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12月30日、大阪・東大阪市花園ラグビー場で100回目を迎える「花園」こと、全国高校ラグビー大会の2回戦・16試合が第1~3グラウンドで行われた。1回戦は記念大会のため出場校数が例年より12校多い63校が出場したため25分ハーフで行われたが、2回戦から30分ハーフに戻った。
今大会最後に登場した東海大大阪仰星のWTB岡村優太
唯一、1回戦が免除されたシード校の東海大大阪仰星が登場し、63校すべてが花園のピッチを踏んだ。そしてシード校8校中、2校が敗れて2回戦で姿を消すことになった。
第1グラウンドでは大会最多となる6試合が行われた。第1試合は、地元・大阪の強豪校・常翔学園(大阪第3)が鹿児島実業(鹿児島)を寄せ付けず、9トライを挙げて快勝。第2試合はシード校・目黒学院(東京第1)に出場2度目の分東明(大分)がチャレンジ。大分東明が常にリードする展開となり、フィジー出身NO8(ナンバーエイト)セコナイア・ブルの2トライを挙げる活躍もあり、25-12で勝利し初のベスト16入りを決めた。
桐蔭学園の1年生WTB松田怜大
第3試合は68回の最多出場を誇る秋田工業(秋田)と西陵(愛知第2)が対戦。秋田工業がNO8土肥大貴(3年)、WTB(ウィング)淡路泰生(3年)の2人がハットトリックを達成し、48-0で快勝。第4試合は連覇がかかる桐蔭学園(神奈川)が、日本航空石川(石川)と対戦。前半は6-0と苦戦したが、後半は地力の差を見せ、モールや1年生WTB松田怜大のトライなどで37-0と勝利した。
第5試合は中国王者の尾道(広島)が城東(徳島)を圧倒し、CTB(センター)村田佳翼(3年)らが前に出て10トライ。64-5で快勝した。第6試合はこの試合が最初の試合となったシード校の東海大大阪仰星が、九州大会準優勝の佐賀工業(佐賀)の挑戦を受けた。粘り強い守備と獲り切る力で上回った東海大大阪仰星が、WTB大畑亮太、岡村優太(ともに3年)らのトライで31-7と勝利した。
◆第1グラウンド
●鹿児島実業(鹿児島)7-67 常翔学園(大阪第3)○
●目黒学院☆(東京第1)12-25 大分東明(大分)○
●西陵(愛知第2)0-48 秋田工業(秋田)○
○桐蔭学園☆(神奈川)37-0 日本航空石川(石川)●
○尾道(広島)64-5 城東(徳島)●
○東海大大阪仰星☆(大阪第1)31-7 佐賀工業(佐賀)●
第100回 全国高校ラグビー大会 2回戦
【ハイライト】関西学院(兵庫))vs. 流経大柏(千葉)
第2グラウンドでは5試合が行われた。第1試合は2回戦屈指の好カード、シード校の関西学院(兵庫)と、一昨年ベスト4の流通経済大柏(千葉)が激突した。試合はスクラム、接点で上回った流通経済大柏がペースをつかみ、身長201cmのNO8ディアンズ・ワーナーらのトライで26-7と勝利した。
流経大柏、後半24分、SH尾崎太亮のトライ
第2試合は東海大相模(関東ブロック・神奈川)が、粘る山形中央(山形)を後半突き放し、武器とする展開力で8トライを重ね、50-7で快勝した。第3試合はシード校の大阪朝鮮高が昌平(埼玉第2)と対戦。大阪朝鮮高がFW(フォワード)、BK(バックス)一体となったアタック力で、守備力が武器の昌平から7トライを奪って勝利した。
第4試合は夏から調子を上げている石見智翠館(島根)が、四日市工業(東海ブロック・三重)を序盤から圧倒し、11トライを挙げて63-0で快勝。第5試合はシード校の京都成章(京都)に早稲田実業がチャレンジ、引き締まった展開となるが、FWの力強さ、守備で上回る京都成章がLO(ロック)本橋拓馬(3年)らのトライで33-0と勝利した。
◆第2グラウンド
●関西学院☆(兵庫)7-26 流経大柏(千葉)○
○東海大相模(関東ブロック・神奈川)50-7 山形中央(山形)●
○大阪朝鮮高☆(大阪第2)43-0 昌平(埼玉第2)●
○石見智翠館(島根)63-0 四日市工業(東海ブロック・三重)●
○京都成章☆(京都)33-0 早稲田実業(東京第2)●
第3グラウンドでも5試合が行われた。初のベスト8入りを目指す中部大春日丘(愛知第1)は、伝統的にFWが強い新潟工業(新潟)に対して真っ向勝負。BKも走力で上回り、8トライを挙げて48-5で快勝した。
苦しい展開を制した御所実業
第2試合はシード校の御所実業が、関東大会2位の国学院栃木と激突した。前半はリードされる厳しい展開となったが、得意のモールなどで2トライを挙げ、12-5で御所実業が逆転勝利した。第3試合は仙台育英(宮城)と、青森山田(青森)の東北勢同士の対戦となったが、総合力で上回る仙台育英が43-13で勝利した。
ハットトリックの東福岡CTB寺下功起
第4試合は花園では初めてとなる、東福岡(福岡第1)と筑紫(福岡第2)の福岡勢対決となった。前半から展開力で上回る東福岡のペースなり、CTB寺下功起(3年)がハットトリックの活躍を見せ、48-5で貫禄勝ちを収めた。第5試合は長崎北陽台(長崎)が明和県央(群馬)と対戦。長崎北陽台は、前半こそ相手の粘りの守備の前に攻めあぐんだが、後半6トライを挙げ、56-0で快勝した。
◆第3グラウンド
●新潟工業(新潟)5-48 中部大春日丘(愛知第1)○
○御所実業☆(奈良)12-5 国学院栃木(栃木)●
○仙台育英(宮城)42-13 青森山田(青森)●
○東福岡☆(福岡第1)48-5 筑紫(福岡第2)●
○長崎北陽台(長崎)56-0 明和県央(群馬)●
12月27日、28日の1回戦、そして12月30日の2回戦を終えて、花園はベスト16が出揃った。元日には3回戦8試合が行われ、ベスト8が決まる。優勝候補のシード校が勝つのか、それともノーシード校が1・2回戦で勝った勢いを見せるのか。
【1月1日 3回戦試合予定】
◆第1グラウンド
・10:00 東海大大阪仰星☆(大阪第1)vs. 長崎北陽台(長崎)
・11:25 東福岡☆(福岡第1)vs. 石見智翠館(島根)
・12:50 大阪朝鮮高☆(大阪第2)vs. 秋田工業(秋田)
・14:15 大分東明(大分)vs. 中部大春日丘(愛知第1)
◆第3グラウンド
・10:00 京都成章☆(京都)vs. 尾道(広島)
・11:25 桐蔭学園☆(神奈川)vs. 仙台育英(宮城)
・12:50 御所実業☆(奈良)vs. 東海大相模(関東ブロック・神奈川)
・14:15 流経大柏(千葉)vs. 常翔学園(大阪第3)
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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