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開幕節から持ち直し、本来の輝きを放つのはどちらか。
ついに開幕した「トップリーグ2021」は第2節に突入。
チーム紹介
両軍はともに開幕節で苦戦した。
18年度王者の神戸製鋼は、NECとの乱打戦に辛くも勝利(47-38)。一方のキヤノンはスクラムで圧倒し、得点機もあったが、NTTドコモに2点差(24-26)で競り負けた。
開幕戦後、両軍の指揮官コメントはともに厳しかった。
「最初にトライを奪われたことでチャレンジする側になった」「相手から学ぶことが多かったので、修正して今後につなげていきたい」神戸製鋼デーブ・ディロンHC/NEC戦後コメント)
「自分たちがやろうとしているラグビーにはほど遠く、スピードレベル、ナレッジ(知識)についてもまだまだ改善していかなければいけない」(キヤノン・沢木敬介監督/NTTドコモ戦後コメント)
今季はコロナ禍があり、準備の難易度が上がった。
神戸製鋼のスキルフルなLO/FLトム・フランクリン共同主将は、開幕戦でミスが多かった理由について「自分たちだけの練習が多く、他チームとする機会が少なかった」とコメント。
やはり手の内を知っている仲間同士の練習だけでは、開幕戦を万全で迎えることは難しいのだろう。今後はフランクリン共同主将が「成長していくことが課題」と語ったように、全7試合あるリーグ戦での修正力、成長力が重要だ。
リーグ連覇(19年度はリーグ不成立)をねらう神戸製鋼。そして新任の名将・沢木監督、開幕節で好調だったSO田村優主将率いるキヤノン。
修正力を発揮し、本来の実力を発揮するのはどちらか。
両軍のメンバー23人が発表されている。
神戸製鋼スターティングメンバー
ホームの神戸製鋼は、2年目で九州共立大卒の高尾時流(たかお・しぐれ)が先発でトップリーグ・デビュー。34歳のHO平原大敬、そして35歳のPR山下裕史という歴戦の猛者とFW第1列を形成する。
そして開幕節で攻守に存在感を放ったニュージーランド代表のLOブロディ・レタリック、リンクプレーも巧みなFLフランクリン共同主将、突進力が魅力のNO8ナエアタ ルイ。
開幕節で5季目にしてリーグデビューを飾ったSH徳田健太は、名キッカーのSOヘイデン・パーカーと2戦連続でハーフ団を組む。
注目は12番を背負う19年W杯日本代表のCTBアタアタ・モエアキオラ。業師である同代表のCTBラファエレ ティモシーとコンビを組み、どんなアタックを展開するか。
キヤノンスターティングメンバー
一方のキヤノンは、FW第1列に開幕節で存在感を示したPR東恩納寛太、20年のサンウルブズで活躍したボールハンター、HOエフィトゥシ・マアフ。運動量豊富な6年目の杉永亮太も2戦連続の先発だ。
ハーフ団には変更があった。
スタンドオフとして先週のリザーブから昇格したのは、チーム1年目、サンウルブズでもプレーしたSO小倉順平だ。
両センターも頼もしい。CTBマイケル・ボンドは苦境でも前に出られる貴重なランナー。FBエスピー・マレーは抜群のキック力で魅せる。
神戸製鋼FWは一人ひとりが強力だが、高いハンドリングスキルも兼備する。開幕節NEC戦でもFWユニットが連携し、細かいパスにより自陣深くからビッグゲインを生み出していた。
またモメンタム(勢い)が生まれた時のスイッチの入り方も強烈。キヤノンは堅陣を敷いて神戸製鋼の攻撃を封じたい。
キヤノンは経験豊富なSH田中、SO小倉というハーフ団のもと、どんなアタックを展開するか。開幕節で課題となった決定機での得点力も修正し、王者・神戸製鋼をおびやかしたい。
キヤノンは強力スクラムも見どころ。NTTドコモ戦では反則の繰り返しにより相手プロップをシンビン(10分間の一時退場)にさせるなど強力な武器になった。
果たして軍配はどちらに上がるか。注目のホワイトカンファレンス第2節「神戸製鋼コベルコスティーラーズ×キヤノンイーグルス」は2021年2月28日(日)午後1:50からJ SPORT 1で生放送、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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