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オンラインで会見を行う太田チェアマン
1月14日(木)、16日(土)から開幕予定だったトップリーグ2021大会に関して、日本ラグビー協会専務理事の岩渕健輔氏とトップリーグチェアマンの太田治氏の2人が、オンラインでメディアブリーフィングを行った。
結論から先に言うと、1月16日(土)から開幕する予定だったトップリーグは2月初旬から中旬に延期されることが決まった。
12月末にリーグが行ったPCR検査では、新型コロナウイルスの陽性者はあまり出てこなかったという。リーグでは2週間に1度、PCR検査を行うことになっており、1月に入って再び検査を実施。
火曜までトヨタ自動車ヴェルブリッツ、サントリーサンゴリアス、キヤノンイーグルスの3チームから計24名の新型コロナウイルス感染症の陽性者が確認。そして各チームの試合開始の体制が整わないことから、開幕カード2試合が中止されていた。
また、本日新たにNECグリーンロケッツ、神戸製鋼コベルコスティーラーズ、東芝ブレイブルーパスから、計18名の陽性者が確認されて8試合中、計5試合が中止となった。
さらに濃厚接触者の判定にも時間がかかっており、現状況では選手、関係者の安心、安全を守った上での試合開催が困難という判断がなされてトップリーグ開催の延期が決定された。
「グレーのままで進めることは難しく、第2節への影響もあります。このままではリーグの成立条件である(ファーストステージで)75%の試合行うことに満たないので、早い段階でフォーマットを変えてリーグの運営を再度していきたい」(岩渕専務理事)。
その後の日本代表日程などもあり、もともとプレーオフの決勝が開催される予定だった5月23日(日)までに、トップリーグの全ての日程を終えることは変わらないという。
想定される4つのプラン
トップリーグでは途中でリーグが中断した場合に備え、A~Dのプランを想定していた。今回は開幕前の判断だったことから、開幕を延期しつつ、2月の上旬から中旬にファーストステージを開幕させる。
その上でセカンドステージがなくなり、トップリーグ16チームとトップチャレンジチーム上位4チームの計20チームによるトーナメントで、優勝チームを争うAプランが検討されているという。
いずれにせよ、各チームともにかなり気を遣って感染対策などしてきたが、それでも陽性者が出てしまったという事実もある。太田チェアマンは「各チームにヒアリングして、健康管理、行動記録などのガイドラインをより厳格化するかどうかを含めて、チームのみなさんと決めていきたい」と話した。
リーグ成立を目指すと岩渕専務理事
また、岩渕専務理事は「現状、今行っているガイドラインを厳格化して、とにかく、チーム、選手がリーグ成立させたい思いを持っている」と語気を強めた。
来年から新リーグが始まり、今季は最後のトップリーグである。岩渕、太田両氏からは何としても「最後のトップリーグを成立させたい」という強い思いが伝わってくる。トップリーグの新たな開幕日、そして新たなリーグのフォーマットは決まり次第、発表される。
文:斉藤健仁
◆開幕延期決定の背景(岩渕専務理事)
・リーグを成立されることを最優先に開幕延期を決定
・サントリー,トヨタ自動車,キヤノンに加えて、新たに3チーム(NEC,神戸製鋼,東芝)から陽性者確認で、計5試合の中止が確定
・1月14日現在、6チーム62名陽性者確認・陽性者ゼロを目指しつつ、陽性者ゼロでなくとも2月開幕を目指す
・陽性者なしチームでどういった対策が有効なのかを確認しつつ、対応策を全チームで共有、ガイドライン厳格化
・新リーグの審査については、チームと確認を取りながら準備を進めていく方向は変わらない
◆今後の運営(太田チェアマン)
・再検査の選手がおり、濃厚接触者の確定が時間かかり、グレーのままでは試合開催が困難
・開幕前のタイミングであるため、新たなフォーマット・パターンAをベースに最終調整
・2月の上旬から中旬の開幕を目指す
・再開時の観客入れは政府の方針に従う(50%もしくは5,000人の少ない方)
・2月中旬開幕目途の決定の根拠は選手の復帰期間での決定(政府の自粛要請明けとは関係ない)
・Aプランで総当たり・トーナメントを5月23日決勝で調整
・16チーム(トップチャレンジリーグ含め25チーム)でのバブル(隔離エリア)で開催することは現時点ではない
・開幕節、国立での開催は厳しい
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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