決めたクボタのSOフォーリーが選ばれた。
福岡のグローバルアリーナでは、ホームの宗像サニックスブルースが三菱重工相模原ダイナボアーズを迎えた。前半、宗像サニックスが得意とするランニングラグビーを見せて日本代表WTB(ウィング)レメキ ロマノ ラヴァらのトライや、今年から復帰したSO小野晃征の3PGで、23-13とリードして前半を折り返した。
しかし後半、三菱重工相模原は守備で粘りを見せて、攻撃では元オールブラックスSOコリン・スレイドの裏へのキックで2トライを重ねて、30-23で見事に逆転勝利を収めた。MOMはSOスレイドが選ばれた。初勝利の三菱重工相模原は勝ち点を4とし、開幕連敗を喫してしまった宗像サニックスは1のままとなった。
トップリーグ 第2節
【ハイライト】東芝 vs. クボタ
28日(日)は2試合が行われた。ユアテックスタジアム仙台では、上位進出を狙うNTTコミュニケーションズシャイニングアークスと、トヨタ自動車ヴェルブリッツが対戦した。前半から点の取り合いとなるが、フィジカルで優位に立ったトヨタ自動車がWTB高橋汰地らの3トライで25-8とリードして折り返した。
後半も互いにトライを取り合い、後半29分、NTTコミュニケーションズは途中出場のWTBトロケ マイケルのトライで、29-35と6点差まで追い上げる。しかし、トヨタ自動車も後半途中から出場したFL(フランカー)吉田杏とSH(スクラムハーフ)滑川剛人がトライを挙げて47-29と突き放した。
MOMはトヨタ自動車の2年目、WTB高橋が開幕節から2試合連続の受賞となった。トヨタ自動車は3トライ以上差の勝利だったため、勝ち点5を加えて勝ち点を9に伸ばした。NTTコミュニケーションズは善戦したが、勝ち点を積み上げることができず、勝ち点は5のままとなった。
三重交通Gスポーツの杜鈴鹿 サッカー・ラグビー場では、ホームのHonda HEATが優勝候補のサントリーサンゴリアスを迎えた。序盤は拮抗した状況が続くが、サントリーが持ち前の攻撃力を見せて、21分にCTBサム・ケレビ、新人のSH齋藤直人(早稲田大学出身)、WTB江見翔太がトライを挙げて19-6で前半を折り返した。
後半、ホームのHondaもモールから新人NO8(ナンバーエイト)ヴィリアミ・アフ・カイポウリ(日本文理大学出身)が初トライを挙げるなど見せ場を作ったが、サントリーがさらにSH齋藤、途中出場のHO堀越康介がトライを重ねて31-14で快勝した。
MOMは初先発ながら2トライを挙げたサントリーのSH齋藤が選出された。サントリーは3トライ以上差で勝利したため勝ち点5を得て、勝ち点を10に伸ばした。一方、開幕から連敗となったHondaは勝ち点を挙げられず、0のままとなった。
開幕から2節が終わり、レッドカンファレンスではサントリー、クボタ、トヨタ自動車の3チームが連勝を飾り、勝ち点10でサントリーとクボタが並んだが、得失点の差でサントリーが首位に立った。
◆レッドカンファレンス 第2節結果
●東芝(1)7-39 クボタ(10)○ MOM:バーナード・フォーリー
●宗像サニックス(1)23-30 三菱重工相模原(4)○ MOM:コリン・スレイド
●NTTコミュニケーションズ(5)29-47 トヨタ自動車(9)○ MOM:高橋汰地
●Honda(0)14-31 サントリー(10)○ MOM:SH齋藤直人
※( )内は勝点
ホワイトカンファレンスは、27日(土)に大阪のヤンマーフィールド長居で、NTTドコモレッドハリケーンズと、NECグリーンロケッツの1試合のみが行われた。前半、ホームのNTTドコモがモールや、SHのTJ・ペレナラのグラバーキックから、WTB山本貫太がトライを挙げるなど、17-5とリードして前半を折り返した。
後半早々、NTTドコモがトライを挙げたが、NECもすぐに反撃。ディフェンスからターンオーバーし、キャプテンFL亀井亮依がトライ、さらにモールから途中出場のHO佐藤耀がトライを挙げて、15分を過ぎたところで17-24と追い上げた。
