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今季も世界のトップ選手がトップリーグに参戦。現役オールブラックスのボーデン・バレット(サントリー)
いよいよ2月20日(土)から18シーズン目、そして来年から新リーグが始まるため、最後となるトップリーグが開幕する。
昨シーズンこそ、新型コロナウィルス感染拡大などの影響があり、6節で中断してしまったが、過去16シーズンのMVPを振り返りたい。そして、今シーズンの優勝争いと同時にシーズンMVPも占ってみたい。
シーズンMVPは優勝したチームからリーグが選出する最優秀選手である。つまり、レギュラーシーズンやプレーオフ(開催された場合のみ)を通じて、もっとも優勝に貢献し、そのシーズンの顔となった選手が選ばれると言えよう。当然、シーズンMVP受賞選手は、そのほとんどがシーズンの「ベスト15」にも選出されている。
実は過去のトップリーグでは、4チームしか優勝していない。東芝ブレイブルーパス、サントリーサンゴリアスが優勝5回ずつで、パナソニックワイルドナイツが4回、神戸製鋼コベルコスティーラーズが2回優勝している。つまりシーズンMVPも東芝、サントリーから5人ずつ、パナソニックから4人、神戸製鋼から2人が選出されているというわけだ。
シーズンMVPの一覧を見ると、日本代表や強豪国の代表キャップホルダーなど錚々たるメンバーが並ぶ。
初代シーズンMVPは日本を代表するCTB(センター)だった元木由記雄(神戸製鋼)であり、その後はWTB(ウィング)WTB小野澤宏時(サントリー)、LO(ロック)大野均(東芝)ら日本代表としてワールドカップで活躍した選手が並んでいる。
2017年度は現在、フランスのモンペリエで活躍しているFB(フルバック)松島幸太朗(サントリー)、2018年度はオールブラックスのレジェンドであるSO(スタンドオフ)ダン・カーターが選ばれている。
また、シーズンMVPに2回選ばれている選手は過去3人だ。1人目は「ジャッカルの名手」として世界的に名高かったオーストラリア代表FL(フランカー)ジョージ・スミス(サントリー)、2人目もオーストラリア代表でSO(スタンドオフ)ベリック・バーンズ(パナソニック)。
パナソニックHO堀江。3度目の受賞なるか
そして3人目は日本代表HO(フッカー)で、3度のワールドカップ出場を誇る堀江翔太(パナソニック)だ。なお、新人賞とシーズンMVPを同時受賞した選手は過去にいない。
◆トップリーグ歴代シーズンMVP
・2003年度:CTB元木由記雄(神戸製鋼)
・2004年度:LO/NO8ルアタンギ・バツベイ(東芝府中※現東芝)
・2005年度:FB立川剛士(東芝府中※現東芝)
・2006年度:CTB冨岡鉄平(東芝府中※現東芝)
・2007年度:WTB小野澤宏時(サントリー)
・2008年度:SOデイビッド・ヒル(東芝)
・2009年度:LO大野均(東芝)
・2010年度:HO堀江翔太(パナソニック)
・2011年度:FLジョージ・スミス(サントリー)
・2012年度:FLジョージ・スミス(サントリー)
・2013年度:SOベリック・バーンズ(パナソニック)
・2014年度:SOベリック・バーンズ(パナソニック)
・2015年度:HO堀江翔太(パナソニック)
・2016年度:WTB中鶴隆彰(サントリー)
・2017年度:FB松島幸太朗(サントリー)
・2018年度:SOダン・カーター(神戸製鋼)
元オールブラックスのスミス(右)とクルーデン
それでは今年のシーズンMVPを占っていきたい。もし、神戸製鋼が連覇を達成したら、やはり2018年度のSOカーターのように、2年目のLOブロディー・レタリック、新加入のCTB/FBベン・スミス、SOアーロン・クルーデンといったオールブラックス経験豊富な選手が輝くことになるか。それとも共同キャプテンに就任した元日本代表SH(スクラムハーフ)日和佐篤が選ばれるかもしれない。
サントリーが最多の6度目の優勝を飾ることになると、やはり現役オースブラックスの10番であるSOボーデン・バレットや、新たにキャプテンに就任した日本代表CTB中村亮土、元オーストラリア代表で突破力に長けたCTBサム・ケレヴィあたりが有力選手となるだろうか。
また、パナソニックが2015年度以来の5度目の優勝ということになると日本代表HO堀江翔太が3度目のMVP受賞の可能性も出てくるかもしれない。はたまた今季がラストシーズンとなる予定の元日本代表WTB福岡堅樹、「笑わない男」PR(プロップ)稲垣啓太、キャプテンHO坂手淳史ら、ワールドカップメンバーや、元イングランド代表LOジョージ・クルーズらといった新戦力も候補に挙がってくるかもしれない。
東芝の復活優勝のカギはFLリーチ
東芝が6度目の優勝をすることになれば、ワールドカップで日本代表のスキッパーを2度務めたFLリーチマイケルが初受賞なるか。もちろん、4つの優勝経験チーム以外にもトヨタ自動車ヴェルブリッツやヤマハ発動機ジュビロ、クボタスピアーズなどが初優勝を飾るかもしれない。
ラストシーズンのFB五郎丸
また、今年がラストシーズンとなる元日本代表FB五郎丸歩や、昨年11トライを挙げたWTBマロ・ツイタマ(ともにヤマハ発動機)、元日本代表でチームのキャプテンを務めるCTB立川理道、2019年ワールドカップで南アフリカの優勝に貢献したHOマルコム・マークス、元オーストラリア代表SOバーナード・フォーリー(いずれもクボタ)らが受賞するかもしれない。
いずれにせよ最後のトップリーグでは、優勝争いと同時にシーズンMVPが誰になるかを予想しながら見ると、よりいっそう楽しくなるはずだ。ラストシーズンのトップリーグを象徴する選手はいったい誰になるのだろうか。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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