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ライバルを下し連覇を達成
22年ぶりに連覇を成し遂げた。関東大学対抗戦第6節で帝京大学に勝利し、優勝へ望みをつないだ明治大学。迎え撃つのは開幕から全勝で進んできた早稲田大学。下馬評では早稲田大優位との声もあったが、伝統の明早戦を制したのは紫紺の軍団だった。
12月の寒空の下、これまで95回の死闘を繰り広げてきた両校。96回目を迎えた今年は一昨年、昨年に次いで、事実上の優勝決定戦。序盤から激戦の様相を呈する。
動きがあったのは前半16分。敵陣ゴール前の明治大ボールスクラムから、激しい肉弾戦となる。早稲田大の隙のないディフェンスに切り込み、トライを奪ったのはNO8(ナンバーエイト)箸本龍雅主将(商4=東福岡)。「あのエリアでのアタックをしっかりと準備できていた」(箸本)。主将のトライがチームに勢いをつけた。
続く前半19分、つかみかけた流れを確実にする。ハーフウェイ付近で箸本がラインブレーク。勢いそのままにパスをつなぎ、右WTB(ウイング)石川貴大(政経4=報徳学園)がグラウンディング。キックオフからの速攻で早稲田大に付け入る隙を与えなかった。
明治大と言えば、FW(フォワード)。それを体現したのが前半24分。マイボールスクラムで早稲田大のFWに押し勝ち、相手のペナルティを誘う。FB(フルバック)雲山弘貴(政経3=報徳学園)のいい位置へのタッチキックから、敵陣ゴール前ラインアウトに。
モールで前へ前へとトライラインへ。最後はHO(フッカー)田森海音(政経3=長崎北陽台)がトライを決めた。「モールをまっすぐ押して固まる。当たり前のことが出来た」(田森)。
前半終盤に1トライを献上し、21-7で迎えた後半。やはり最初のトライは明治大だった。後半13分、相手のペナルティからゴール前のラインアウトに。モールこそ崩されたが、SH(スクラムハーフ)飯沼蓮(営3=日川)から左へと大きく展開。最後は途中出場の齊藤大朗(商4=桐蔭学園)がトライ。
ラグビー 関東大学対抗戦2020
【ハイライト】早稲田大学 vs. 明治大学
後半27分に早稲田大にトライを許したが、終始明治大ペースでゲームは展開。「スクラムは明治のセットアップで組め、圧倒できた」(右PR/プロップ村上慎・商3=法政二)。同40分には自慢の重戦車がスクラムでペナルティを獲得し、PG(ペナルティゴール)を森勇登(政経4=東福岡)が決めた。ロスタイムまでに、15点のリードを広げた。
攻めの姿勢は最後まで崩れない。「明治といえば攻撃、最後まで攻め切ろう」(左WTB石田吉平・文2=常翔学園)。後半43分、早稲田大のノックオンから敵陣10mラインでマイボールスクラム。左右に大きく何度も展開しながら、最後はショートサイドを攻め、ダメ押しのトライを石田が決めた。最終スコア34-14でノーサイド。
「MEIJI STYLEを出すことが目標だった」(飯沼)。3年連続で優勝をかけた伝統の一戦。明治大はセットプレーと接点という2つの強みで流れを引き寄せた。ライバル相手に地力の差を見せつけ、22年ぶりの対抗戦連覇を達成した。
明早戦では終始、ペースを握った
新型コロナウイルスの影響で開催すら危ぶまれた中での対抗戦だった。序盤の立教大学戦と青山学院大学戦では安定したプレーを見せつけ、白星発進。前半戦のヤマ場、第3戦目の筑波大学戦。相手の素早いリロードに苦しむ。それでもラインアウト成功率100%など、セットプレーから流れをつかみ、接戦を制した。
第4戦目の慶應義塾大学戦は、前節を上回る苦しいものとなった。両校は互いに隙のないディフェンスでロースコアの展開が続く。2点リードで迎えた後半ロスタイム。PGを決められ逆転負け。しかし、初の黒星はチームをより一層奮起させる。
日本体育大学戦が不戦勝となり、3週間空いての第5戦目。迎え撃つのはフィジカルに定評のある帝京大学。前半はハンドリングミスもあり、なかなか主導権が握れない。
それでも冷静さを欠かすことはなかった。4点ビハインドで迎えた後半、FWの活躍もあり一気に逆転。前節の慶應大戦では叶わなかった修正力を見せつけた。
「One by One」。意味は「1つ1つ」。対抗戦全試合を俯瞰(ふかん)してみると、まさに今年のスローガンらしい試合。1つ1つの試合を通し、1つ1つ課題を克服していった明治大。
「常に自分たちの課題や評価を過信するのではなく、自分たちがどれだけ自身を見つめられるかが大事になってくる」(箸本)。これから始まる大学選手権、昨年の雪辱を果たすべく彼らの戦いはまだまだ続く。
文:堀之内萌乃/写真:田中佑太(明大スポーツ新聞部)
明大スポーツ新聞部
1953年(昭和28年)創部。現在明治大学において唯一の学生新聞部。明治大学体育会43部の競技成績や、学内外の話題を幅広く紙面・WEBサイト上にて掲載、発信。 現在の部員数は56名。
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