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立命館の2020年シーズンが終了
試合終了後、最後の力を振り絞って自ら仲間のところに歩み寄り握手を交わした主将のNO8(ナンバーエイト)庄司拓馬(済4・東海大仰星)。彼の仲間を思いやる気持ちは、シーズン通して変わらなかった。
12月6日、2020ムロオ関西大学ラグビーAリーグの5・6位順位決定戦が宝ヶ池球技場にて行われた。立命館大学はOddリーグ3位の摂南大学と対戦した。ここまで、摂南大学は勝利こそ収めていないものの、留学生を中心としたBK(バックス)陣が強力だ。立命館としては何としてもここを抑えて、相手のボール支配を極力減らすことがカギとなる。
しかし、前半から自陣に攻め込まれる時間が続き、7分に先制を許してしまう。巻き返しを図りたいところだが、警戒していた留学生プレーヤーのヴィリアミ・ツイドラキにトライを決められ劣勢の展開。
だが、立命館はFW(フォワード)陣を中心にゲインし敵陣へ攻めこみ、21分CTB(センター)山口魁生(営4・清水谷)が左中間へトライを決め反撃。その後も立命館がプレッシャーをかけ反則を誘うと、モールからインゴールまで攻め、最後はCTB山口が中央へ2トライ目。CTB木田晴斗(情理3・関西大倉)のコンバージョンゴールも決まり、2点差まで追い上げる。
40分にはラインアウトから敵陣内で攻撃を展開し、最後はLO(ロック)田中雄太郎(スポ4・立命館宇治)が中央へ押し込み得点。木田のコンバージョンも決まり逆転に成功する。このまま前半終了と行きたいところだったが、ロスタイムにパスボールをインターセプトされ、19-19の同点で前半を折り返す。
前半21分トライを決めたCTB山口魁生
前半苦しんだ分、後半は序盤からペースをものにしたい立命館。2分、摂南大のペナルティから敵陣を攻め、ラインアウトモールを形成。必死のゲインを見せると、途中出場のFL(フランカー)宮下大輝(営3・報徳学園)が左中間へ押し込みトライを決め再び逆転に成功する。
その後も相手陣内でプレッシャーをかけ、有利な展開を見せていった立命館。12分にはSO(スタンドオフ)江良楓(スポ3・大阪桐蔭)がキックを用い、右中間へビックゲインしそのボールをWTB(ウィング)藤井健太郎(済3・伏見工業)が必死のゲインを見せた。ゴールライン2m手前のところでスクラムを形成すると、最後はLO田中が中央へ押し込みトライ。
その後も試合を優位に進めていき、16分にはLO田中がハットトリック。摂南大の留学生プレーヤーの猛攻にあい、失点を喫する場面もあったが、後半は終始立命館がボールを支配する展開に。40分には途中出場のHO(フッカー)中川魁(済2・大阪桐蔭)がダメ押しのトライを決めノーサイド。55-33で今季最終戦を白星で飾った。
試合後、中林正一監督は「今年は異例のシーズンでしたが、協会をはじめ関係者の方々のご尽力により無事最後まで試合ができたことに感謝しています」と敬意を示した。
また、この試合で引退する4回生について聞くと「コロナの影響で活動が困難な中、主務の奥(英理乃・済4・立命館宇治)を中心に、4回生がチームの指針を打ち出してくれたお陰で、スムーズに行動することができました。毎年いろいろなチームがありますが、何年か経った時に、今年の4回生はいい代だったと思えるのは間違いないと思います」とメッセージを送った。
熱い握手を交わした主将の庄司拓馬と中林正一監督
主将の庄司は試合を振り返り、「(摂南大は)前半から積極的にアタックを仕掛けてくるチームと分かっていたので、我慢の時間が続くことは予想していました。先制を許しましたが、後半は徐々に自分達のペースを掴み、勝利することができて良かったです」。
また、「4年間公式戦に出させてもらい、色々な経験をしました。今年は『関西優勝』という目標にかけてきた思いがあった分、結果に繋がらず悔しい思いをしましたが、毎日全力でやりきったという自負はあるので、後悔はないです」と4年間の大学生活を総括した。
今年は、新型コロナウイルスがラグビーに限らず全競技に影響を与えた。関西大学ラグビーリーグは、一時開催自体が危ぶまれた。困難な状況下、サポートする方々の存在があって競技ができることを痛感した人は少なくないはずだ。
また、あらゆる競技が見通しの立たないなか、若いアスリートたちの前向きな強い意思が未来をつなぎとめている。満員のスタンドから声援を浴び、選手が生き生きとプレーできる日が、1日でも早く訪れる事を願って止まない。
文/写真:福清真人(立命スポーツ編集局)
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