だが、NTTドコモは27分、ラインアウトのボールが乱れたところをSHペレナラが奪って、そのままトライ。31分にもオフロードパスから、ペレナラが抜け出し、再びトライ。NTTドコモが38-19で勝利し、MOMにもペレナラが選ばれた。開幕から連勝したNTTドコモは勝ち点を8に伸ばした。NECは第2節も勝ち点を得られず、0のままとなった。
28日(日)には3試合が行われた。花園ラグビー場ではヤマハ発動機ジュビロと、リコーブラックラムズが対戦した。前半からリコーが攻守で前に出て、前半8分、新人のFBメイン平(御所実業高校出身)がトライ。さらにSHマット・ルーカスが、3PGを決めて前半22分までに16点をマークし、16-3で前半を折り返す。
後半10分、リコーはモールから2年目のHO武井日向がトライを挙げて23-3とリードを広げる。ヤマハ発動機も反撃し、WTBマロ・ツイタマが2トライ、FLクワッガ・スミスもトライし、残り5分で2点差に迫る。しかし、最後はリコーが守り切って、23-21で初勝利を挙げた。
MOMはリコーのSHルーカスが選出された。勝利したリコーは勝ち点4とし、ヤマハ発動機は負けたものの7点差以内だったため、勝ち点1を加えて勝ち点を6に伸ばした。
熊谷スポーツ文化公園ラグビー場では優勝候補の一角、パナソニック ワイルドナイツが日野レッドドルフィンズをホームに迎えた。パナソニックは前半、新加入のWTB.セミシ・トゥポウ、2年目のWTB竹山晃暉がトライを挙げ、やや苦戦したものの、15-5で折り返した。
後半は地力に勝るパナソニックの一方的な展開となり、SO山沢拓也と、途中出場のFL福井翔大が2トライずつを挙げる活躍で、計7トライを重ね、終わってみればパナソニックが60-12で大勝した。MOMは1人で23得点を挙げたパナソニックSO山沢が選ばれた。
3トライ差以上の勝利を挙げたパナソニックは開幕連勝となり、勝ち点も10に伸ばした。負けた日野は開幕連敗となり、勝ち点は0のままとなった。
5トライでMOMのナエアタ
神戸総合運動公園ユニバー記念競技場では、優勝候補の神戸製鋼コベルコスティーラーズにキヤノンイーグルスが挑んだ。前半からホームの神戸製鋼がFW(フォワード)、BK(バックス)一体となったアタックを見せ、NO8ナエアタ ルイの連続トライなどで計4トライを挙げて28-3で折り返した。
後半も神戸製鋼の勢いは止まらず、3分にNO8ナエアタがハットトリックとなるトライを決めた。さらにナエアタは2トライを重ね、オールブラックスのLO(ロック)ブロディ・レタリックや、途中出場のWTB井関信介のトライなどもあり、後半だけで7トライの猛攻を見せた神戸製鋼が73-10で快勝した。
MOMは5トライを挙げた神戸製鋼のNO8ナエアタが選出された。神戸製鋼は3トライ以上をつけるボーナスポイントを含め、勝ち点5を加えて勝ち点を9とした。キヤノンは勝ち点を挙げることができず、1のままとなった。
ホワイトカンファレンスはパナソニック、神戸製鋼の2チーム、そしてSHペレナラが引っ張るNTTドコモが開幕から連勝を達成し、勝ち点を10としたパナソニックが首位に立った。
◆ホワイトカンファレンス 第2節結果
○NTTドコモ(8)38-19 NEC(0)● MOM:TJ・ペレナラ
●ヤマハ発動機(6)22-23 リコー(4)○ MOM:マット・ルーカス
○パナソニック(10)60-12 日野(0)● MOM:山沢拓也
○神戸製鋼(9)73-10 キヤノン(1)● MOM:ナエアタ ルイ
※( )内は勝点
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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