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ラグビー コラム 2021年1月19日

明治大学、4年連続ラグビー全国大学選手権ベスト4。箸本組の戦いを振り返る

ラグビーレポート by 明大スポーツ新聞部
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箸本龍雅主将

全国大学選手権決勝の舞台、国立競技場に紫紺のジャージーの姿はなかった。天理大学が初の日本一に輝き、幕を閉じた今季の大学選手権。明治大学は、1月2日に行われた準決勝で、その天理大に15-41で敗れ、シーズンを終了した。

関東大学対抗戦、関西大学リーグ戦王者の直接対決となった準決勝。観衆9000人に見守られる中、試合は早々に動く。前半2分、ディフェンスの空いた大外にボールを振られ、先制点を献上。対抗戦時から再三、課題として挙がっていた「試合の入り」で後手を踏んだ。

以降、試合は均衡状態になる。得点が動かぬまま迎えた24分、風穴をこじ開けたのは明大だった。ピッチ中央でのラインアウトからボールを展開。フェーズを重ねながらじわりじわりと敵陣に進出していくと、ディフェンスのスキを突いた右LO(ロック)高橋広大(情コミ4=桐蔭学園)から右WTB(ウイング)石川貴大(政経4=報徳学園)にボールがつながり、右隅にグラウンディング。同点に追いつく。

SO森勇登

このまま勢いに乗りたかったが、「ディフェンスで差し込まれてしまった」(SO/スタンドオフ森勇登・政経4=東福岡)。その後は天理大の息もつかせぬ猛攻に翻弄された。自陣での苦しい時間が続く中、トライを連取され5-19。2トライ差を追いかける展開で前半を折り返した。

後半に入っても形勢は崩せなかった。開始10分で2トライを先んじられてしまう。それでも執念を見せ、13分にはFB(フルバック)雲山弘貴(政経3=報徳学園)、15分には石川が立て続けにトライ。

光明を生み出したが、反撃のもここまで。終盤さらに追い打ちをかけられ、最終スコア15-41。初優勝、そして関西勢36大会ぶりの日本一奪取に燃える漆黒の壁は、想像よりもはるかに高かった。

新型コロナウイルス感染拡大により激動のなか迎えた2020シーズン。例年、チームの土台をつくる春季シーズンは中止を余儀なくされた。「先が見えない、(対抗戦や大学選手権が)行われるかどうかも分からないなか、1人で強化をするのは本当に苦しい」。

松下忠樹主務(営4=明大中野)が4月当時に語った通り、選手は半数が帰郷し、モチベーションの維持に苦心した。

それでも10月に対抗戦が無事開幕すると、立教大学、青山学院大学、筑波大学を撃破。順調に白星を重ねる。11月に入り、強豪校との連戦が続く。慶應義塾大学に12-13と1点差で敗れたものの、次戦・帝京大学に勝利。伝統の明早戦では34-14で快勝し、22年ぶりとなる対抗戦連覇を果たした。

「主将として、応援してくれた方々に落ち込んだ姿を見せるのは嫌だった」。準決勝・天理大戦後、箸本龍雅主将(商4=東福岡)に涙はなかった。「楽しかったと全員が思える1年にしたい」。シーズン開幕前のインタビューで語った箸本。主将はその言葉を体現するように、グラウンド上では気丈に振る舞い続けた。

「心からラグビーが好きな、向上心の高い学年だった」(田中澄憲監督)。箸本や森、片倉康瑛(法4=明大中野)、山沢京平(政経4=深谷)など、下級生から出場し続けたメンバーをはじめ「箸本世代」は、入学前年、3回戦敗退に終わった明大を確実に上昇気流に乗せた。

「常に4強争いができるチームに」(田中監督)。彼らが2年次に経験した日本一を再現することは叶わなかったが、4年連続全国4強と明大を大学ラグビーの中心に引き戻した功績は多大だった。

「今までやってきたことを否定するつもりはない。切り換えて次に進みたい」(飯沼蓮・営3=日川)。冬を越え、春からは各ポジションで新たなメンバー争いが過熱する。成しえなかった4年生の思いもともにのせ、日本一への飽くなき情熱は次の世代に託された。

文/写真:上松凜助(明大スポーツ新聞部)

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明大スポーツ新聞部

1953年(昭和28年)創部。現在明治大学において唯一の学生新聞部。明治大学体育会43部の競技成績や、学内外の話題を幅広く紙面・WEBサイト上にて掲載、発信。 現在の部員数は56名。

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