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ラグビー コラム 2020年12月15日

日本はイングランド、アルゼンチンと同組。ラグビーワールドカップ2023 組み合わせ抽選

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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パリで行われた抽選会

12月14日、日本時間の20:30より、パリの中心地にある旧証券取引所(パレ・ブロンニャール)で2023年9月~10月、フランスで開催される第10回ラグビーワールドカップのプール組み合わせ抽選会が行われた。

2019年のラグビーワールドカップで日本代表を含め、予選プールで3位以上に入った12チームは2023年大会の出場権を自動的に得ており、残り8チームは地区予選や最終予選によって決定され、合計20チームが出場する。

出場権を得た12チームは、新型コロナウィルス感染拡大の影響のため、2020年1月1日時点での世界ランキングで3つのバンドに振り分けられ、世界ランキングで8位だった日本代表は第2シードにあたるバンド2に入っていた。

20チームがA~Dの4つの予選プールに振り分けられ、日本(現在の世界ランキング10位)はプールDに入り、日本代表の前指揮官エディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が率いる前回大会準優勝のイングランド(2位)、過去にベスト4に2度入っている強豪アルゼンチン(8位)、オセアニア第1代表(サモアかトンガが有力)、南北米大陸第2代表(アメリカ、ウルグアイ、カナダなどが有力)と同じ組に入った。

また、日本代表がプールDを1位および2位で勝ち抜いた場合、プールCの上位2チームのいずれかと対戦する。

◆2023年ラグビーワールドカップ予選プール組分け

※( )内は12月7日現在の世界ランキング

2023年大会の組み合わせが決定

プールA:ニュージーランド(3)、フランス(4)、イタリア(14)、南北米大陸第1代表、アフリカ第1代表

プールB:南アフリカ(1)、アイルランド(5)、スコットランド(7)、アジア/太平洋代表、欧州第2代表

プールC:ウェールズ(9)、オーストラリア(6)、フィジー(11)、欧州第1代表、最終予選勝者

プールD:イングランド(2)、日本(10)、アルゼンチン(8)、オセアニア第1代表、南北米大陸第2代表

抽選会にはオンラインで前回大会優勝の南アフリカ代表キャプテンFL(フランカー)シヤ・コリシ、イングランド代表SO(スタンドオフ)オーエン・ファレル、フィジー代表CTB(センター)セミ・ラドラドラなどが登場。

抽選会に出席した日本代表FLリーチ

日本代表からも2011年から出場し、2015年、2019年とワールドカップで日本代表のキャプテンを務めたFLリーチマイケル(東芝)も参加した。

組み合わせが決まってリーチは、「ワクワクしています。アルゼンチン代表は非常に熱いチームで、この数年、良い結果を残しています。また、イングランド代表は日本代表の元指揮官であるエディー・ジョーンズHCが率いているので、個人的には別の意味でのチャレンジになる。

日本代表のポテンシャルはかなりあるし、どんどん成長して、さらに強くなると思っています。加えて、若い選手も頭角を現しているし、外国出身で日本代表の資格を得る選手もチャンスを待っています。

だから、(前回大会と)期待値は変わらない。コーチングスタッフは準備していると思いますし、前回大会と同じように1試合1試合に勝っていって、決勝トーナメントに進出を目指します」と意気込んだ。

また現在、フランスのクレルモンでプレーしているWTB(ウィング)/FB(フルバック)松島幸太朗は、所属事務所を通して「イングランド、アルゼンチン、どちらも強いですがチャンスは十分にあると思います。早くもモチベーションが高くなっているので、楽しみで仕方がないですね。

イングランドはセットプレーもフェイズプレーも精度が高くて、なかなか隙は見せてこないと思うので、自分たちがしっかりやれていれば我慢比べになると思います。アルゼンチンはどこからでもトライ取ってくるので、一瞬も気は緩めないですね。

決勝に進出できるチームになり優勝を目指して、目標を高くしてやっていきたい。個人的には毎試合インパクトを残し、その大会で最も活躍した選手の1人になりたい」とコメントした。

また、抽選会後の記者会見で、イングランド代表ジョーンズHC、アルゼンチン代表マリオ・レデスマHCとともに、オンラインで会見に応じた日本代表のジェイミー・ジョセフHCは「(プールDに入ったことは)エキサイティングで、大きな挑戦です。アルゼンチン代表は最近、オールブラックスに勝ったばかりのチームなので、どれだけタフになるのか。

中断してしまった分、日本代表の選手をラグビーに取り戻し、次のステップである、6月、7月のテストマッチに臨めればいい。ティア2のチームは日本代表を含めて、相手が十分に強くないといけない。ベストコンペティションを求めていく。

前回大会は日本代表の選手たちは決意を持って臨み、100%で向かうことができた。イングランド代表にも同じ気持ちで挑んでくれると思う。ラグビーはどんどん進化しているので、イングランド代表のような大きなティア1チームと対戦して、自分たちのラグビーの落とし所をみつけなければいけない」と冷静にコメントした。

また、イングランド代表ジョーンズHCは「どのプールのクオリティーが高いと思いました。アルゼンチン代表はワールドカップで記録(ベスト4を2回)があり、日本代表はもっとも成長しているチームです。予選プールで勝つのは大きな挑戦です。恐らく、トンガ代表なども入ってきて、エキサイティングでタフなプールになるでしょう」と話した。

優勝トロフィーのエリスカップ

9都市で開催されるフランスでのラグビーワールドカップは、2023年9月8日に開幕し、10月21日に決勝が行われる。残り3年、トップリーグ、テストマッチや他の機会を含めて、計画的に日本代表になりうる選手たちを強化していくことが求められる。

いずれにせよ、ラグビー日本代表を目指す選手たちは、まず来年1月から始まるトップリーグで実力を発揮し、来年6月、7月に開催されるテストマッチで日本代表に選ばれることがワールドカップ出場への第一歩となる。

文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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