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ラグビー コラム 2020年12月4日

早稲田大学、全勝優勝をかけ伝統の「早明戦」に挑む。ラグビー関東大学対抗戦

ラグビーレポート by 早稲田スポーツ新聞会
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11月23日に行われた早慶戦で勝利を収め、関東大学対抗戦6戦全勝の快進撃を続ける早稲田大学。迎える最終戦で相まみえるのは宿敵・明治大学だ。

その明大は第5戦の慶應義塾大学戦でまさかの敗戦を喫したが、次節の帝京大学戦では修正力を発揮し逆転勝利。戦績を5勝1敗とし、優勝決定戦に臨む。13年ぶりの全勝優勝がかかる早大と、対抗戦連覇がかかる明大。両校の伝統、そしてプライドが激しくぶつかり合う。

接戦が予想された前節の早慶戦。早大の勝利を支えたのは規律の取れたディフェンスだった。

低く、鋭いタックルを武器とする慶大相手にトライを阻まれる場面もあったが、NO8(ナンバーエイト)丸尾崇真主将(文構4=東京・早実)が「アタックがだめならディフェンス、と立ち返る部分を持ち続けられた」と試合後に振り返ったように、我慢強いディフェンスで立ち向かった。

攻撃面でも『仕掛ける姿勢』を見せた早大は徐々に点差を広げ、最終スコア22-11で勝利。相手の圧力に屈せず粘り強いプレーで接戦を制し、早明戦に向けて弾みをつけた。

戦力も揃った。早慶戦ではケガの影響で欠場していたFL(フランカー)相良昌彦(社2=東京・早実)が復帰し、期待の新星である伊藤大祐(スポ1=神奈川・桐蔭学園)が対抗戦初出場。さらに、河瀬諒介(スポ3=大阪・東海大仰星)が今季初めてFB(フルバック)としてのスタメン復帰を果たした。

早慶戦にFBで出場した河瀬諒介

河瀬はトライを挙げるなどの活躍を見せ、その存在感を改めてアピール。万全の状態となり今節を迎える早大フィフティーンは、昨季の『日本一』をスタメンとして知るメンバーが8名残る、まさに盤石の布陣だ。

丸尾主将率いるFW(フォワード)陣が、ここまでの対抗戦で91%と高い成功率のラインアウトやブレイクダウンの強さでボールを維持し、BK(バックス)につなぐ。

トライゲッターのWTB(ウィング)古賀由教(スポ4=東福岡)や、安定感のあるプレーが持ち味のCTB(センター)長田智希(スポ3=大阪・東海大仰星)らを擁するBK陣は今年も高い得点力を誇り、『BKの早稲田』の名に恥じぬ仕上がりだ。武器であるフィールドを広く使った展開ラグビーで、明大のゴールラインを脅かす。

ラグビー 関東大学対抗戦2020

【ハイライト】慶應義塾大学 vs. 早稲田大学

前節の対戦相手であった慶大を『守り』のチームと評すのであれば、今節迎え撃つ明大は『攻め』のチームだ。NO8箸本龍雅主将を筆頭に、『重戦車』と呼ばれるFW陣は健在。

明治大学NO8箸本龍雅主将

中でもスクラムのマイボール維持率は97%を誇り、相手に強いプレッシャーを与える。加えて切れ味鋭いステップを見せるWTB石田吉平や、圧巻の突破力を持つCTB児玉樹など、BKもタレントがそろっており、多彩なオプションで敵陣へと切り込む。帝京大戦で見せたFW・BKが見事にかみ合った攻撃は、早大にとっても脅威となるだろう。

一方、今季の対抗戦において明大の課題となっているのは試合の入り。前半はミスから得点を許す場面が多く見られ、試合の中で修正していくという展開が多い。早大としてはスクラムの攻防を制し、序盤から早大のペースで試合を運べるかがカギとなるだろう。

今年も伝統の一戦は、見逃せない試合となった。臙脂と紫紺の二色に染まる東京・秩父宮ラグビー場で、ノーサイドの瞬間に笑っているのはどちらの大学か。見逃せない戦いが今、始まろうとしている。

文:横澤輝/写真:細井万里男(早稲田スポーツ新聞会)

早稲田スポーツ新聞会

早稲田スポーツ新聞会

1959(昭和34)年創刊。人気の野球、ラグビーを中心に早大体育会44部をくまなく取材し、年12回の新聞発行およびWebやSNSによる情報発信を行う。現在部員170名で活動。»早スポHP»Twitter»Facebook

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