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11月29日(日)、京都・宝が池公園球技場で関西大学Aリーグ1位~4位の順位決定戦2試合が開催された。
関西大学Aリーグは新型コロナウィルス感染拡大の影響により期間が短縮され、2リーグ制で行われた。その結果、Odd(奇数)リーグで全勝した天理大学と、Even(偶数)リーグで全勝した同志社大学が、今年の関西王者の座をかけて戦うことになった。なお、両チームともに3位以上に与えられる大学選手権出場はすでに決めてる。
やはり試合は5連覇を狙う天理大学のペースとなる。「同志社大学の激しいディフェンスに対して自分たちから身体を当てていこう」という天理大学のキャプテンFL(フランカー)松岡大和(4年)の言葉の通り、前半から黒衣の軍団が接点で相手を圧倒する。
序盤から試合を支配した天理大学
試合開始早々から、モールやラインアウトのターンオーバーなど、守備からペースをつかんだ天理大学が前半10分、相手陣15mでラインアウトのチャンスを得る。モールを押し込み、ラックを形成して、最後はルーキーのWTB(ウィング)マナセ・ハビリ(高知中央出身)が飛び込でトライ、5-0と先制する。
さらに天理大学は相手ボールのスクラムにプレッシャーをかけて反則を誘い、15分、相手陣のラインアウトからチャンスを得て、PR(プロップ)谷口祐一郎(4年)が抜けだしてゴールラインに迫る。
さらにSH(スクラムハーフ)藤原忍(4年)のフラットなパスを受けたLO(ロック)中鹿駿(4年)がトライ、FB(フルバック)松永拓郎(4年)がゴールを決めて、12-0とした。
天理大学は攻撃の手を緩めず、23分にはモールを押し込んでHO(フッカー)佐藤康(3年)がトライ。33分にはラインアウトを起点に、最後はLO中鹿がサイドを突いて再びトライ、26-0とリードした。その後、同志社大学もテンポのいいアタックを仕掛けるも天理大学の守備を崩すことができず、そのまま前半を折り返した。
後半も先に点を取ったのはリードしていた天理大学だった。後半5分、ラインアウトからWTBハビリがゲインし、さらにPR小鍛治悠太(4年)が持ち出してゴールラインに迫る。最後はSO(スタンドオフ)藤田大輝(3年)が外に振って、HO佐藤が2つ目のトライを挙げて33-0と大きくリードする。
ラグビー 関西大学リーグ2020
【ハイライト】天理大学 vs. 同志社大学
8分、やっと同志社大学もSH人羅奎太郎(4年)のフラットパスを受けたキャプテンFL中尾泰星(4年)がトライ、FB桑山太一(4年)がゴールを決めて、7-33とした。
しかし、すぐに天理大学も反撃。後半20分にはCTBシオサイア・フィフィタ(4年)が抜け出し、フォローしたNO8(ナンバーエイト)山村勝悟(2年)がトライ。24分にはスクラムを起点に、サインプレーからSO藤田が抜け出してトライ。47-7として勝負を決めた。
その後、天理大学がCTBフィフィタがトライ。一方、テンポ良く攻めた同志社大学が、途中出場のPRファイアラガ望サムエル(4年)、PR栗原勘之(4年)がトライを挙げたが趨勢は変わらなかった。
結局、激しいディフェンスとFWを軸に戦い、8トライを奪った天理大学が同志社大学に54-21で快勝し、関西大学リーグ5連覇を達成した。なお、POM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)は激しいプレーが光った天理大学LO中鹿が選出された。
後半修正するも前半は相手に圧倒されてしまった同志社大学の伊藤紀晶ヘッドコーチは「同志社もどれだけ(接点で)前に出られるか意識していましたが、天理大学の圧力を受けてしまった」と悔しそうな表情で話した。
キャプテンFL中尾も「今までは(アタックで)前に出ることができていたのが、(相手の)圧力で僕らのテンポでいいラグビーができなかった。タイトな試合では、前半から取れるときに取り切れないと勝てないと思うのでそこは甘かった」と肩を落とした。
5連覇を達成した天理大学の小松節夫監督は「素直に嬉しく思います。前半に関してはアタックが通用して点が取れて、ブレイクされましたが粘りのディフェンスができた。ずっと、日本一を掲げて練習しています。大学選手権では関西の優勝チームとして恥ずかしくない試合をして優勝を目指したい」と冷静に先を見据えた。
また、松岡キャプテンは「(5連覇は)めちゃくちゃ嬉しいです!まだ課題はありますが、残りの時間でいい準備をして大学選手権に乗り込みたい」。
関西5連覇、初の日本一を目指す天理大学
「(8月に新型コロナウィルスのクラスターが起きて活動できない時期があり)たくさんの人に迷惑かけた分、大学関係者やラグビー関係者、家族仲間のサポートで素晴らしい環境でラグビーできています。恩返しは感謝の気持ちだけでなく、日本一を勝ち取って感謝をしたい」と笑顔で話した。
関西で優勝した天理大学は大学選手権でシードされ、12月19日(土)に大阪・東大阪市花園ラグビー場で行われる準々決勝(関東リーグ戦2位と関東対抗戦5位の勝者と対戦)からのスタートとなる。
一方の関西2位となった同志社大学は、大学選手権は3回戦からの出場となり、12月13日(日)に花園ラグビー場で、関東大学対抗戦の4位チームと対戦する。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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