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ラグビー コラム 2021年2月22日

多士済々のサントリーが大勝スタート。三菱重工相模原を下す。トップリーグ2021開幕節

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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2月20日(土)に開幕したラグビー国内最高峰「トップリーグ2021」。

神奈川・相模原ギオンスタジアムでは、6度目の頂点を目指すサントリーを、三菱重工相模原が迎え撃った。

ボーデン・バレット

焦点はやはり現役ニュージーランド(NZ)代表のSO/FB、サントリーの10番ボーデン・バレット

19年W杯日本代表のサントリー主将であるCTB中村亮土、前主将のSH流大とのコンビネーションも見どころとなったが、最高峰のプレーを期待するファンの期待を裏切らなかった。

サントリーは序盤から快調だった。

相手の反則から敵陣右に侵入し、FW陣がモールで前進。さらにCTB中村主将が内へ切れ込むと、最後はオーストラリア代表のCTBサム・ケレビがラック中央を突破して先制トライ。

センターコンビが自在に躍動し、SOバレットがコンバージョンを決めてトップリーグ初得点。7点を先取した。

すると直後に16、17年の世界最優秀選手、SOバレットが魅せた。

ボールを受けるとステップを受けて突進&オフロードパス。CTB中村の突破を演出し、さらにSH流へとパスが繋がり連続トライ。3人の19年W杯代表による連携が光り、14-0とリードを拡げた。

サントリーのCTB中村主将は、SOバレットについて「10番としてしっかりゲームをコントロールしてくれる。ランナーとしても優秀」と賞賛。

さらにスタンドオフ経験も豊富なCTB中村主将は「ボーディー(SOバレット)にプレッシャーが掛かっていると思うので、そこをサポートしながらやっていきたい」とコメントした。

前半11分、ホームの三菱重工相模原も反撃に転じる。

NZ代表21キャップのSOコリン・スレイド、チーム15年目のSH西舘健太という経験豊富なハーフ団が攻撃を率いる三菱重工相模原は、敵陣に侵入するとサンウルブズで18年から2季プレーしたCTBマイケル・リトルが左隅を突破。

相手CTBケレビを振り切って独力でチーム初トライを挙げると、SOスレイドも左隅からのコンバージョンを成功。7点を返した。

【ハイライト】三菱重工相模原 vs. サントリー|トップリーグ 2021 第1節

しかしここからサントリーのアタッキング・ラグビーが炸裂。

ラックをつくらず高速展開から前半13分、WTBテヴィタ・リーがトライを挙げ、さらに同28、33分とWTBリーが快足を活かしてハットトリック(3トライ)達成。

サントリーを率いる元ジョージア代表HC(ヘッドコーチ)ミルトン・ヘイグ氏は、WTBリーの能力に大きな信頼を寄せている。

「彼はNZから戻ってきた時から身体が仕上がっていた。26歳だが8年間プロとして活躍している。トライ王としても活躍できるように期待している」(サントリー・ヘイグHC)

そして前半終了間際にはSOバレットがトップリーグ初トライ。CTB中村の突進からワンステップで内へ切れ込み、難なくゴールポスト脇にチーム7トライ目。サントリーが前半を40-7で折り返した。

後半で存在感を示したのは、サントリーのルーキーWTB中野将伍。大型センターとして19年度早大の日本一に貢献した23歳は、この日はウイングでの先発だった。

「これまでウイングをしたことがなかったので(サントリーで)学ぶことが多く、練習試合を通し、持ち味である突破力が活かせるようにコミュニケーションを取ってきた。センターとしてもウイングでも出場できるように準備しています」(サントリー・WTB中野)

そんなWTB中野が後半に躍動した。

後半6分、CTBケレビのオフロードパスを受けて大外を突破すると、NO8テヴィタ・タタフの今季初トライを演出。

WTB中野は後半12分にもFB尾崎晟也の優的優位をつくる好走から独走トライを決め、スコアを50得点の大台に乗せた。54-7

さらにWTB中野は直後、守備でも相手懐からボールを強奪するプレーで会場を沸かせ、即戦力ルーキーとしての実力を示した。

「初めての公式戦でしたが、持ち味を出すことを意識しました。ミスもありましたが良い場面もあった。精度を上げていくことが課題です」(サントリー・WTB中野)

サントリーは後半16分、WTB中野と大学同期である元早大主将、齋藤直人が流にかわって途中出場を果たした。

見せ場をつくりたい三菱重工相模原だが、攻撃陣形を作れずスクラムハーフが判断を迷う場面も見られた。

ここでも手を緩めないサントリーは、途中出場の小澤直輝のジャッカル成功でカウンターを開始し、WTBリーがさらに後半19分に4トライ目。同32分にもFB尾崎のアシストからWTBリーが決め、なんと個人5トライの決定力を披露した。

後半36分にはアシストに徹してきたFB尾崎が、献身的な守備からインターセプト。終盤に約70メートル以上を走りきるスタミナ、スピードで独走トライ。

最終スコアは75-7となり、サントリーが爆勝スタート。サントリーのヘイグHCは「6か月間しっかり準備し、良い結果が出せた。70点以上取れ、良いディフェンスもあった」と及第点の様子だった。

そして注目のサントリーのSOバレット。試合後には「やっと開幕戦を迎えられました。サントリーのためにチームメイトのために戦えたことが感慨深い。ファンの皆さんの前でプレーできたことに喜びを感じている」と紳士的なコメントを残した。

大敗からのスタートとなった三菱重工相模原だが、次戦は今季初勝利を懸けて、福岡へ遠征して宗像サニックスと激突する。一方のサントリーは連勝をめざし、1敗のHondaと三重・鈴鹿で対戦する。

トップリーグ開幕へ尽力した関係者、ラグビーを待っていたファン、そして選手・スタッフ――ラグビーを愛するすべての人で創り上げていく「最後のトップリーグ」。熱い闘いは始まったばかりだ。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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