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ラグビー コラム 2021年2月19日

オールブラックスの新旧10番対決も実現。三菱重工相模原×サントリー。トップリーグ2021開幕節

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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いよいよ2月20日(土)に開幕するラグビー国内最高峰「トップリーグ2021」。

開幕節は神奈川・相模原ギオンスタジアムで、17年度以来6度目の王座をめざすサントリーを、地元(相模原市)を拠点とする三菱重工相模原が迎え撃つ。

サントリースターティングメンバー

サントリーは19年度よりニュージーランド(NZ)出身の元ジョージア代表HC(ヘッドコーチ)、ミルトン・ヘイグ氏を指揮官に招いている。

今季主将は19年W杯日本代表のCTB/SO中村亮土。帝京大の5連覇時の主将は副将選びを一任されたといい、今後のリーダーとしてHO堀越康介、手抜きをしないハードワーカーとしてLO/FLトム・サベッジの2名を副将に指名した。

指揮官交代による注目点のひとつは伝統文化の取り扱いだろう。チーム文化の継承か、それとも刷新か。チーム7年目の中村主将は「文化は継承されています」と語った。

「(今年のチームスタイルも)アグレッシブ・アタッキング・ラグビーです。貪欲にどこからでもトライを取りにいくラグビーをしたいです。プラスアルファで、“トップリーグでNo.1のディフェンス力”を誇るチームにもなりたいです」

そして今季、サントリー伝統のアタッキングラグビーを引っ張る世界最高の司令塔が加入した。

三菱重工相模原戦で、現役ニュージーランド代表の世界的スター、SOボーデン・バレットが10番を背負う。

バレットは元ニュージーランド代表の英雄司令塔、ダン・カーター(元神戸製鋼)の後継者の一人であり、16、17年に世界最優秀選手を受賞。

サントリー中村主将から見ても「ラン、キック、パス、どれをとっても一級品」。劣勢でもひとり実力を発揮する驚異の安定性、ミスボールを見逃さぬ嗅覚、そこからトライを獲り切る圧倒的なスピード――ラグビーの申し子といえる世界最高峰の29歳がついにお目見えする。

サントリーのメンバ-23人では、5年目のHO中村駿太、2年目のLO辻雄康、ムードメーカーでもある4年目のFL飯野晃司らが先発を掴んだ。

SOバレットとコンビを組むスクラムハーフは、19年W杯日本代表で前主将の流大。競争が激しいCTBでスタメンを飾るのは中村主将、19年W杯オーストラリア代表の大砲、サム・ケレビだ。

大卒ルーキーで先発を掴んだのはWTB中野将伍。中野とは早大同期で、サンウルブズ参加経験もある齋藤直人はリザーブに入った。

三菱重工スターティングメンバー

一方の三菱重工相模原は、18年からNZ出身のグレッグ・クーパーがHCを務める。共同主将は関東学大卒のNO8土佐誠、そして白鴎大卒のFLトーマス優デーリックデニイだ。

英オックスフォード大への留学経験もある語学堪能な土佐、フィジー代表3キャップを持つトーマス優が国際色豊かなチームをまとめる。

三菱重工相模原といえば2019年度のトップリーグ初勝利だ。第5節NEC戦に21-14で競り勝ち、07年度以来12季ぶりに昇格したトップリーグで悲願の初勝利を挙げた。

初戦の相手となったサントリーは格上だが、クーパーHCは新シーズンへ向けて「新しいラグビースタイルを発揮したい」と意気込んでいる。

三菱重工相模原の能力も高い。

サントリー戦のメンバー23人が発表されており、バレットとマッチアップする10番はコリン・スレイド

ニュージーランド代表21キャップを誇り、W杯2大会(2011、2015)に出場した。ダン・カーターのバックアップ役の一人だったが、15年W杯後にフランスへ渡り、ポーで5季プレーした。

33歳のスレイドも実力者だが、英雄ダン・カーターの正統後継者としてその後のオールブラックス(NZ代表)を牽引してきたのは29歳のバレットだったろう。そんな2人が日本でマッチアップするのだから感慨深い。

またNZ代表経験者ではLOジャクソン・ヘモポも5キャップ保持のハードワーカーだ。ゲーム主将はFLトーマス優が担い、36歳のFL小林訓也とスクラムの両サイドにつく。

SOスレイドとコンビを組むのは、チーム15年目のベテランSH西舘健太。そしてサンウルブズで18年から2季プレーし、最高峰の前進力を世界に示したCTBマイケル・リトルも先発する。

レッドカンファレンスの開幕節「三菱重工相模原ダイナボアーズ×サントリーサンゴリアス」は2021年2月21日(日)午後1:50からJ SPORTS 2で生放送、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。

国内外の才能の競演となる一戦。待ちに待った日本最高峰の戦いを存分に楽しみたい。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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