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ラグビー コラム 2020年12月20日

【ハイライト動画あり】早稲田大学、早慶戦に勝って3大会連続の準決勝進出。ラグビー全国大学選手権

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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接点で前に出る早大1年FL村田

12月19日(土)、ラグビー大学選手権準々決勝が東西で2試合ずつ計4試合が行われた。東京・秩父宮ラグビー場では、慶應義塾大学(関東大学対抗戦3位)と、連覇を狙う早稲田大学(同2位)の「早慶戦」が行われた。

11月23日に行われた対抗戦での「早慶戦」では、早稲田大学が22-11で勝利した。また、2年前の大学選手権でも同じ準々決勝で対戦し、早稲田大学がロスタイムに20-19で逆転勝利を収めている。

ただ、慶應義塾大学は最終戦で、帝京大学に逆転勝利を収め、対抗戦で3位となり、続く大学選手権の3回戦でも京都産業大学(関西大学リーグ3位)に47-14で快勝して勢いに乗っている。それだけに、戦前から競った試合が予想されていた。

前売りチケットは完売し、7362人のファンが集う中、11:35に早稲田大学ボールでキックオフされた。

前半5分、相手ボールのハイパントキックを早稲田大学LO(ロック)下川甲嗣(4年)がキャッチすると、敵陣でボールを継続し、敵陣25m付近でスクラムのチャンスを得る。

「自分たちから仕掛けようと言い続けていた」というキャプテンNO8(ナンバーエイト)丸尾崇真(4年)自らがスクラムから持ち出し、そのままブラインドサイドを突いてトライを挙げ、5-0と先制する。

2トライを挙げた早稲田WTB槇

さらに1年のFL(フランカー)村田陣悟(京都成章出身)がジャッカルを決めて、再び早稲田大学が相手陣22m内でチャンスを得る。14分、モールを押した後にボールを左右動かし、FL村田が前に出た後、FB(フルバック)河瀬諒介が左大外にロングパス。WTB(ウィング)槇瑛人(2年)が右隅にトライし、10-0とリードする。

慶應義塾大学も負けじと前半18分、相手陣の奥で絶好のチャンスを得るが、ラインアウトをミスしてしまい、得点に結びつけることができない。

初先発で大学初トライを挙げた早稲田CTB伊藤

すると20分、早稲田大学はFL相良昌彦(2年)が相手にタックル、こぼれたボールを、今シーズン初先発の1年生のCTB伊藤大祐(桐蔭学園出身)が拾い上げ、55m走り切ってトライ、ゴールも決まって早稲田大学が17-0と大きくリードした。

トライを決める慶應FL山本

慶應義塾大学は26分、相手の反則から22m内に入り、マイボールラインアウトのチャンスを得る。1年のNO8福澤慎太郎(本郷出身)からパスを受けたFL山本凱(3年)が内に切れ込んでトライ。ゴールも決まり7-17とした。

一方、早稲田大学もSO(スタンドオフ)吉村紘(2年)のゲインから相手陣15m、左サイドのスクラムのチャンスを得る。36分、右に展開し、SO吉村のロングパスを、右タッチライン際で受けたWTB槇が相手のタックルを外し、飛び込んで2本目のトライを挙げて、24-7として前半を折り返した。

後半、先にチャンスを得たのは17点を追う慶應義塾大学だった。しかし、相手の反則から敵陣でプレーするが、早稲田大学の粘りのディフェンスの前になかなか得点を挙げることができない。

後半12分、慶應義塾大学は相手のスクラムでの反則後、素早くリスタートし、ボールを継続して最後はCTB(センター)イサコ・エノサ(2年)がステップから中央にトライを挙げて、14-24と10点差に追い上げる。

慶應義塾大学は20分、中央右からPG(ペナルティゴール)のチャンスを得たが、1年FB山田響(報徳学園出身)が外してしまう。その後は拮抗した状態が続くが、お互いに得点を挙げることができない。

早稲田WTB古賀のトライ

すると試合終了間際、ゴール前で早稲田大学が右に攻めると見せかけて、左に展開。FB河瀬からWTB古賀由教(4年)につないで、そのまま左隅に持ち込んだ。ゴールは決まらなかったが、早稲田大学が29-14としてノーサイドを迎え、3年連続で準決勝に駒を進めた。

慶應義塾大学の栗原徹監督は「トライを取り切ることが修正点だったが、その場所まであまり行けなかった。1つ1つの局面で、早稲田大学のブレイクダウン、タックル、起きた後の押し込みで少しプレッシャーを受けました。その小さな積み重ねが結果として、エリアが取れなかったことにつながったのではないか」と肩を落とした。

ラグビー 全国大学選手権 準々決勝

【ハイライト】慶應義塾大学 vs. 早稲田大学

また、前半の早い段階で副将のタックラーCTB三木亮弥(4年)が負傷でいなくなったことに関して指揮官は、「外のエリアで前に出てタックルできる三木がいなくなったことは、相手のアタックに勢いをつけさせてしまった。非常に大きな欠場でした」と話した。

タックルを受けて慶應CTB三木は前半17分に交替

キャプテンLO相部開哉(4年)は「チャレンジャーとして、どれだけひたむきに、相手に対して自分たちのペースを貫けるか焦点を当てて戦ったが、ところどころに早稲田大学さんの圧に耐えきれず得点許して、こういう結果になってしまった。非常に残念ですが、ここから後輩たちが学んで活かしてくれればと思います」と気丈に話した。

対抗戦に続いて勝利した早稲田大学の相良南海夫監督は、「セットプレーはラインアウトでプレッシャーをかけたり、スクラムを安定的に組めたりしたことは良かった。何より、この試合に臨む姿勢、相手より上回る気持ちで戦える姿勢が80分、見えたことが非常に良かった」と選手たちを称えた。

キャプテンNO8丸尾は、先制トライを振り返って、「チームとしても個人としても先に仕掛ける、バトルしにいくことを考えていたので、自分らしく行けて良かった」と胸を張った。ただ後半、相手ペースになった点については「ディフェンスのブレイクダウン回りで、精度高く、我慢強くやっていきたい」と反省することも忘れなかった。

1月2日(土)、秩父宮ラグビー場で行われる準決勝、早稲田大学は帝京大学(関東大学対抗戦4位)と対戦する。対抗戦では45-29と勝った相手だが、関東大学リーグ戦王者の東海大学に勝利して勝ち上がってきた相手だけに油断はできない。

勝利し、連覇に王手をかけたいところだが、キャプテンNO8丸尾は「先を見ず、帝京に勝つために、1日1日、積み重ねて戦っていきたい」と冷静に話した。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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