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激戦となった東海大学vs.帝京大学
12月19日(土)、ラグビー大学選手権準々決勝が東西で2試合ずつ、計4試合が行われた。大阪・東大阪市花園ラグビー場では2試合が行われ、第1試合は初優勝を狙う東海大学(関東大学リーグ戦1位)と、3大会ぶりの王座奪還を目指す帝京大学(関東大学対抗戦4位)が激突した。
過去、両者の大学選手権での対戦と言えば、2009年度、2015年度、2016年度に決勝で対戦し、いずれも帝京大学が勝利して優勝している。また、2017年度も準決勝で対戦し、31-12で帝京大学が勝利していた。
東海大学は部員に新型コロナウィルスの感染者が出たため、関東大学リーグ戦の最終戦、12月6日(土)の日本大学戦を辞退して不戦敗となった。ただ、それでも6勝1敗でリーグ戦3連覇を達成した。東海大学は12日(土)から練習を再開して、この試合のために備えてきた。
帝京大学は対抗戦前半戦こそ好調だったが、後半戦は早稲田大学、明治大学、慶應義塾大学に敗れて、4位で大学選手権に駒を進めた。ただ、13日の大学選手権3回戦、対戦相手の同志社大学(関西大学リーグ2位)は部員に新型コロナウィルス感染者が出たために辞退。帝京大学の不戦勝となった。
東海大学の先発はリーグ戦最後となった、11月22日(日)の流通経済大学戦から主将のNO8(ナンバーエイト)吉田大亮(4年)を始め、FW(フォワード)に変更はなし。
BK(バックス)は1年の谷口宜顕(東海大大阪仰星)がWTB(ウィング)からFB(フルバック)に下がり、14番には突破力もあり、スキルも高い1年のポロメア・カタ(東海大福岡)が先発した。11番にはWTB林隆広(3年)が先発予定だったがケガのため、試合直前にリザーブに回っていたWTB杉山祐太(4年)が入った。
一方、帝京大学は12月6日(土)の慶應義塾大学戦からFWは3人、BKは4人と計7人と大きく変更して臨んだ。
BKを見ると、ハーフ団はSH(スクラムハーフ)土永雷、SO(スタンドオフ)北村将大の4年生コンビから、SH片岡祐二、SO高本幹也の2年生コンビを起用。さらに中盤の攻守の要、CTB(センター)ニコラス・マクカラン(4年)が開幕戦以来の先発に復帰。13番から15番までは伏見工業(現・京都工学院)出身の4年生、CTB尾崎泰雅、木村朋也(4年)、FB奥村翔(4年)が並んだ。
ラグビー 全国大学選手権 準々決勝
【ハイライト】東海大学 vs. 帝京大学
FWはPR(プロップ)近藤芽吹(4年)と、3番に復帰した細木康太郎(3年)が先発し、HO(フッカー)はルーキーの江良颯(大阪桐蔭出身)が務める。LO(ロック)のコンビもアレクサンダー・マクロビー(2年)、久保克斗(4年)の2人を新たに起用した。
東海大学としては、大学選手権で未勝利の帝京大学に勝って初優勝に向けて勢いに乗りたいところだった。一方の帝京大学としては、リーグ戦王者を破って力のあるところを証明したい試合だった。FWが力強く、BKにも決定力がある選手が揃う強豪同士の一戦は、11:35に東海大学のボールでキックオフされた。
東海大学の粘りのディフェンス
東海大学は前半5分、1年生SO(スタンドオフ)武藤ゆらぎ(東海大大阪仰星)のランから攻撃を仕掛けて、相手の反則を誘ってWTB(ウィング)杉山裕太が30mのPG(ペナルティゴール)を決めて、3-0と先制した。その後、帝京大学が相手陣でアタックする時間が多くなるが、東海大学の粘りのディフェンスに阻まれ、なかなか得点できないまま時間が経過する。
しかし、前半終了間際の38分、帝京大学は相手ゴール前で、スクラムでプレッシャーをかけると、東海大学の反則がなければトライだったという判定で、ペナルティトライ。7-3と逆転に成功する。ロスタイム、FB(フルバック)奥村翔(4年)の左中間のPGは外れてしまったが、帝京大学が4点をリードした形で前半を折り返した。
後半も序盤は互いに一進一退の攻防となる。それでも14分、帝京大学は相手キックをクイックスローイングで入れてボールを継続、ゴール前中央ラックから出たボールを受けたPR(プロップ)細木康太郎(3年)が右サイドを突破。
相手ディフェンスのタックルを受けながらもWTB木村朋也にオフロードパスを通し、木村は右中間に飛び込んでトライ。FB奥村のゴールも決まり、14-3と点差を広げる。
東海大学も逆転を目指しアタックを継続して攻め込み、26分、相手反則からのラインアウトをモールで押し込み、最後は途中出場のHO土一海人(3年)がトライを挙げて、8-14と6点差に追い上げる。
試合終了間際、逆転勝利を狙って東海大学は連続攻撃をしかけるも、帝京大学のディフェンスの集中力が途切れることなく、最後は東海大学のノックオンを誘って、そのままノーサイド、帝京大学が激闘を制して14-8で逃げ切った。
帝京大学が振り切りベスト4進出
惜しくも勝つことができなかった東海大学の木村季由監督は、「リーグ戦の中で培ってきたものを、今日の試合に全て出し切る思いの中で、全員1つになって臨みました。80分間の中で我々の思いを切らすことなくプレーすることができましたけれども、ちょっとしたところでミスが起きたりしました」と敗因を語った。
ただ、指揮官は「最後まで勇敢に戦ってくれた学生たちを本当に誇りに思いますし、負けはしましたが、私にとっては大切な試合になりました」と選手たちを労った。
キャプテンのNO8吉田は、「まず、大学選手権開催にむけてご尽力いただきました皆様に感謝申し上げたい。本当に多くの方のおかげで今の自分たちがいると思います」と周囲に感謝を述べた。
そして、「結果として負けてしまいましたが、何か1つでも伝えることができればと思いますし、自分たちがやってきたことは間違っていなかったんだということは胸を張っていうことができます。僕のこの4年間でベストゲームだと思います」と続けた。
接戦を制した帝京大学の岩出雅之監督は、「一進一退のゲームでしたが、学生なりに一生懸命タックルに行っていたと思いますし、少ないチャンスをしっかりとスコアにつなげていって勝利することができた。粘り強さもありましたが、まだまだ甘いミスもありました。もっと成長していきたい」と勝利に安堵しながらも、準決勝に向けて気を引き締めていた。
ゲームキャプテンを務めた副将FB奥村は、「同志社大学さんの分もしっかり背負って試合をしようと臨みました。この試合までにしっかり準備してきたタックル、ペナルティをしない、それを貫くことができたのが勝因かなと思います」と胸を張った。
2大会ぶりに準決勝へ駒を進めた帝京大学は、2021年1月2日(土)、東京・秩父宮ラグビー場でディフェンディングチャンピオンの早稲田大学(関東大学対抗戦2位)と対戦する。帝京大学にとっては対抗戦で負けている相手だけに、リベンジに向けて気合いが入る試合となるはずだ。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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