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ラグビー コラム 2020年12月15日

指揮官とリーチ マイケルが語る日本代表、2023年へのスタート。ラグビーワールドカップ抽選会

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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2023年について話すリーチ(写真提供:東芝)

パリで行われた2023年ラグビーワールドカップフランス大会のプール組分け抽選会を受けて、ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)と、2015・19年のワールドカップでキャプテンを務めたFL(フランカー)リーチ マイケルが、12月15日にオンラインで報道陣に対応した。

2019年大会でベスト8に入り、自動的に2023年の出場権を得ていた日本代表(現在、世界ランキング10位)は抽選の結果、プールDに入り、優勝経験があり、2019年大会準優勝のイングランド(同2位)、ワールドカップで過去2大会ベスト4進出のアルゼンチン(同8位)、オセアニア第1代表(サモア代表かトンガ代表が有力)、南北米大陸第2代表(アメリカ、ウルグアイやカナダなどが有力)と同組となった。

2023年の組み合わせが決定

プールDに入った率直な感想を聞かれてジョセフHCは「抽選会が終わり、2023年の対戦相手が具体的出てきて、非常にエキサイティングな気持ちになりました。イングランドとアルゼンチンと2つのパワフルなチームと当たります。セットピースが強いし、身体も大きい。フィジカルな相手との試合は我々にとって大きな挑戦になります。

逆に我々がやってきたスタイルが、2カ国とまったく違ったスタイル、ゲームになるので、そういった意味で、我々のラグビーが相手にしてみれば難しくなるところではイーブンかなと思いました。(両チームは)オールブラックスに勝っているので、大きなチャレンジになります。楽しみのあるプールだと思いました」と話した。

また、抽選が進むにつれて「ワクワクした」というリーチも「僕は個人的にオールブラックスと入りたかったが、イングランドとアルゼンチンと入って、これから、どういう準備するか明確になって良かった。

特にアルゼンチン代表はBK(バックス)がフットワーク上手な選手が揃っていて、FW(フォワード)はパワーランナーがいて、ディフェンスが強くて、何よりパッションにあふれるようなチーム。

イングランド代表はエディー・ジョーンズのイメージしかなくて、ゲームプランが柔軟性あって予想しづらい。今後、どういう準備するか大事になってくる」と語った。

特に、2015年ラグビーワールドカップで日本を指揮したエディ・ジョーンズHCが率いるイングランドと対戦することに関して、ジョセフHCは「エディーと日本ラグビーの関係性があるので、選手も楽しみの対戦になる」と話した。

また、リーチも「すごく、複雑な思いになるのかな。個人的には楽しみにしているし、エディにとって(日本代表)は、絶対負けられない相手でもあるし、日本代表の成長を期待していると思います」と話した。

今後について語るジョセフHC

イングランドとアルゼンチン、2つの強豪国にどう戦っていくのかに関して、ジョセフHCは「我々のラグビースタイルは本当にフリーフロー(ボールを止めず、自由に動かしていくこと)で、非常にスキルフルで日本人の良さを活かしていく。

イングランド、アルゼンチンはセットプレーが強く、身体が大きく、フィジカルなゲームをしてくる。今、思い浮かぶのは、スクラム、ラインアウトをもっと強化し、ディフェンスももっともっとやらないといけない。どちらのチームもこちらに合わせた準備をして、我々の隙を狙ってくる。そこを見据えて選手選考、強化を適切にやっていかないといけない」と冷静に話した。

また、リーチも同様に「まず一戦一戦戦っていくことを考えるとセットピースのところで、昨季の強いスクラムを継続するのと、少しずつ強化してやっていく必要がある。1試合1試合でなくて、どうやってプールを突破するかを考えると、スコッドを伸ばす。ただ伸ばすのではなく、スコッドを経験させることが大事。

その中で、残り2~3年、どこの国と組めるか。そういったテストマッチが少ないと心配かなと思います。選手を伸ばす場をどういう風にこれから作っていくかが大事になってくる」とコメントした。

コロナ禍においても、日本と2019年ラグビーワールドカップの王者である南アフリカ以外の強豪国は、テストマッチを行っていた。焦りはないのか?

ジョセフHCは「我々の手でコントロールできないことに執着せず、2023年をこれから楽しみにできますし、直近では(日本代表としては来年6月の)ライオンズ戦を見てやっていきたい。

自分たちがやっていることは、結局、ワールドカップにつながる。未来を見据えてやっていく。(来年の)1月からトップリーグが始まりますし、今、最初にやらないといけないのは、選手をまずラグビーに戻すこと、元の状態にもどすことだと思います」と語気を強めた。

また、リーチも「確かに南アフリカと日本だけ(今年の)テストマッチの経験がないが、それは仕方ない。今後、1試合1試合、どんなことを学べるかがどうやって成長するかが大事になってくる」と言うに留めた。

ジョセフHCはトップリーグが始まった後、1月末には来日する予定だという。新しい日本代表を目指す選手はまず、8ヶ月ぶりのトップリーグでいいパフォーマンスを出すことが欠かせない。

リーチは「自分たちにフォーカスすることが大事。個人的には東芝でいいプレーをすることが一番大事です。スタメンを獲得してトップリーグで活躍して、(日本代表に)選ばれる資格を作っていくことが重要かな。

東芝はすごく、昨季よりいい準備ができていると思う。この後、(練習試合が)3試合あって、1試合1試合成長して、万全な状態で開幕に向けていきたい。最後のトップリーグですし、いい結果を残していきたい」と意気込んだ。

2023年に向けての課題を「選手層の厚みだと思う」と話したジョセフHCは、「ポジションでいえば、セカンドロー。テストマッチで戦える選手をどれだけかかえることができるか」と話した。

また、WTB(ウィング)福岡堅樹(パナソニック)が代表引退したため、「次の大畑(大介)、福岡を探すことが次の仕事です」と、大学の試合やトップリーグを通して選手を発掘していく心づもりだ。

2023年の目標を聞かれて、ジョセフHCは「ワールドカップに参加するどのチームも、まずは予選プール突破を狙っていく。プレーオフに上がった後に、次にどう勝つべきかを考えていく。日本代表も2019年の成績から予選プール突破を狙う。

イングランド、アルゼンチンに勝てるチームを作り出さないといけない。点差をつけるのではなく、接戦で勝つというふうになっていくと思う。そこを目指して準備していく。そういった理解が必要であり、そこを加味して考えていくのであれば、ゴールはトップ8になる」と、まずは予選プール突破を掲げた。

一方、リーチは「日本代表の可能性はとてもあって、どこまで言っていいか、今のところわからない。ただ、個人的には優勝するつもりでやっていきたい。

予選プールはタフですが、そこを突破することはとても大変なことになる。僕らはあくまでもチャレンジャー、毎試合勝てるように頑張っていきたい。今後の準備はすごく楽しみですし、僕も(日本代表に)選ばれて、チームと一緒にやっていきたい」と先を見据えた。

2021年の日本代表スコッドは、トップリーグのセカンドステージが終わった直後の4月末に発表される。トップリーグおよび、トップチャレンジのチームでプレーオフに進出しないチームの選手は、フィットネス合宿を行う。そしてプレーオフが終わり次第、全員が合流し合宿する予定だ。

現在、日本代表は6月26日にスコットランドで、ブリティッシュ&アイリッシュライオンズとの試合が決まっている。その前に1試合、さらにライオンズ戦後に2試合と最低4試合のテストマッチを予定している。

日本代表のチームとしてはなるべく強豪との試合を通して、経験を重ねていくことが何よりも欠かせない。

文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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